事業内容
オーミケンシ株式会社は1917年創業の繊維メーカーを源流とし、現在は繊維製品(レーヨン綿・紡績糸・編織物等)の加工・販売、不動産賃貸・販売、食品製造・販売、ソフトウェア開発・販売の4事業を展開する複合企業グループ。連結子会社5社・関連会社1社で構成され、国内外に事業拠点を持つ。
主要顧客は繊維分野で株式会社ピラミッド(売上高の10.6%)。かつてのレーヨン製造事業から撤退し、現在は環境配慮型素材の開発・販売と不動産資産の有効活用を軸に事業再構築を進めている。
東京証券取引所スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
売上高3,407百万円のうち、不動産セグメントが売上高1,240百万円・セグメント利益848百万円(利益率68.4%)と突出した収益性を誇り、グループ全体の利益源泉となっている。繊維(売上高1,688百万円・損失129百万円)と食品(売上高135百万円・損失76百万円)は赤字継続中であり、不動産収益による内部補填構造が続く。
加古川工場跡地等の遊休不動産の賃貸・売却が資金調達と借入金削減の両面で機能している。
企業の強み
2025年3月期の不動産セグメントは売上高1,240百万円に対しセグメント利益848百万円、利益率68.4%を達成。前期比売上高10.8%増・利益14.3%増と成長基調にあり、グループ全体の営業黒字転換(営業利益235百万円)を牽引する安定収益源となっている。
国立研究開発法人NEDOの「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム」に採択され、タイヤコード用CNT複合溶剤法セルロース繊維の実証プラントを設置。タイヤメーカーでの評価を実施中であり、公的支援を受けた技術開発基盤を有する。
2025年3月期に有形固定資産売却収入4,328百万円を計上し、固定資産売却益1,271百万円を実現。調達資金で長期借入金返済1,835百万円・短期借入金純減658百万円を実施し、自己資本比率を8.9%から12.1%へ改善した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2025年3月期に4期ぶりの営業黒字(235百万円)・当期純利益(300百万円)を計上したが、2026年3月期第3四半期累計では売上高2,193百万円(前年同期比9.0%減)、営業損失16百万円、経常損失174百万円、純損失472百万円と急速に悪化。前期の黒字は固定資産売却益1,251百万円という特別利益に依存したものであり、本業の収益力は依然として脆弱。
食品事業の販売不振・中国販売不振・原燃料価格高騰(外部要因)が長期化し、販売費及び一般管理費は前年同期比34百万円増の906百万円に膨らんだ。減価償却費も前年同期33百万円から96百万円へ急増しており、固定費負担が増大している。
通期予想(売上高3,100百万円・営業利益30百万円)の達成には第4四半期での大幅な業績改善が必要。
成長戦略
不動産収益基盤の維持と事業整理による収益構造の合理化
加古川工場跡地等の保有不動産を活用した賃貸・売却を継続推進。2026年3月期第3四半期累計でセグメント利益486百万円(利益率62.3%)を確保しており、グループ収益の根幹として維持。前年同期比17.9%減と収益が縮小しており、賃貸収益の安定化が課題。
事業撤退損81百万円・事業整理損失引当金140百万円・環境対策引当金35百万円を2026年3月期第3四半期に計上。不採算事業の整理を進めることで中長期的な固定費削減と収益構造の改善を図る。短期的には特別損失として純損失を拡大させる要因となっている。
2026年3月期第3四半期累計でその他セグメントが売上高277百万円(前年同期比94.0%増)・セグメント利益19百万円と黒字転換。ソフトウェア開発・販売・電子機器販売の拡大により、繊維・食品に依存しない収益多様化を推進する。
繊維(損失98百万円)・食品(損失59百万円)の赤字縮小に向け、各部門での収益改善活動を継続。中国販売不振・原燃料価格高騰という外部環境の逆風が続いており、抜本的な改善には至っていない。通期予想では繊維・食品の赤字継続が見込まれる。
最終更新: 2026年7月17日

