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株式会社サンクゼール

2937東証グロース食料品

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株式会社サンクゼール2937

事業内容

株式会社サンクゼールは、「サンクゼール」「久世福商店」を中核に6ブランドを展開する食品製造販売会社。マーケティング・商品企画・製造・店舗設計・販売までを一気通貫で手掛ける「食のSPA」モデルを特徴とし、国内177店舗(直営56・FC121)のほか、自社ECサイト、ホールセール、米国オレゴン州工場を拠点とするグローバル事業を展開する。

商品の約90%が自社開発品であり、全国500社超の食品メーカーネットワークを活用した多品種少量生産体制を構築。2026年3月期の連結売上高は20,601百万円。

ビジネスモデル

直営・FC店舗での物販収益(FCからはロイヤリティ収入)、自社ECサイト・楽天市場でのギフト・自家需要販売、大手小売チェーン向けホールセール、米国子会社St. Cousair, Inc.を通じたグローバル販売の4チャネルで収益を多様化。自社POS連動型ERPシステムや会員アプリによる購買データ活用でLTV向上を図り、内製化推進によるコスト構造改善で利益率向上を目指す。

企業の強み

商品企画・製造・店舗設計・販売の全工程を自社で担い、在庫管理・POS連動型ERP・会員アプリ・ECシステムの大部分を社内エンジニアが開発。これにより顧客フィードバックを商品開発・売場改善に迅速反映できる体制を構築しており、他社が短期間で模倣困難な競争優位を形成している。

久世福商店・サンクゼール等の国内ブランドに加え、Portlandia・Bonnie's Jams・KELLY'S JELLYの米国ブランドを保有。2026年3月期のチャネル別売上はホールセール3,246百万円(前期比+22.9%)、グローバル2,669百万円(同+29.5%)と高成長を示し、店舗依存型からの収益分散が進展している。

2026年3月末時点で全国500社超の食品メーカーとの仕入ネットワークを保有。大ロット調達による安価な仕入価格と多品種少量生産体制を両立させており、小規模店舗で600アイテム以上・大型店舗で1,200アイテム以上の品揃えを実現。

地方メーカーにとっても全国流通の場となるWin-Win構造を構築している。

エンヴァリスの着眼点

売上高は2023年3月期の17,866百万円から2026年3月期の20,601百万円へ増収基調を維持しているが、営業利益は同期間に1,600百万円から791百万円へ半減。2026年3月期は売上高+5.8%に対し営業利益△5.3%と増収減益が継続。

人件費・販促費・減価償却費の増加が主因であり、売上総利益率は改善(売上原価率64.2%→64.3%と横ばい)しているものの、販管費率が31.9%まで上昇している。コスト構造の改善が急務。

グローバル(+29.5%)・ホールセール(+22.9%)の高成長は評価できるが、国内B2Cである店舗(△0.1%)・EC(△5.1%)は引き続き軟調。既存店客数の減少が通期で継続しており、食品価格高騰を背景とした消費者の節約志向が直撃している。

売り場改革施策は展開中であるが、客数回復の具体的な数値改善は確認できていない。国内B2Cの収益回復なくして持続的な利益成長は困難であり、2027年3月期予想(営業利益812百万円、当期純利益403百万円)も慎重な見方が必要。

2027年3月期の会社予想は売上高21,082百万円(+2.3%)、営業利益812百万円(+2.7%)と微増益を見込む一方、経常利益758百万円(△12.0%)、当期純利益403百万円(△34.8%)と大幅な純利益減少を予想。2026年3月期の当期純利益が前期比+76.4%と大幅増益だったのは前期の減損損失(121百万円)消滅による特殊要因が大きく、実力ベースの収益力は限定的。

配当性向は2026年3月期52.5%から2027年3月期予想80.8%へ上昇し、利益水準に対する配当負担の重さが増している。

成長戦略

国内売り場改革・生産内製化とグローバルM&Aによる食のSPAモデル高度化

売り場演出・商品開発・店舗販売力の三位一体推進により来店動機を創出。購買データ活用によるCRM強化とLTV向上も並行推進。2026年3月期は既存店客数の減少が通期で継続しており、施策の効果発現は道半ば。

取得済み製造工場の安定稼働と外注工程の段階的内製化によりコスト構造改善を図る。自社工場のFSSC22000認証取得を2027年4月に目標設定。2026年3月期は有形固定資産取得568百万円と積極投資を継続。

米国市場を主軸に食品ブランドの事業譲受を継続。2025年4月にKELLY'S JELLY(取得原価197百万円)を取得し4ブランド体制を確立。ブランド間クロスセルが進展し、グローバル売上高は前期比+29.5%増の2,669百万円を達成。

台湾を中心とした堅調な販売継続に加え、2025年9月に韓国法人(St. Cousair Korea Co., Ltd.)を設立し現地販売体制を整備。将来的なアジア製造拠点の探索・検討も進める方針。

AI活用による需要予測・生産計画・在庫管理の高度化と、生産計画から発注・原価管理までのシームレス連携を推進。多品種・高付加価値商品の安定供給体制構築を目指す。

最終更新: 2026年7月19日