事業内容
フジッコ株式会社は1960年創業の加工食品メーカーで、「ふじっ子煮」(佃煮昆布)・「ふじっ子」(塩こんぶ)を中心とする昆布製品、「おまめさん」(煮豆)を中心とする豆製品、「カスピ海ヨーグルト」を中心とするヨーグルト製品、惣菜製品、デザート製品等を製造・販売する。主要販路はスーパーマーケットを中心とした国内小売チャネルで、日本アクセスが売上高の約14%を占める最大取引先。
タイ・インドネシアに海外子会社を持ち、国際展開も進める。東京証券取引所プライム市場上場。
ビジネスモデル
自社複数工場(北海道・関東・和田山・浜坂・境港等)で昆布・豆・ヨーグルト等を製造し、卸・小売チャネルを通じて消費者に届ける見込生産型モデル。原料調達は香港子会社を活用したグローバル調達で補完。
売上高55,534百万円(2026年3月期)に対し、広告宣伝費の効率化と経費コントロールにより営業利益1,466百万円(営業利益率2.6%)を確保。自己資本比率86.9%の強固な財務基盤を背景に、自己資金で設備投資を賄う。
企業の強み
「ふじっ子煮」は55周年、塩こんぶ「ふじっ子」は60周年、「おまめさん」は50周年を迎えた長寿ブランドを保有。2026年3月期に昆布製品売上高16,348百万円(前期比102.7%)を達成し、価格改定後も需要を回復させた実績が、ブランド力の持続性を示している。
2026年3月期末の自己資本比率は86.9%(前期86.4%から改善)、純資産69,686百万円、総資産80,089百万円。長期借入金は連結財務諸表上残存せず、実質無借金経営を維持。自己資金で設備投資(2,936百万円)を賄える財務体力が、中長期の成長投資を支える。
「カスピ海乳酸菌(クレモリス菌FC株)」の独自性を背景に、黒豆ポリフェノール「クロノケア」の機能性表示食品届出受理(睡眠・疲労等複数機能)、大豆イソフラボン「フジフラボン」の素材販売展開など、科学的エビデンスに基づく機能性素材事業を構築。研究開発費は949百万円(2026年3月期)。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期55,074百万円→2026年3月期55,534百万円と5期間でほぼ横ばい推移。2026年3月期は前期比2.7%減の55,534百万円と減収だが、FP社譲渡による惣菜製品減収(1,408百万円減)が主因。
一方、営業利益は販売費及び一般管理費の圧縮(15,355百万円→14,318百万円)により1,466百万円(前期比29.7%増)と回復。外部環境として物価高騰による消費者の節約志向継続・原材料・人件費・物流コスト上昇が逆風として継続。
2027年3月期は売上高57,000百万円・営業利益1,500百万円・当期純利益1,240百万円(前期比13.2%減)を予想。純利益減少はFP社譲渡に伴う税務特殊要因の剥落による。
成長戦略
コアビジネス収益改善・ヨーグルト第三の柱育成・海外展開で中計目標達成へ
「ふじっ子煮」55周年・塩こんぶ「ふじっ子」60周年を契機としたプロモーション展開とおにぎり用途向け新商品投入。2026年3月期に昆布製品は前期比431百万円増の16,348百万円と増収を達成し、施策の効果が確認された。
「カスピ海乳酸菌(クレモリス菌FC株)」独自価値の浸透と「カスピ海ヨーグルト リッチモ プレーン」の生産体制強化・品質改良によるシェア拡大。2026年3月期にヨーグルト製品は前期比322百万円増の7,081百万円と増収を達成。
従来の甘煮豆中心のブランド定義から豆を総合的に提供するブランドへ転換し、商品ラインアップ拡充とブランド価値向上を目指す。2026年3月期は市場縮小の影響で前期比337百万円減の10,146百万円と減収。
FUJICCO FOODS ASIA CO., LTD.(中間持株会社)およびFB Food Service (2017) Co., Ltd.(海藻類・業務用惣菜製造販売)を2025年12月に連結化。取得支出869百万円。
当期は貸借対照表のみ連結で損益貢献はなく、次期以降の自立成長フェーズへの移行が課題。
費用対効果の高い広告宣伝投資への絞り込みと経費コントロール強化により、2026年3月期に販売費及び一般管理費を前期比1,037百万円削減し営業利益率2.6%(前期2.0%)を達成。2027年3月期も営業利益率2.6%を予想。
最終更新: 2026年7月19日

