事業内容
チムニー株式会社は「はなの舞」「さかなや道場」「さかな酒場 魚星」等の鮮魚系居酒屋業態を中心に、直営・FC合計460店舗(2026年3月末)を全国展開する外食チェーンである。飲食事業(売上高26,365百万円の約93.7%)を主軸に、防衛省・法務省所管施設内での食堂受託運営(コントラクト事業、全国90施設)も手掛ける。
豊洲市場買参権・大田市場チムニー株式会社・直接契約農家を通じた独自の食材調達網を構築し、鮮度にこだわる「食の六次産業化」を経営戦略の根幹に据える。親会社は株式会社やまやで、酒類流通との連携も背景に持つ。
ビジネスモデル
収益の主軸は直営店部門(飲食事業販売高24,707百万円のうち21,117百万円)であり、これに食材等販売部門(2,714百万円)とロイヤリティ・設備貸与等のその他部門(875百万円)が加わる三層構造。FCオーナーへは収益実績のある直営店を継承する「建売システム」を採用し、FC店舗売上11,787百万円に対してロイヤリティと食材販売代金を得る仕組みを構築している。
コントラクト事業(1,657百万円)は施設受託による安定収入源として機能する。
企業の強み
東京都豊洲市場での買参権を保有し、大田市場チムニー株式会社(2016年設立)での養殖魚神経締め・鮮魚BOX調達、直接契約農家からの農産物納品、埼玉県さいたま市ほか3拠点の物流センターを組み合わせた独自サプライチェーンを構築。陸上完全養殖サーモンの全国導入も実現しており、競合が短期間で模倣困難な食材調達基盤を有する。
収益実績のある直営店をFCオーナーに継承する「建売システム」により、FCオーナーは収益見込みのある店舗を取得でき、当社はロイヤリティと食材販売代金を継続的に得られる双方向の収益構造を確立。2026年3月末時点でFC店140店舗を維持し、FC店舗売上11,787百万円を計上している。
防衛省・法務省所管の厚生施設内で飲食店を直営運営するコントラクト事業は、2012年4月の82施設受託開始以来継続的に拡大し、2026年3月末時点で全国90施設を運営。一般消費者の節約志向や景気変動の影響を受けにくい施設内受託という事業特性が、飲食事業の変動リスクを補完する安定収入源として機能している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高はコロナ禍からの回復を経て2024年3月期に25,725百万円、2025年3月期26,219百万円、2026年3月期26,365百万円と成長が鈍化・横ばい圏に入った。営業利益は2024年3月期1,301百万円をピークに2025年3月期924百万円、2026年3月期491百万円と2期連続で大幅減少。
外部要因として原材料費・光熱費・人件費・建築費の上昇が続く中、既存店客数の前年割れが重なり、売上増でコスト増を吸収できない構造が定着している。EBITDAも1,419百万円(前期1,911百万円、同25.8%減)と悪化。
2027年3月期は売上高28,000百万円・営業利益500百万円を予想するが、当期純利益は250百万円(同50.5%減)と大幅減益予想であり、特殊損益の動向が業績を左右する。
成長戦略
魚星業態拡大・店舗ブラッシュアップ・人財強化で選ばれる店舗を目指す
豊洲・大田市場の買参権を活用した鮮魚居酒屋の成長業態として、新規出店・業態転換を推進。2026年3月期は建設コスト上昇を踏まえ新規出店を慎重に検討した結果、飲食事業で直営10店舗・FC1店舗・子会社2店舗の出店にとどまり当初計画を下回った。
お客様に居心地の良い空間を提供するため、既存店の改装・業態転換・修繕を継続的に実施。2026年3月期も出店・改装関連費用の増加が利益を圧迫したが、競争力強化のための必要投資として継続する方針。
少子高齢化に起因する労働力不足への対応として、外国人採用・教育訓練に注力するとともに従業員エンゲージメント向上に取り組む。人件費(給料・雑給)は2026年3月期に前年比約303百万円増加しており、生産性向上との両立が課題。
原材料価格の上昇に対し、メニュー粗利ミックスの改善・食材アイテム数の集約・新規産地開拓により原価上昇を最小限に抑制する取り組みを継続。2026年3月期の売上原価率は31.3%(前期31.3%)と横ばいを維持したが、販管費の増加を吸収するには至らなかった。
最終更新: 2026年7月19日

