事業内容
アルコニックス株式会社は、アルミ・銅・ニッケル・レアメタル等の非鉄金属を取り扱う商社流通機能と、M&Aで拡大した製造子会社群による製造機能を融合した複合型企業集団。連結子会社61社・関連会社3社を擁し、電子機能材・アルミ銅・装置材料・金属加工の4セグメントで事業を展開する。
半導体製造装置、航空宇宙防衛、自動車、電池等の成長分野を主要顧客層とし、国内外に幅広いサプライチェーンを構築している。2026年3月期の連結売上高は219,720百万円に達する。
ビジネスモデル
商社流通部門では非鉄金属の輸出入・国内取引・三国間取引を通じてマージンを獲得し、製造部門ではM&Aで取得した精密加工・装置材料製造子会社が高付加価値製品を製造・販売する。商社機能と製造機能のシナジーにより、原料調達から製品供給まで一貫したバリューチェーンを構築し、利益面では製造業の比率が飛躍的に高まっている。
企業の強み
2009年以降、大川電機製作所・大羽精研・富士プレス・マークテック・富士カーボン・ジュピター工業・ソーデナガノ・坂本電機製作所等を順次M&Aで取得。製造セグメントの利益貢献が飛躍的に高まり、2026年3月期の金属加工事業セグメント利益は4,630百万円と全セグメント最大となっている。
電子機能材事業では、チタン・タングステン・モリブデン・レアアース等のレアメタルを鉱石・原料から地金・中間原料・製品まで一貫して取り扱う体制を構築。アドバンストマテリアルジャパン株式会社を中核に、国内外の商権・ネットワークを活用した独自の調達・販売体制は他社との差別化要因となっている。
金属加工事業では、アルミ・チタン等難削材の精密切削・研削・プレス加工において複数の製造子会社が大手半導体製造装置メーカーや重工業各社から主力ベンダーとして高い評価を受けている。2026年3月期の金属加工事業売上高は41,120百万円、セグメント利益率は11.3%に達する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は156,286→178,333→174,901→197,004→219,720百万円と2024年3月期の一時的な落ち込みを経て回復・拡大基調。営業利益は11,020→8,393→5,463→6,919→9,743百万円と2024年3月期底打ち後に急回復し、2026年3月期は前期比40.8%増を達成した。
外部要因として、ニッケル・タングステン等レアメタル市況の上昇、アルミ・銅相場の下半期からの緩やかな回復、AIデータセンター需要を起点とした半導体関連需要の旺盛化が業績を押し上げた。一方、自動車関連部材不振(北米EV減速)がアルミ銅セグメントの足を引っ張り、カーボンブラシ事業の事業構造改善費用が装置材料セグメントの利益を圧迫した。
親会社株主帰属当期純利益は5,598百万円(+16.5%)、1株当たり純資産は2,635.52円と着実に増加している。
成長戦略
長期経営計画2030に基づき既存収益強化・M&A・設備投資・低採算事業変革を推進
製造子会社を中心に2026年3月期に有形・無形固定資産取得8,660百万円を投じ生産能力を増強。半導体製造装置・航空宇宙防衛向け精密加工品の旺盛な需要を取り込み、金属加工セグメント利益は4,630百万円と前期比42.9%増を達成した。
2026年3月期に株式会社ナノシーズを新規連結化。長期経営計画2030に基づきM&A投資を継続推進し、グループ間シナジーの追求と新規商権開拓を図る。内部留保資金をM&A・事業投資・人的資本充実に有効活用する方針を明示している。
装置材料セグメントのカーボンブラシ事業で事業構造改善費用を計上(2026年3月期136百万円)し、固定資産の減損損失54百万円も認識。低採算事業の変革を実行することで、グループ全体の収益性向上を目指す。
アルミ銅事業において非鉄スクラップ(アルミ・銅・特金・廃家電等)のリサイクル取引を拡大し、スクラップ市場の需要回復傾向を取り込む。経営統合等による生産性・効率性向上も図りつつ、2027年3月期は合算で減収減益を見込みながらも中長期的な事業基盤を固める方針。
最終更新: 2026年7月19日

