事業内容
株式会社長栄は1980年に京都で創業し、1988年に法人化した賃貸不動産専業企業。不動産管理事業(オーナー向け賃貸管理サービス)と不動産賃貸事業(自社物件の賃貸)の二事業を両輪に展開する。
2026年3月末時点で京都・滋賀・大阪・兵庫・東京・神奈川・千葉・埼玉・愛知・福岡・熊本の11都府県に管理センター25ヶ所を構え、管理物件総戸数29,279戸(1,450棟)を擁する。主要顧客は賃貸マンションオーナーと入居者であり、「ベルヴィ」ブランドの管理センター網を通じてワンストップサービスを提供している。
2021年12月に東証二部上場、2022年4月にスタンダード市場へ移行した。
ビジネスモデル
不動産管理事業では管理受託契約に基づく管理収入(2026年3月期1,744百万円)を基盤に、リフォーム工事・賃貸仲介等の周辺収益を積み上げる。不動産賃貸事業では築年数が経過した優良物件を原則全額借入金で取得し、管理ノウハウを活用したリニューアルで高入居率を維持して家賃収入を得る。
両事業は相互補完的であり、自社物件増加が管理戸数ボリューム確保・原価低減・新規エリア開拓に貢献する循環型モデルを形成している。
企業の強み
2026年3月末時点で不動産管理事業の管理物件入居率98.7%、不動産賃貸事業の自社物件入居率99.1%を記録。24時間365日対応の管理センター網(25ヶ所)と物件担当制のレジデンシャルクリエイターによる入居者ファースト体制が高入居率を支えており、オーナー満足度向上と新規管理受託獲得の好循環を生んでいる。
管理物件戸数(自社物件除く)は2026年3月末22,131戸(前期比+744戸)、自社物件戸数は7,148戸(前期比+748戸)と両軸で拡大。管理収入は戸数増加に連動して積み上がるストック型収益であり、2026年3月期の不動産管理事業売上高は前期比9.4%増の4,452百万円、不動産賃貸事業売上高は前期比10.2%増の6,556百万円を達成した。
評判が未確立な新規エリアへの進出時に自社物件を先行取得して管理戸数ボリュームを確保しながら管理拠点を出店する独自手法を採用。2024年8月の福岡県初出店など11都府県への展開実績がこのモデルの有効性を示す。自社物件はオーナー向けサービスのテスト場としても機能し、管理ノウハウの蓄積に貢献している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期8,475百万円→2026期11,008百万円と5期で30%増加し、2026期は前期比9.9%増と加速。一方、営業利益は2023期2,329百万円をピークに低下後、2026期は1,969百万円(前期比9.3%増)と回復基調。
しかし支払利息が816百万円(前期比221百万円増)に膨らみ経常利益は1,417百万円(2.8%減)に留まった。当期純利益は前期の固定資産売却益1,537百万円の剥落により996百万円(51.8%減)と急減。
外部要因として政策金利引き上げによる借入コスト上昇が継続しており、2027年3月期も経常利益2.3%減・当期純利益7.1%減を会社予想としている。
成長戦略
管理・自社物件戸数の継続拡大と新規エリア進出による収益基盤の積み上げ
管理獲得営業の強化と管理解約防止施策により、ストック型の管理収入を積み上げる。2026年3月期は前期比744戸増加を実現し管理収入は1,744百万円(前期比6.1%増)に拡大。2027年3月期も管理収入等の増加を業績予想の前提としている。
資産効率の高い築年数経過物件を取得・リニューアルし高入居率を維持する戦略。2026年3月期は11棟748戸を取得(京都4棟・福岡2棟・千葉・神奈川・愛知・滋賀・大阪各1棟)し、不動産賃貸事業売上高は前期比10.2%増の6,556百万円に拡大。
2027年3月期も自社物件増加による家賃収入増加を見込む。
京都依存からの脱却を図り、福岡・千葉・神奈川・愛知・滋賀・大阪等への展開を継続。2026年3月期取得11棟のうち京都以外が7棟と過半を占め、地理的分散が進展。都市部を中心とした安定的な賃貸住宅需要を取り込む。
管理戸数増加を足掛かりにリフォーム工事・賃貸仲介等の周辺業務を拡充し、管理収入増加率を上回る収益成長を目指す。2026年3月期の工事売上は1,860百万円(前期比12.0%増)と管理収入の伸びを上回り、不動産管理事業の営業利益は791百万円(前期比15.5%増)に拡大した。
最終更新: 2026年7月19日

