事業内容
株式会社ツクルバは、「住まいの『もつ』を自由に。『かえる』を何度でも。」をビジョンに掲げ、ITとデザインを融合した中古・リノベーション住宅流通プラットフォーム「cowcamo(カウカモ)」を運営する単一セグメント企業。主な事業領域は首都圏の中古マンション市場(推計8兆円)であり、物件情報メディア、自社エージェントによる売買仲介、リノベーションサービス、自社企画商品の開発・販売を一体的に提供する。
会員数は55万人に達し、住宅購入を検討する個人ユーザーを主要顧客とする。2011年設立、2019年東証マザーズ上場(現グロース市場)。
ビジネスモデル
主な収益源は、中古・リノベーション住宅の売買に際して売手・買手双方から受領する売買仲介手数料、付随するリノベーション等の斡旋手数料、および自社企画商品(リノベーション済物件)の販売収益の3本柱。広告掲載料は受領しない。
自社企画商品は仕入・リノベーション・販売を一貫して手掛けるため、仲介手数料に比べ取引あたり収益性が高く、2025年7月期の自社企画商品売上総利益は646百万円(前期比112%増)と急拡大している。
企業の強み
「cowcamo」の会員数は55万人に達しており、デジタルマーケティングを主体とした集客により積み上げた独自の顧客基盤を保有。会員蓄積→データ蓄積→物件供給増→さらなる会員増という自律的成長サイクルが機能しており、競合参入に対する参入障壁として有効に機能している。
物件企画・開発、情報流通、売買仲介、リノベーション施工(子会社カウカモ工務店の連結化による内製化)を一体運営。自社開発の顧客管理・業務支援システムにより一連のオペレーションを統合・最適化しており、Webサービス開発力・仲介業務・施工ネットワークの高度な統合が同業他社の類似サービス展開に対する障壁として機能している。
自社企画商品の売上総利益は2024年7月期304百万円から2025年7月期646百万円へと前期比112%増を達成。仲介・付帯サービスの売上総利益も2,896百万円(前期比16.1%増)と拡大しており、取引件数1,054件・収益単価2.7百万円と過去最高水準を更新している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2021期1,624百万円から2025期8,099百万円へ5期連続で拡大し、2026年7月期第3四半期累計でも7,902百万円(前年同期比36.6%増)と高成長を継続している。一方、収益性は悪化しており、第3四半期累計の営業損失は39百万円(前年同期は営業利益149百万円)、経常損失は147百万円、親会社株主帰属四半期純損失は84百万円となった。
売上原価率が前年同期の55.5%から64.6%へ上昇したことに加え、マーケティング強化に伴う販管費増が利益を圧迫した。外部要因として首都圏中古マンション成約㎡単価は72ヶ月連続前年同月比増と市況は堅調だが、在庫積み上げに伴う有利子負債拡大と金利上昇が財務費用(支払利息60百万円、前年同期比95%増)を押し上げている。
通期予想は売上高11,500百万円・営業利益130百万円を維持しているが、前回予想から下方修正されており達成には第4四半期の収益回収が不可欠である。
成長戦略
自社企画商品拡大・施工内製化・マーケティング強化による持続的成長
物件取得・リノベーション・販売を一貫して手掛ける自社企画商品は仲介に比べ取引単価・粗利率が高く、売上総利益への貢献が急拡大している。販売用不動産残高は3,295百万円に達しており、在庫の積み上げが進んでいる。
2026年2月に株式会社カウカモ工務店を連結子会社化し、リノベーション施工機能を内製化。物件探しから購入・施工までのワンストップサービス提供体制を確立し、顧客体験の向上とコスト管理の強化を図る。
cowcamoのマーケティング活動強化と営業活動における生産性向上に注力し、事業規模の拡大を推進。第3四半期累計売上高は前年同期比36.6%増と高成長を維持しているが、先行投資により販管費が増加し営業損失が発生している。
2026年2月の自己株式処分(207,000株)および4月の新株式発行(320,400株)により資本基盤を補強。在庫積み上げに伴う有利子負債拡大に対応しつつ、事業拡大に必要な資金を確保している。
最終更新: 2026年7月17日

