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株式会社なとり

2922東証プライム食料品

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株式会社なとり2922

事業内容

株式会社なとりは1948年創業、東京都北区に本社を置くおつまみ専業の食品メーカーである。チーズ鱈®を代表ブランドとする酪農加工製品、水産加工製品、畜肉加工製品、農産加工製品、ポケット菓子製品、チルド製品など幅広い製品群を展開し、コンビニ・スーパー・ドラッグストア等の小売チャネルを通じて全国に販売する。

連結売上高は48,584百万円(2026年3月期)で、食品製造販売事業が売上の99.1%を占める。主要顧客はコンフェックス株式会社(売上比16.2%)、三菱食品株式会社(同14.3%)、株式会社山星屋(同10.9%)等の食品卸・問屋である。

東京証券取引所プライム市場上場。

ビジネスモデル

埼玉工場・埼玉第二工場・函館なとり・メイホク食品等の自社グループ工場で製品を製造し、食品卸・問屋を通じて全国の小売店舗に販売する。見込生産方式を採用し、在庫管理と回転率向上が収益性の鍵となる。

不動産賃貸事業(売上430百万円、営業利益率70.5%)が安定的な高利益率収益源として機能し、食品事業の利益変動を補完する二本柱構造を持つ。

企業の強み

1982年2月に製造開始したチーズ鱈®は2022年に発売40周年を迎え、日本食糧新聞社「ロングセラー賞」(2015年)やモンドセレクション金賞を受賞。2022年12月には「チーズ鱈®の日(2月23日)」を日本記念日協会に登録し、年次イベントや全国店頭販促を展開。

酪農加工製品の売上は2026年3月期に9,488百万円と前年比6.7%増と成長が続いており、ブランド力が販売数量を下支えしている。

埼玉工場・埼玉第二工場は2018年2月に食品安全マネジメントシステム「FSSC22000」の認証を取得し、メイホク食品・函館なとり・全珍も順次取得。食品総合ラボラトリーが製品開発・製品評価・基盤研究の3機能を担い、東京農業大学食品安全研究センター等外部機関とも連携。

研究開発費は697,721千円(2026年3月期)を投じ、安全・安心と製品開発力を両立している。

2026年3月期末の自己資本比率は65.0%(前期比1.9ポイント増)、純資産27,677百万円。借入金返済が進み負債合計は14,907百万円に減少。

営業キャッシュ・フローは1,675百万円(前期342百万円から大幅改善)、フリーキャッシュフローは1,187百万円を確保。自己資金を主体とした資金調達方針により財務健全性を維持している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の営業活動によるキャッシュフローは1,675百万円(前期342百万円から約5倍に改善)と資金創出力は回復した。一方、いか原料を中心とする原材料価格の更なる上昇に加え、エネルギー価格・物流費・人件費の増加が重なり、営業利益は1,890百万円(前期比4.0%減)と2期連続の減益。

外部要因として原材料市況の動向が引き続き業績の最大変数であり、価格改定の浸透速度との競争が続く。

会社予想は売上高48,900百万円(+0.6%)、営業利益2,150百万円(+13.7%)と大幅増益を見込む。増益の主な根拠はプロダクトミックス改善・原材料産地変更・代替原料活用・一部製品の価格改定とされるが、外部要因として為替円安継続・原材料市況の高止まりリスクが残存する。

過去2期の実績が予想を下回った経緯もあり、コスト削減施策の実効性と価格改定の受容度を慎重に見極める必要がある。

酪農加工製品(チーズ鱈®)は2026年3月期に9,488百万円と全製品群で最大の増収(+594百万円)を達成し、売上構成比も18.2%から19.5%へ拡大。農産加工製品も+11.6%と高成長を維持。

一方、最大カテゴリーの水産加工製品(19,428百万円、構成比40.0%)は価格改定に伴う数量落ち込みで3.8%減収。水産加工の数量回復と酪農・農産の成長継続が同時に実現できるかが、中期計画最終年度(2028年3月期)の達成を左右する。

成長戦略

第6次中計「Next Value up for 80」でおつまみ事業の拡大と収益力強化を推進

期間限定品・コラボ商品・SNS共同開発品の継続投入と、チーズ鱈®の日イベント・サンプリング等のブランド体験施策を組み合わせ、おつまみ用途に加えおやつ需要への訴求で新規顧客層を開拓する。酪農加工製品が2026年3月期に前期比6.7%増と成果を示している。

高利益率カテゴリーへの製品構成シフト、原材料の産地変更・代替原料活用、一部製品の価格改定を組み合わせてコスト増を吸収する。2027年3月期は営業利益2,150百万円(前期比13.7%増)を計画しており、価格改定の浸透が鍵となる。

1on1ミーティングの全社定着、メンタルヘルス相談窓口・福利厚生制度の充実、入社9年目までの研修プログラム改善・資格取得支援等を実施。人材確保のための賃上げを含む前向きな投資を継続し、生産性向上と離職防止を図る。

3工場での太陽光発電継続・物流モーダルシフトのエリア拡大等によるCO2削減を推進。従来の2025年度目標終了に伴い2030年度までの新目標を設定。埼玉第二工場の工場見学は2026年3月末までに延べ2,000名以上が来場し社会貢献活動としても定着。

最終更新: 2026年7月19日