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株式会社三越伊勢丹ホールディングス

3099東証プライム小売業

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株式会社三越伊勢丹ホールディングス3099

事業内容

株式会社三越伊勢丹ホールディングスは、三越・伊勢丹両ブランドを擁する国内最大級の百貨店持株会社。連結子会社34社・持分法適用関連会社8社を含むグループ全体で、百貨店業(売上高の約82%)を中核に、クレジット・金融・友の会業、不動産業、食品スーパー・旅行・広告等の関連事業を展開する。

国内では伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店等の首都圏旗艦店と全国地域店舗網を持ち、海外ではシンガポール・タイ・マレーシア・米国・イタリア・台湾等に拠点を構える。主要顧客層は国内富裕層・上質消費志向層および訪日外国人。

2008年の経営統合以来、構造改革を経て「個客業」への転換を推進中。

ビジネスモデル

カード・アプリ等で顧客を識別し、個客単位のCRM・外商活動で購買単価と利用頻度を高める「個客業」モデルを採用。百貨店での集客・識別化を起点に、エムアイカードによる金融収益、新宿エリア不動産賃料、食品スーパー・旅行・広告等の関連事業収益を「連邦」活動で相互連携させ、グループ全体のLTV(ライフタイム・バリュー)を最大化する構造。

販管費コントロールの徹底により、売上高が微減でも営業利益が拡大する収益体質を実現している。

企業の強み

2025年3月導入の年会費無料「エムアイカード ベーシック」が奏功し、識別顧客数は前年比約74万人増の約835万人に拡大。年間300万円以上購買顧客も増加し、個人外商取扱高は首都圏を中心に着実に伸長。カード・アプリを通じた識別化インフラが競合他社が短期間で模倣困難な顧客基盤を形成している。

2026年3月期は売上高が前期比1.8%減の545,626百万円に留まる一方、販管費を前期比4,659百万円削減(256,702百万円)し、営業利益は80,020百万円と前期比4.9%増を達成。2022期の営業利益5,940百万円から4年間で約13倍超に拡大しており、経費構造改革による利益転換力の高さが実証されている。

伊勢丹新宿本店「丹青会」・三越日本橋本店「逸品会」等の招待会企画で過去最高売上を記録した企画が複数存在。オンライン事業の総額売上高も過去最高を更新。地域店舗への拠点ネットワーク活動(商品取り寄せ・店舗間送客)が前年同期比二桁増と、旗艦店ブランドを起点とした集客・送客力が全国に波及している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の親会社株主帰属当期純利益は76,096百万円(前期比44.1%増)と大幅増益だが、その主因は特別損失の大幅縮小(前期12,242百万円→当期2,485百万円)と関係会社株式売却益10,646百万円の計上にある。一方、経常利益は86,587百万円と前期比1.7%減少しており、持分法投資損益が12,260百万円から6,292百万円へ半減したことが響いた。

2027年3月期予想では当期純利益61,500百万円(前期比19.2%減)と大幅減益を見込んでおり、特別利益の剥落と持分法収益の構造変化(新光三越の持分法適用除外)が下押し要因となる点に留意が必要。

2026年3月期の海外顧客売上は、前年度の過去最高実績からの反動に加え、2025年11月以降の訪日客数減速の影響を受けて前年実績を下回った。外部環境として円安傾向はインバウンド消費を下支えする一方、地政学リスクの拡大や高額品価格改定前の駆け込み需要の剥落が逆風となっている。

2027年3月期の売上高予想は560,000百万円(前期比2.6%増)と増収を見込むが、インバウンド需要の回復ペースと国内消費の持続性が計画達成の鍵を握る。

2026年3月期の年間配当は70円(前期54円から29.6%増配)、自己株式取得は総額330億円を実施。2027年3月期は年間80円への増配と270億円を上限とする自己株取得を予定し、フェーズⅠ期間累計で総還元性向70%以上を目指す方針を明示。

自己資本当期純利益率(ROE)は12.5%(前期8.8%)に改善し、1株当たり純資産も1,764.68円(前期1,646.23円)に上昇。ただし、2027年3月期は当期純利益の大幅減益予想(61,500百万円)の中での増配・自己株取得継続となるため、財務健全性(自己資本比率50.8%)との両立が注目点。

成長戦略

「個客業」への転換と識別顧客LTV最大化、「まち化」による新事業機会獲得

「エムアイカード ベーシック」(年会費無料、2025年3月導入)により識別顧客数は約835万人(前年比約74万人増)に拡大。年間300万円以上購買顧客の増加や個人外商取扱高の伸長が確認されており、識別顧客売上高は堅調に推移。

2025〜2027年度のフェーズⅠにおいて集客→識別化→利用拡大→生涯顧客化のプロセス活動を推進中。

総合金融サービス「MITOUS」(資産運用・クラウドファンディング・保険等)を2025年3月に開始。2025年10月に金融商品仲介業・銀行代理業の認可を取得し三越日本橋本店内での営業を開始。エムアイカードは過去最高益を達成し、百貨店顧客との接点を活かした金融サービス提供が本格化。

両本店からの商品取り寄せや店舗間送客による「拠点ネットワーク」活動が前年同期比二桁増加。岩田屋本店・新潟伊勢丹等の地域主要店でもラグジュアリーブランド・宝飾時計が売上を牽引。オンライン事業の総額売上高が過去最高を更新し、店舗とデジタルの連動が強化されている。

不動産業は新宿エリア賃料収入増加と建装事業の受注拡大により営業利益4,681百万円(前期比29.5%増)と大幅増益。㈱エムアイフードスタイルは新会社「㈱フードクラフト」設立・「OONOYA」「大野屋商店」事業承継(2026年4月)により顧客接点を拡大。

2025〜2030年度の「まち化準備フェーズ」において百貨店を核とした街づくりへの展開を準備中。

持分法適用関連会社・新光三越百貨股份有限公司の株式を2026年4月1日付で一部譲渡(譲渡後持分比率10.00%)し、持分法適用関連会社から除外。譲渡益は約100億円(概算値)。グループの最適な経営資源配分施策の一環として実施。2027年3月期以降は持分法投資損益の剥落が経常利益に影響する見込み。

最終更新: 2026年7月19日