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富士紡ホールディングス株式会社

3104東証プライム繊維製品

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富士紡ホールディングス株式会社3104

事業内容

富士紡ホールディングスは1896年創業の持株会社で、子会社12社を通じて4事業を展開する。主力の研磨材事業では、半導体デバイス(CMP)・シリコンウエハー・ハードディスク・液晶ガラス向けの超精密加工用研磨材を世界のITデバイス関連企業に販売する。

化学工業品事業では有機合成受託製造を核に医薬・農薬・電子材料向け中間体を供給。生活衣料事業ではB.V.D.ブランドを中心にインナーウエアを展開し、その他事業では化成品・金型・自動車関連を手掛ける。

東京証券取引所プライム市場上場。

ビジネスモデル

研磨材事業は自社開発の超精密加工用研磨材を世界のITデバイスメーカーへ直販・商社経由で販売し、高い技術障壁を背景に28%超の営業利益率を実現する。化学工業品事業は大手化学メーカーからの受託製造モデルで安定受注を確保。

生活衣料事業は原糸紡績から製品縫製までグループ内一貫体制でブランド製品を供給する。設備投資は自己資金で賄い、財務健全性を維持しながら成長投資を継続する。

企業の強み

2026年3月期の研磨材事業は売上高22,561百万円、営業利益6,385百万円、営業利益率28.3%を達成。フジボウ愛媛㈱と台湾富士紡精密材料股份有限公司が製造・販売を担い、壬生川工場に技術開発棟、台湾に研究開発施設を整備するなど、ユーザーとの共同開発体制を構築している。

受注高は24,569百万円(前期比17.0%増)、受注残高は5,620百万円(同28.7%増)と先行指標も堅調。

2026年3月期の自己資本比率は72.0%と4期連続で上昇。有利子負債はほぼゼロ水準(キャッシュ・フロー対有利子負債比率0.0)で、インタレスト・カバレッジ・レシオは923.2倍に達する。

営業キャッシュ・フローは10,143百万円を創出し、8,081百万円の設備投資を全額自己資金で賄いながら現金残高も9,517百万円に増加した。

柳井化学工業㈱が国内有数の化学工業品受託工場を保有し、医薬・農薬・電子材料・機能性化学品など多種多様な有機合成反応に対応。2026年3月期は売上高14,113百万円、営業利益率10.0%(前期9.0%から改善)を達成。

2026年4月稼働の第5プラント建設を完了し、受注高は21,100百万円(前期比21.3%増)と先行需要も旺盛。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高45,929百万円(前期比+7.0%)、営業利益8,143百万円(同+25.7%)と2期連続の大幅増益を達成。研磨材事業が売上高22,561百万円(同+16.9%)・営業利益6,385百万円(同+35.0%)と全体を牽引した。

2027年3月期会社予想は売上高52,700百万円(同+14.7%)・営業利益9,200百万円(同+13.0%)と引き続き高成長を見込む。外部要因として生成AI普及による半導体投資の継続拡大が追い風となっており、同社の業績はAI投資サイクルへの感応度が高い。

会社は2027年3月期予想において、原料・燃料価格の上昇と販売価格への転嫁タイムラグを織り込み、研磨材事業で約5%・化学工業品事業で約10%程度の営業利益減少を見込んでいる。また中東情勢の影響も利益面での下押し要因として認識されている。

米国の通商政策動向も不確実性要因であり、外部環境の悪化が予想を下回るリスクとして注視が必要。一方、現時点では顧客需要に変化はなく、原料・燃料の当面の確保は完了しているとしている。

生活衣料事業は売上高6,323百万円(前期比▲9.2%)・営業利益438百万円(同▲25.3%)と減収減益が続き、小坂井工場の生産終了など構造改革を進めるも抜本的な改善には至っていない。その他セグメントは営業損失98百万円と赤字が拡大。

さらに2026年3月期の減損損失は778百万円(前期141百万円から大幅増)に膨らんでおり、その他セグメントで600百万円・全社消去で166百万円が計上された。非中核事業の収益改善と資産効率向上が中長期的な課題として残る。

成長戦略

研磨材・化学工業品の増強と生活衣料の構造改革で持続的成長を追求

生成AI普及によるHBM・最先端ロジック向けCMP研磨材の需要増加を取り込み、住友商事ケミカル㈱向け売上高を前期比32.3%増の10,887百万円に拡大。データセンター向けHDD用途・液晶ガラス用途も回復し、セグメント売上高22,561百万円・営業利益率28.3%を達成。

2027年3月期も堅調な業績推移を見込む。

電子材料・医薬農薬中間体の受託製造拡大を目的に設備投資を継続(2026年3月期セグメント設備投資4,432百万円)。2026年4月より新プラントが稼働を開始し、生産能力増強と安定稼働による収益拡大を見込む。農薬市況の在庫調整一巡による需要回復も追い風。

小坂井工場の生産・販売終了により経営資源を高採算事業に集中。アウトドア向け製品でEC×実店舗のOMO戦略を展開し、専門店への卸売・販促活動を強化。EC販売強化等で利益確保に努めるが、人件費増・円安・消費者の買い控えにより厳しい環境が継続している。

中期経営計画『増強21-25』の最終年度として「事業ポートフォリオの改革」と「各事業の増強」に取り組み、2026年3月期に売上高45,929百万円・営業利益8,143百万円を達成。2027年3月期は売上高52,700百万円・営業利益9,200百万円を予想し、次期計画への移行を見据えた成長基盤の構築を進める。

最終更新: 2026年7月19日