事業内容
株式会社オカムラ食品工業は「海の恵みを絶やすことなく世界中の人々に届け続ける。」をMissionに掲げ、養殖事業・国内加工事業・海外加工事業・海外卸売事業の4事業を展開する水産企業。デンマーク子会社Musholm A/Sによる欧州養殖、青森県の日本サーモンファームによる国内養殖、ミャンマー・ベトナムの加工拠点、シンガポール・マレーシア・台湾・タイの卸売拠点を有し、サーモンを中心とした川上から川下までの垂直統合型ビジネスをグローバルに展開。
2023年9月に東京証券取引所スタンダード市場に上場。2025年6月期の連結売上高は35,345百万円。
ビジネスモデル
デンマーク・青森での自社養殖により原料を安定確保し、国内外の加工拠点で付加価値を付けた上で、東南アジア4拠点の卸売網を通じて日本食需要の旺盛なアジア市場へ販売する。グループ内垂直統合により外部相場変動リスクを低減しつつ、各工程で利益を積み上げる構造。
養殖事業のセグメント利益率は約13.4%、国内加工事業は12.5%と相対的に高い利益率を実現している。
企業の強み
2005年にデンマークMusholm A/Sを買収し、世界水準の養殖ノウハウを取得。同技術を活用し2017年に青森県で日本サーモンファームを設立し、2025年6月期の国内養殖水揚量は3,476トン(前期比784トン増)を達成。ASC認証も取得済みで持続可能性の面でも差別化を図っている。
養殖・加工・卸売を一貫してグループ内で完結させる垂直統合モデルを構築。グループ内原料供給により外部相場変動の影響を緩和しつつ、各工程で利益を積み上げる。2025年6月期の4セグメント合計セグメント利益は5,058百万円(調整前)に達し、複数事業の相互補完が機能している。
シンガポール・マレーシア・台湾・タイに卸売子会社を展開し、日本食ブームを背景に拡大するアジア市場を直接捕捉。シンガポールでは自社保有の超低温倉庫(-60℃)、マレーシアではハラール対応倉庫を整備。2025年6月期の海外卸売事業売上高は11,044百万円(前期比124.5%)と高成長を継続。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年6月期第3四半期累計(2025年7月〜2026年3月)は売上高28,722百万円(前年同期比13.4%増)、営業利益2,851百万円(同27.7%増)、経常利益3,101百万円(同45.9%増)、親会社株主帰属四半期純利益2,111百万円(同32.9%増)と全利益段階で大幅増益。外部要因として北海道秋鮭不漁による魚卵相場上昇が国内加工事業の利益を押し上げ(セグメント利益率21.0%)、東南アジアの旺盛な経済需要が海外卸売事業の拡大(売上高前年同期比27.5%増)を牽引した。
為替差益363百万円の計上も経常利益の押し上げに寄与。過去5期の売上高推移(2023期28,939百万円→2024期32,665百万円→2025期35,345百万円→2026年3Q累計28,722百万円)と通期予想39,035百万円(前期比10.4%増)を踏まえると、増収基調は継続している。
通期業績予想に変更はなく、3Q累計の進捗率は売上高73.6%、営業利益74.8%と概ね順調。
成長戦略
国内養殖量12,000トン目標と東南アジア卸売拡大を二本柱とする中期経営目標2030
地方自治体との養殖場適地開発協力強化、中間養殖場の新設・拡張(泊川中間養殖場着工等)、新規バージ船の導入に向けた設備投資を推進。2026年6月期第3四半期において設備投資が順調に進捗し、固定資産は前期末比1,708百万円増加の12,652百万円に拡大。
東南アジア諸国の日本食マーケット拡大を背景に事業拡大傾向が継続。2026年6月期第3四半期にOKAMURA TRADING (HONG KONG) COMPANY LIMITEDを新規連結し香港へ事業エリアを拡大。
2026年6月期第3四半期累計の海外卸売事業売上高は11,006百万円(前年同期比27.5%増)と高成長を維持。
為替・仕入相場上昇に対応した値上げを実施中だが、価格転嫁が追い付かず粗利率が低下。従業員数増加による人件費増も重なりセグメント利益は前年同期比29.0%減。販売量の回復と価格転嫁の完遂が収益改善の鍵となる。
養殖事業からの安定的な原料供給を国内加工・海外加工・海外卸売に活用する垂直統合モデルを深化。2026年6月期第3四半期累計のセグメント間内部売上高は8,301百万円(前年同期比6,414百万円から拡大)と統合効果が拡大している。
最終更新: 2026年7月17日

