事業内容
株式会社サンクゼールは、「サンクゼール」「久世福商店」を中核に6ブランドを展開する食品製造販売会社。マーケティング・商品企画・製造・店舗設計・販売までを一気通貫で手掛ける「食のSPA」モデルを特徴とし、国内177店舗(直営56・FC121)のほか、自社ECサイト、ホールセール、米国オレゴン州工場を拠点とするグローバル事業を展開する。
商品の約90%が自社開発品であり、全国500社超の食品メーカーネットワークを活用した多品種少量生産体制を構築。2026年3月期の連結売上高は20,601百万円。
ビジネスモデル
直営・FC店舗での物販収益(FCからはロイヤリティ収入)、自社ECサイト・楽天市場でのギフト・自家需要販売、大手小売チェーン向けホールセール、米国子会社St. Cousair, Inc.を通じたグローバル販売の4チャネルで収益を多様化。自社POS連動型ERPシステムや会員アプリによる購買データ活用でLTV向上を図り、内製化推進によるコスト構造改善で利益率向上を目指す。
企業の強み
商品企画・製造・店舗設計・販売の全工程を自社で担い、在庫管理・POS連動型ERP・会員アプリ・ECシステムの大部分を社内エンジニアが開発。これにより顧客フィードバックを商品開発・売場改善に迅速反映できる体制を構築しており、他社が短期間で模倣困難な競争優位を形成している。
久世福商店・サンクゼール等の国内ブランドに加え、Portlandia・Bonnie's Jams・KELLY'S JELLYの米国ブランドを保有。2026年3月期のチャネル別売上はホールセール3,246百万円(前期比+22.9%)、グローバル2,669百万円(同+29.5%)と高成長を示し、店舗依存型からの収益分散が進展している。
2026年3月末時点で全国500社超の食品メーカーとの仕入ネットワークを保有。大ロット調達による安価な仕入価格と多品種少量生産体制を両立させており、小規模店舗で600アイテム以上・大型店舗で1,200アイテム以上の品揃えを実現。
地方メーカーにとっても全国流通の場となるWin-Win構造を構築している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年3月期17,866百万円→2024年3月期19,163百万円→2025年3月期19,467百万円→2026年3月期20,601百万円と緩やかな増収基調。一方、営業利益は1,600百万円→1,289百万円→836百万円→791百万円と4期連続で減少し、営業利益率は8.9%→6.7%→4.3%→3.8%へ低下。
2026年3月期の当期純利益618百万円(前期比+76.4%)は、前期に計上した減損損失121百万円の消滅が主因であり、実力ベースの収益改善とは言い難い。外部環境として円安・食品価格高騰が国内消費者の節約志向を強め、既存店客数の減少が継続している。
営業CFは1,533百万円と大幅改善(前期247百万円)し、現金残高は2,312百万円に増加。
成長戦略
国内売り場改革・生産内製化とグローバルM&Aによる食のSPAモデル高度化
売り場演出・商品開発・店舗販売力の三位一体推進により来店動機を創出。購買データ活用によるCRM強化とLTV向上も並行推進。2026年3月期は既存店客数の減少が通期で継続しており、施策の効果発現は道半ば。
取得済み製造工場の安定稼働と外注工程の段階的内製化によりコスト構造改善を図る。自社工場のFSSC22000認証取得を2027年4月に目標設定。2026年3月期は有形固定資産取得568百万円と積極投資を継続。
米国市場を主軸に食品ブランドの事業譲受を継続。2025年4月にKELLY'S JELLY(取得原価197百万円)を取得し4ブランド体制を確立。ブランド間クロスセルが進展し、グローバル売上高は前期比+29.5%増の2,669百万円を達成。
台湾を中心とした堅調な販売継続に加え、2025年9月に韓国法人(St. Cousair Korea Co., Ltd.)を設立し現地販売体制を整備。将来的なアジア製造拠点の探索・検討も進める方針。
AI活用による需要予測・生産計画・在庫管理の高度化と、生産計画から発注・原価管理までのシームレス連携を推進。多品種・高付加価値商品の安定供給体制構築を目指す。
最終更新: 2026年7月19日

