気候変動による資源アクセスリスク
地球温暖化による海洋環境の変化により、当社グループが取り扱う水産品種の漁場・養殖場環境が生息条件に適さなくなり、漁獲量・養殖生産量が減少するリスクがある。水産物の流通量減少により原料仕入価格が高騰し、経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。事業セグメントおよび養殖・製造拠点の分散により、特定拠点への集中リスクの低減を図っている。
自然災害の頻度増加・激甚化
気候変動による台風・豪雨・赤潮等の自然災害の頻度増加・激甚化により、主力工場のある青森市、養殖場が集中する深浦町・今別町、デンマークMusholm島周辺での直接被害や生産・物流への影響が懸念される。時化増加による海面養殖の生簀損壊や魚の成長不足、設備・保険費用の増加も想定される。事業・拠点の分散を進め、損失吸収体制の構築に取り組んでいる。
海外事業拡大のカントリーリスク
海外事業展開において、政情不安・為替変動・法令規制の予期せぬ変更・人財確保の困難さ・多国籍企業との競争など多様なリスクにさらされている。特にミャンマー工場は本書提出日現在も不安定な情勢が継続しており、稼働を抑えた形での継続稼働にとどまり、情勢悪化時には海外加工事業の加工能力に影響を及ぼす可能性がある。海外企業への投資に関連した減損や市場撤退の可能性もあり、従業員の安全確保を最優先に情勢を注視している。
特定外注先への依存リスク
海外加工事業において、サーモン・サバ製品の外注加工の過半をベトナムのTrung Sonグループ1社に依存しており、同社の稼働に影響が生じた場合や取引条件が大きく変動した場合、経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。自社工場の拡大および加工先の分散によりリスクヘッジを図っているが、現時点では依存度が高い状態が続いている。
製品安全・食品表示リスク
食品の安全性に対する消費者の関心・要求が高まる中、品質問題が生じた場合は消費者の健康被害や企業信用の失墜につながるリスクがある。経営責任者直轄の品質管理室を設置し、HACCP導入・食品安全マネジメントシステム認証取得・微生物検査等を実施するとともに、海外協力工場にも同等の管理を要求している。食品表示についても不当表示防止のためのチェック体制を継続的に整備している。
養殖用発眼卵の調達リスク
国内養殖(養殖量の約3割程度)におけるサーモンの養殖用卵は、国家間の魚病防疫契約上、米国またはカナダからの仕入れに規制されており、現在は米国の特定業者から発眼卵を調達している。何らかの理由で当該仕入先からの調達が滞った場合、国内養殖事業に大きな影響を及ぼす可能性がある。代替調達先の確保が制度上困難であるため、供給途絶リスクへの対応が課題となっている。
養殖魚の疾病による大量斃死
サーモン養殖においてIHN・IPNといった抗生物質の効かないウイルス性疾病が蔓延した場合、大量斃死が発生し業績に大きな影響を及ぼす可能性がある。対策として他社種苗の使用禁止・発眼卵からの自社養殖一貫管理、鳥よけ網の設置、入場時の全人員・車両の殺菌を実施している。また、ワクチン開発会社の治験に積極的に協力する方針を採っている。
水産物相場変動リスク
当社グループが取り扱う水産物は漁獲量や市況により相場が大きく変動し、仕入と販売の両局面でタイムラグを伴って影響するため、利益率が大きく変動するリスクを抱えている。近年は不安定な世界情勢を背景にサーモンや魚卵原料の相場が大幅上昇しており、今後の反動減も想定されるため、相場変動リスクが顕在化しやすい環境にある。漁獲量・市況のタイムリーな把握と状況に応じた調達・販売対応により、リスク低減に努めている。
有利子負債への依存と金利変動
2025年6月末時点の在庫残高(貯蔵品除く)は17,378百万円(総資産の42.1%)と高水準であり、その多くを借入金で賄っているため、有利子負債残高は17,288百万円、総資産に占める負債割合は41.9%に達している。今後の金利情勢の変動によっては経営成績が影響を受ける可能性があり、負債比率の削減が財務上の課題として認識されている。自己資本の充実を通じた財務体質強化に取り組んでいる。
大株主集中によるガバナンスリスク
代表取締役社長の岡村恒一氏およびその関係者が発行済株式総数の64.6%を保有しており、株主総会における議決権行使に大きな影響力を持つ構造となっている。何らかの事情により大株主の保有株式が大幅に減少した場合、株式の市場価格や議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性がある。同氏は少数株主の利益にも配慮する方針を有しているとされているが、支配株主への高度な依存構造はガバナンス上の留意点となる。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年4月23日

