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株式会社パシフィックネット

3021東証スタンダードサービス業

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株式会社パシフィックネット3021

事業内容

株式会社パシフィックネットは1988年設立、東証スタンダード市場上場のIT資産管理サービス企業。法人・官公庁向けにPC・サーバー・タブレット等のITサブスクリプション(レンタル)とIT運用管理・クラウド等のBPOサービスを提供するITサブスクリプション事業(売上高5,849百万円)、使用済みIT機器の回収・データ消去・リユース販売を担うITAD事業(売上高2,064百万円)、観光業界向けイヤホンガイド®で国内シェア90%超を誇るコミュニケーション・デバイス事業(売上高321百万円)の3セグメントを展開。

IT機器の導入から廃棄・リユースまでのライフサイクル全体を支援する事業構造を持つ。

ビジネスモデル

ITサブスクリプション事業では長期契約による月次ストック収益を積み上げ、安定的な収益基盤を構築。ITAD事業では使用済みPC等の回収・データ消去・リユース販売を行い、セグメント利益率35.9%という高収益を実現。

両事業のクロスセルにより、サブスクリプション終了品をITAD事業の優良リユース品として活用するなど、IT機器ライフサイクル全体で収益を最大化する循環型ビジネスモデルを構築している。

企業の強み

2025年5月期は売上高8,100百万円(前年同期比17.0%増)、営業利益842百万円(同28.0%増)を達成し、全セグメントで増収・増益を実現。売上高・営業利益ともに創業以来最高を記録した。

2021期から2025期にかけて売上高は5,224百万円から8,100百万円へ、営業利益は768百万円から842百万円へ拡大している。

ITAD事業は売上高2,064百万円に対しセグメント利益742百万円(利益率35.9%)を達成。OS更新需要を背景とした採算性の高い使用済みPCの確保、生産体制の見直し、効率的な業務オペレーションにより、前年同期比29.3%の大幅増益を実現した。

ITサブスクリプション事業では長期サブスクリプション売上高が順調に拡大し、セグメント資産10,192百万円規模のレンタル資産を保有。りそな銀行・三井住友銀行等6行参加の2,000百万円シンジケートローン(無保証・無担保)を組成し、資産拡大に向けた安定的な資金調達基盤も整備している。

エンヴァリスの着眼点

2026年5月期はOS更新需要がITAD事業の入荷増・ITサブスクリプション事業の受注増に寄与した。会社側は2027年5月期予想で売上高11,100百万円(前期比6.1%増)、営業利益1,450百万円(同4.2%増)と増収増益を見込むが、OS更新需要の影響が徐々に落ち着くことを前提としており、成長率は鈍化する見通し。

長期サブスクリプションのストック積み上げとITADのサービス収益(データ消去・引取回収)拡大が特需後の成長持続を支えられるかが評価の核心となる。

2026年5月期末の有利子負債(1年内返済予定長期借入金4,203百万円+長期借入金5,439百万円)は合計9,642百万円に達し、自己資本比率は前期27.3%から25.5%に低下した。サブスクリプション資産(レンタル資産純額11,405百万円)の積み上げに伴う借入拡大が続いており、後発事象として2026年6月に1,400百万円の追加借入も実施済み。

支払利息は前期53百万円から100百万円へ倍増しており、金利上昇局面での財務コスト増加リスクに留意が必要。

会社側はPC領域に加え、AIサーバー・ストレージ・ネットワーク機器等のAIインフラ機器に関するLCMサービス展開を明示している。AIインフラ投資の拡大という外部要因として市場環境は追い風だが、既存のITサブスクリプション・ITAD両事業のノウハウ・顧客基盤・テクニカルセンター等のインフラを活用できる点が自社固有の優位性。

ただし、AIインフラ機器は単価・規模ともにPC領域と異なり、調達・処理体制の整備状況や収益化時期の見極めが投資判断上の重要変数となる。

成長戦略

ストック収益積み上げ・ITAD高収益化・AIインフラLCM展開で持続成長を目指す

長期サブスクリプション(3〜5年)の受注積み上げによる安定収益基盤の強化。AIPC普及・PC価格高騰を背景とした初期費用平準化ニーズを取り込み、BPO機能を包含したLCMサブスクリプションへの需要拡大を図る。2026年5月期は前期比22.4%増収を達成し、稼働率も高水準を維持。

リユース販売単価に依存しない収益構造への転換として、データ消去・引取回収・適正処理等のサービス収益拡大を重点施策として推進。企業のITガバナンス強化・情報セキュリティ対策ニーズを背景に新規受注が増加しており、2026年5月期セグメント利益率は41.3%に達した。

PC領域に加え、AIサーバー・ストレージ・ネットワーク機器等のAIインフラ機器に関するLCMサービスの展開を開始。AIインフラ市場の拡大を見据え、取扱機器の領域と業容の拡大を目指す。現時点では方針表明段階であり、具体的な収益貢献時期は未開示。

人材採用・賃上げ・リスキリング、システム・セキュリティ・設備・テクニカルセンター移転等のインフラ投資、AI活用・業務自動化・ノーコードツール活用によるDX推進を継続拡大。2026年5月期は先行投資費用増加を吸収しながら大幅増益を実現し、投資効果が確認された。

PC価格上昇・納期遅延リスクに対応するため、需要動向を踏まえたサブスクリプション資産(レンタル資産)の先行積み増しを継続。2026年5月期末のレンタル資産純額は11,405百万円(前期比27.8%増)。後発事象として2026年6月に1,400百万円の追加借入を実施済み。

最終更新: 2026年7月17日