サステナビリティ経営推進リスク
気候変動や人権侵害等の社会課題が深刻化する中、当社グループのサステナビリティ経営推進が不十分な場合、ステークホルダーからの信頼低下、市場競争力の低下、資金調達環境の悪化、人財確保への影響等が生じる可能性がある。特に脱炭素への取り組みが遅れた場合、環境関連規制強化やエネルギーコスト上昇により財務状況に影響を及ぼす恐れがある。対応策として、CEOを議長とするサステナビリティ推進会議の設置、TCFD提言への賛同、2030年温室効果ガス排出量2023年度比▲42%(Scope1・2)の目標設定、人権デュー・ディリジェンスの実施等を推進している。
デジタル社会対応・DX推進リスク
デジタル化の加速・技術革新に対してDX推進が遅れた場合、顧客の購買行動変化への対応が困難となり市場競争力の低下や収益性悪化を招く可能性がある。また、デジタル人財不足による経営・業務効率化の停滞、システム障害による実店舗・オンライン営業への支障、従業員のSNSトラブル、AIの不適切利用による機密情報漏洩や第三者権利侵害のリスクも内在する。対応策として、実店舗とオンラインをシームレスにつなぐ顧客体験の高度化、専門組織の設置とデジタル人財育成、ソーシャルメディアガイドラインの策定・周知、AIシステム利用前のeラーニング受講義務化等を実施している。
ビジネスモデル変革リスク
少子高齢化・消費の二極化・デジタル化の進展により既存の百貨店マスマーケティング型ビジネスモデルが衰退しつつある中、変革が遅れた場合に業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。加えて、インフレ進行・労働市場の逼迫・サプライチェーン混乱に伴う人件費・資材・エネルギーコストの高騰が変革推進の阻害要因となり得る。対応策として、中期経営計画(2025〜2030年度)に基づく「館業」から「個客業」へのビジネスモデル変革を推進し、組織要員改革・収支構造改革・店舗構造改革の三改革を継続的に実施している。
人材確保・育成リスク
少子高齢化に伴う生産労働人口の減少を背景に人財獲得競争が激化する中、百貨店・不動産・金融・関連事業の成長を担う専門人財および経営人財の確保・育成が計画通りに進まない場合、経営目標の達成や事業成長に影響を及ぼす可能性がある。対応策として、採用段階でのワークショップ等を通じた双方向コミュニケーション、「三越伊勢丹グループ人財マネジメント方針」に基づく人的資本投資、戦略的出向政策・専門スキル育成支援、従業員エンゲージメント向上に向けたハラスメント防止・労働時間管理・両立支援制度の拡充等を推進している。
自然災害・感染症対応リスク
大規模地震(首都直下・南海トラフ等)・台風・水害・富士山噴火・感染症拡大・他国からのミサイル攻撃等が発生した場合、店舗の営業停止、商品供給網の混乱、人的・物的損害が生じ業績・財務状況に深刻な影響を及ぼす可能性がある。特に百貨店事業は全国各地からの商品供給・物流に依存しているため、供給網への影響は事業継続に重大な支障をもたらし得る。対応策として、BCP・災害対策基本計画の策定、レジリエンス認証の取得、全拠点ハザードマップ整備、毎年の全国一斉安否確認訓練・BCP訓練の実施、パンデミック対応体制の構築等を行っている。
組織犯罪・内部不正リスク
SNSを通じた匿名・流動型犯罪グループによる特殊詐欺や高額品を狙った強盗・窃盗等の組織犯罪が増加・巧妙化しており、人命・安全への脅威、経済的・物理的損失、営業停止、ブランドイメージ毀損のリスクがある。また、従業員による不正・違法行為が発生した場合、社会的信用の失墜による売上減少や賠償金等の支払い負担が生じる可能性がある。対応策として、リスク対策部会を中心とした横断的管理体制の構築、所轄警察署との連携訓練、「三越伊勢丹グループホットライン」による内部通報制度の整備、アクセス管理・監視等の技術的対策強化を実施している。
商品取引・法令遵守リスク
独占禁止法・消費者保護法・中小受託取引適正化法等の法規制を遵守できなかった場合、行政処分による営業活動制限、社会的信用の失墜、売上減少、罰金・課徴金等の財務損失が生じる可能性がある。特に食品衛生分野では、アレルギー表記不備による食物アレルギー有症事故や食中毒が発生した場合、重篤な健康被害、営業停止・行政処分、損害賠償金の支払いが発生し得る。対応策として、コンプライアンス推進会議による推進体制の構築、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理計画の策定・点検、お取組先との公正取引に関するガイドライン・マニュアルの整備・周知を実施している。
個人情報漏洩・サイバーリスク
国内外でサイバー攻撃・不正アクセス事例が増加する中、当社グループが保有する多数の顧客・取引先情報が漏洩・紛失した場合、損害賠償・罰金等の費用発生、法令違反による社会的信用の失墜、売上減少等の業績・財務への悪影響が生じる可能性がある。個人情報を活用した新規ビジネス拡大に伴い漏洩・不適切利用リスクも高まっており、各国の個人情報保護法制強化への対応も急務となっている。対応策として、サイバーセキュリティ対策部会によるセキュリティツールの導入・運用強化、専門的セキュリティ人材の育成、サイバーインシデント訓練の実施、個人情報の適正取得・利用・管理に関する自主基準・マニュアルの整備を推進している。
海外情勢・地政学リスク
東南アジア・中国・台湾・米国等での百貨店事業および海外不動産事業において、地政学リスク(政治・経済的不安・社会的混乱)に伴うエネルギーコスト・商品価格高騰、為替変動、インフレ加速・景気後退等が海外現地店舗の来店客数・売上高および訪日外国人免税売上高の減少をもたらす可能性がある。内部リスクとして、従業員の安全・労務管理上の問題、現地法規制対応不備、現地ガバナンス不全による事業停止・撤退リスクも存在する。対応策として、拠点ごとのリスクマップ作成・更新、内部通報制度の導入、日本側からの資金モニタリング体制構築、海外赴任者への地政学リスク教育等を実施している。
資金調達・財務リスク
中期経営計画の実現に向けてコンテンツ・DX・不動産・安心安全等の投資に1,000億円水準の資金が必要となる中、業績悪化や格付け変更による資金調達力の低下、市場金利上昇による調達コスト増加が戦略実行の遅延や戦略変更を余儀なくさせるリスクがある。対応策として、収支構造改革による営業キャッシュ・フローの安定的創出、有利子負債削減によるバランスシート健全化、事業別・連邦単位での資本効率向上、投資優先順位付けと投資評価の厳格化を推進している。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

