事業内容
旭松食品は1950年創業の大豆食品専業メーカーで、長野県飯田市を本拠地に凍豆腐(高野豆腐)・即席みそ汁等の加工食品・えん下困難者向け医療用食材の3カテゴリーを製造販売する。連結子会社の旭松フレッシュシステムを含むグループで事業を展開し、東京証券取引所スタンダード市場に上場。
主要販売先は三菱商事(売上高の51.8%)・三井物産(同7.8%)で、大手商社経由の流通網を活用している。国内食品市場の縮小を見据えつつ、健康機能性訴求・医療介護施設向け需要・海外展開の3軸で差別化を図る。
ビジネスモデル
自社工場(天竜工場・高森工場等)で凍豆腐・加工食品・医療用食材を製造し、大手商社経由の小売流通および病院・介護施設への直販チャネルで販売する。価格改定と単品収益管理を組み合わせてコスト上昇を吸収しつつ、FSSC22000認証取得・グローバルGAP認証大豆の全面採用・健康機能性研究の論文発表等により付加価値を高め、数量減少局面でも適正利益の確保を目指す構造。
企業の強み
2016年に全工場でFSSC22000を取得し、バージョンアップを継続。主原料大豆はグローバルGAP認証品に全面切替済み(2020年)。食品安全マネジメントシステムの外部認証を維持することで、大手商社・量販店・医療介護施設からの信頼を裏付ける品質基盤を構築している。
えん下困難者向け調理済み・形態調整済み食品を病院・介護施設に供給し、厨房業務の省力化・人手不足解消に貢献。2026年3月期に高森工場へ501百万円の製造設備投資を実施し、生産性・品質・安全性を向上。介護現場の人員不足という構造的需要を背景に安定的に推移している。
信州大学医学部との共同研究でレジスタントプロテインの抗肥満・抗脂肪肝効果に関する論文を発表。2019年に新あさひ豆腐製法特許を取得。2025年には「第6回日本子育て支援大賞2025」を受賞し、大阪・関西万博の災害対策備品にも採用されるなど、科学的根拠に基づくブランド価値を積み上げている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期8,034百万円をピークに緩やかな減少が続き、2026期は7,686百万円(前期比4.1%減)。営業利益は2023期の赤字(△50百万円)を底に2期連続回復後、2026期に87百万円へ急落。
円安基調による原材料・エネルギー価格の高止まり、物流費・人件費の上昇という外部要因に加え、過年度の価格改定が販売数量の減少を招いた内部要因が重なった。純利益は海外子会社譲渡益(164百万円)で230百万円を確保したが一時的要因。
2027期は売上高7,800百万円・営業利益120百万円への回復を予想しているが、コスト環境の不透明感は継続している。
成長戦略
凍豆腐健康訴求・医療用食材育成・海外展開・新規事業開発の4軸
「新あさひ豆腐」ブランドサイト立ち上げ、第6回日本子育て支援大賞2025受賞、大阪・関西万博での災害対策備品採用、年末テレビCM実施など認知向上施策を展開。高オレイン酸大豆活用商品・凍豆腐から揚げ等の新用途提案も実施。ただし価格改定の影響で販売数量は減少しており、訴求効果の数量回復への転換が課題。
えん下困難者向け食品の病院・介護施設向け販売拡大を推進。最新製造設備導入により品質・安全性を向上させ、ダイレクトメール等による拡販を実施。高齢化社会の進展を背景に安定需要が見込まれるが、2026期はその他食料品全体で前期比5.5%減と苦戦しており、成長軌道への回帰が急務。
凍豆腐の海外販路開拓に注力する方針を継続。一方で2026年3月期に中国合弁会社(青島旭松康大食品有限公司ほか1社)の持分を譲渡し連結除外(持分90.0%→19.5%)しており、海外生産拠点を縮小。今後は輸出中心の海外展開に軸足を移す方向。
医療用食材に続く成長が見込める新規事業の開発に注力し、新たな事業の柱の育成を継続する方針を表明。具体的な事業内容・投資規模は短信上では未開示。2027年3月期予想では海外子会社減少分を既存事業維持・拡大と新規事業上乗せで補う計画。
2026年3月期の有形固定資産取得支出は501百万円(前期422百万円から増加)。効率的な生産体制への変更、原材料調達方法の見直し、物流費抑制のための配送方法見直しを継続推進。予想を超えるコスト上昇の場合は追加価格改定も検討。
最終更新: 2026年7月19日

