事業内容
クオールホールディングス株式会社は、連結子会社28社を擁する医療サービス持株会社。主力の薬局事業では全国949店舗の保険薬局を運営し、BPO事業ではCSO・CRO・紹介派遣・出版関連の医療関連アウトソーシングを提供する。
製薬事業では第一三共エスファ株式会社(持株比率80%)を中核にAG製品を主体とした医薬品製造販売を行う。2026年3月期の連結売上高は290,772百万円で、薬局事業61%・製薬事業34%・BPO事業5%の構成。
医療の川上(製薬)から川下(薬局)まで一貫したバリューチェーンを持つ点が特徴。
ビジネスモデル
薬局事業は調剤報酬(技術料)と薬剤収入を主収益源とする安定型モデル。製薬事業は先発品メーカーとの独占販売契約に基づくAG製品の製造販売で高成長を実現。
BPO事業はMR派遣・人材紹介・CRO受託等の役務提供フィーで収益を得る。3事業のグループシナジー(薬局知見を活かした製薬MRの情報提供、薬剤師人材の紹介派遣等)が競争優位を形成する。
企業の強み
2026年3月期末時点で949店舗を展開し、薬局事業売上高177,461百万円を計上。ローソンとの協業店舗が2026年4月に50店舗到達するなど、コンビニとの融合という独自モデルも構築。在宅調剤に特化した企業のM&Aも継続し、地域医療インフラとしての存在感を高めている。
2023年10月の持分法適用開始から段階的に持株比率を引き上げ、2025年4月に80%へ到達。2026年3月期の製薬事業売上高は99,010百万円(前年同期比25.8%増)、営業利益は6,960百万円(同32.0%増)と高成長を実現。
バイエルやアストラゼネカとの独占販売契約(各10年間)により安定的な製品パイプラインを確保している。
薬局(川下)・BPO(中間支援)・製薬(川上)の3事業を保有し、単一事業リスクを分散。2026年3月期は売上高・各段階利益ともに過去最高を更新。EBITDAは24,624百万円(前年同期比12.8%増)に達し、グループ全体の収益創出力が向上している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期166,199百万円から2026年3月期290,772百万円へ5期で約1.75倍に拡大。2025年3月期に第一三共エスファの連結化で売上高が46.6%急増した後、2026年3月期も10.2%増と成長が継続している。
営業利益は2024年3月期の8,324百万円を底に回復基調にあり、2026年3月期は14,811百万円と過去最高を更新。親会社株主帰属当期純利益も7,408百万円(前期比43.5%増)と大幅改善した。
外部要因として調剤報酬改定による医療DX加算の新設が薬局事業の技術料単価を押し上げた一方、物価上昇に伴う人件費増が薬局事業の利益率を圧迫している。EBITDAは24,624百万円(前期比12.8%増)と安定的なキャッシュ創出力を示している。
成長戦略
薬局・BPO・製薬の3事業深化と進化で2031年3月期売上高5,000億円を目指す
第一三共エスファにおけるAG製品の継続的投入(2026年3月期に2成分5品目発売、2成分4品目の製造販売承認取得)と後発医薬品以外の領域への拡大、薬局事業知見を活かした情報提供による市場シェア拡大を推進する。
クラウド型電子薬歴システムの活用、ゼロベースのコスト見直し、DX推進による生産性向上を通じて人件費増を吸収し、薬局事業の収益性回復を図る。地域連携薬局・専門医療機関連携薬局の認定取得推進により機能分化にも対応する。
戦略的M&Aと新規出店により薬局ネットワークを拡大する。2026年3月期は新規出店10店舗・事業譲受8店舗・子会社化1店舗で19店舗増加し949店舗体制を構築。在宅調剤に積極的な有限会社横浜薬業サービスの株式取得等、在宅・施設調剤強化に向けたM&Aも継続する。
CSO事業でのMR派遣数増加・派遣単価見直しによる利益率向上、2025年11月グループ化のクリンクラウド株式会社のEDC活用によるCRO事業拡大、紹介派遣事業でのAI活用による生産性向上と新規事業(薬剤師スポット・産業医関連)の拡大を推進する。
「深化と進化」を基本方針とし、薬局・BPO・製薬の3事業の発展と成長を通じて2031年3月期に連結売上高5,000億円・営業利益350億円の達成を目指す。サステナビリティ実現に向けた環境負荷低減とSDGs推進も並行して取り組む。
最終更新: 2026年7月19日

