事業内容
株式会社ZOZOは、日本最大級のファッションECサイト「ZOZOTOWN」およびファッションメディア「WEAR by ZOZO」の運営を中心に事業を展開する。1,710ショップ・11,247ブランドを擁するZOZOTOWNを主軸に、Yahoo!ショッピングへの出店(LINEヤフーコマース)、2025年5月に連結化した欧州ファッションプラットフォーム「LYST」、BtoB支援、広告事業など多様な事業区分を持つ。
主要顧客はファッションに関心を持つ国内消費者(アクティブ会員12,479,312人)であり、近年はグローバル市場への展開も本格化している。LINEヤフー㈱の連結子会社として、親会社との協業によるシナジーも活用している。
ビジネスモデル
売上高の大部分は、ブランドから商品を受託し販売手数料を得る「受託販売」(商品取扱高の73.9%)が占める。在庫リスクを負わないため高い利益率を維持できる構造であり、2026年3月期の対商品取扱高営業利益率は10.7%。
これに加え、LINEヤフーコマース(手数料収入)、広告事業(売上高11,884百万円)、LYSTの成果報酬型手数料が収益を補完する。重要経営指標として商品取扱高とROEを重視し、ROE30%を目安に資本効率経営を実践している。
企業の強み
2026年3月期末のアクティブ会員数は12,479,312人(前年同期比1,075,921人増)。WEB広告・友達紹介キャンペーン・休眠会員掘り起こし施策の組み合わせにより、毎四半期で純増を継続している。
年間購入者数も13,173,445人に達し、購入者基盤の厚みが安定的な商品取扱高成長を支えている。
商品取扱高の73.9%を占める受託販売は、ブランドが在庫リスクを負担するため、ZOZOは手数料収入のみを計上する。この構造により、2026年3月期の営業利益は69,366百万円(対商品取扱高比10.7%)、EBITDAは76,924百万円(同11.9%)を達成。
ROEは46.6%と目標値30%を大幅に上回る高い資本効率を実現している。
2026年3月期末時点でZOZOTOWNに出店するブランド数は11,247(前年度末比2,198増)。SALOMON等アウトドアブランドや新規カテゴリーへの積極誘致を継続しており、ZOZOCOSMEを軸としたコスメカテゴリー強化も進む。
豊富な品揃えがユーザーの回遊性と購買頻度を高め、競合他社が短期間で模倣困難な参入障壁を形成している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2022年3月期から2026年3月期にかけて売上高は166,199百万円→228,373百万円(5期間CAGR約8.2%)、営業利益は49,656百万円→69,366百万円(同約8.7%)と安定成長を継続。2026年3月期は売上高前期比7.2%増、営業利益同7.1%増、当期純利益同5.7%増と5期連続増収増益を達成した。
売上高営業利益率は30.4%と前期と同水準を維持。LYST連結化により商品取扱高(その他除く)は12.4%増と加速した一方、LYSTの低手数料率モデルが売上高成長率を押し下げ、粗利率は前期比1.5ポイント低下の33.0%となった。
外部要因として国内ファッション市場は雇用・所得環境の改善を背景に底堅さを示したが、恒常的な物価上昇・気候変動・地政学リスクが消費意欲に影響した。2027年3月期会社予想は売上高241,900百万円(前期比5.9%増)、営業利益74,400百万円(同7.3%増)。
成長戦略
More Fashion・Near Fashion・Globalの3領域で2030年3月期調整後EBITA900億円を目指す
WEB広告・友達紹介キャンペーン・休眠会員掘り起こし施策の強化により、アクティブ会員数を継続拡大。ZOZOCOSMEを軸としたカテゴリー拡充、AIエージェントを活用した「似合う」ソリューション提供で付加価値を高め、ファッション消費におけるZOZOTOWN利用率の向上を図る。
Yahoo!ショッピング・Yahoo!オークションへの出店を通じ、従来のZOZOTOWNユーザーとは異なる顧客層を獲得。LINEヤフー㈱によるプロモーション施策と「本気のZOZO祭」等の販促施策を継続し、2027年3月期商品取扱高86,600百万円(前期比9.7%増)を計画。
2025年4月に完全子会社化したLYSTのビジネスモデル刷新に注力し、欧米ラグジュアリー市場での非連続成長を目指す。2026年3月期は欧米ラグジュアリー業界不調・米関税制度変更等で計画未達となったが、2027年3月期は商品取扱高46,500百万円(前期比10.1%増)を計画。
ZOZOTOWNユーザーとの親和性が高いファッション周辺領域での新たな利益成長ドライバーを創出。2026年4月に香りの総合プラットフォーム「カラリア」運営の㈱High Linkを取得原価概算4,990百万円で完全子会社化し、フレグランス市場への領域拡大とサブスクリプション販売手法の取り込みを開始。
2026年5月より連結対象となりその他区分に計上予定。
物流拠点の在庫保管量適正化・作業効率改善に加え、2025年10月より配送委託先との経済条件改善を実現し荷造運賃(対商品取扱高比)を0.6ポイント低下させた。2027年3月期も既存拠点への新たなマテハン機器導入による減価償却費増加を見込む一方、荷造運賃の継続的低減により販管費率(対商品取扱高)は当期比で低下する見通し。
最終更新: 2026年7月19日

