事業内容
株式会社あじかんは1965年創業の広島市本社の食品メーカーで、鶏卵加工製品・野菜加工製品・水産練製品を中心とした業務用食品等セグメント(連結売上高の約91%)と、ごぼう関連製品を主軸とするヘルスフードセグメントの二本柱で事業を展開する。主要顧客はスーパーマーケット・コンビニエンスストア・外食チェーン等の中食・外食業態で、国内5工場(広島・鳥栖・守谷・静岡・つくば)に加え、中国・米国に海外子会社を持つ。
2026年3月期の連結売上高は51,430百万円。
ビジネスモデル
「製造直販」を販売スタイルの根幹に置き、自社工場で製造した製品を直接顧客へ届けることで品質管理と顧客ニーズへの迅速対応を両立する。独自の「コールドチェーン・システム(低温流通体制)」により食品の安全性を担保しながら収益を確保する。
ヘルスフード事業ではテレビCMを活用した通信販売とドラッグストア等の市販チャネルの二軸で消費者向け収益を獲得する。
企業の強み
玉子加工・巻寿司具材を中核技術として保有し、2026年3月期に業務用食品等でプロパー製品41アイテム・顧客限定製品85アイテムを開発・市場投入した。微生物制御・賞味期限延長技術など独自技術を活用した提案型開発により、大手量販店・外食チェーンの個別ニーズに対応し、顧客の食品ロス削減・物流効率化にも貢献している。
焙煎ごぼうを起点とした新規食品素材「MelBurd®」を独自開発し、機能性表示食品「焙煎ごぼう茶 ごぼうのおかげW」やカカオ不使用チョコレート風菓子「GOVOCE®」等のブランドを構築。農林水産省フードテックビジネス実証事業を活用した国際展開・量産体制構築の技術検証も進めており、競合が短期模倣困難な素材・ブランド資産を形成している。
2026年3月期末の自己資本比率は67.4%(前期比2.8ポイント上昇)、純資産合計18,302百万円と財務健全性が高い。借入金残高は3,158百万円にとどまり、フリーキャッシュ・フローはプラスを維持。
設備投資・人的投資を自己資金で賄える財務基盤が、長期ビジョン「あじかんV30 ver.2.0」実現に向けた継続投資を支えている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は51,430百万円(前期比0.8%増)と微増にとどまった。業務用食品等セグメントの国内売上高は前期を下回ったが、ヘルスフードの伸長(4,007百万円、前期比11.8%増)と海外輸出の拡大が補完した。
一方、営業利益は1,279百万円(前期比34.9%減)と大幅悪化。外部要因として鶏卵価格が過去最高水準で推移したことに加え、人件費・物流コストの上昇が重なり、売上総利益率が前期13,554百万円から12,931百万円へ623百万円低下した。
当期純利益も1,111百万円(前期比28.3%減)。2022期560百万円→2023期89百万円→2024期1,710百万円→2025期1,964百万円と続いた回復トレンドは2026期に中断した形となる。
成長戦略
第13次中期経営計画(2025〜2027年3月期)で収益構造改革とヘルスフード・海外成長を推進
2025年4月および2026年2月に売価改定を実施し、原材料・エネルギー・人件費コストの上昇分を価格転嫁する取り組みを継続。2027年3月期予想では営業利益1,500百万円(前期比17.2%増)を目標とするが、鶏卵価格の高止まりが継続する中での達成が課題。
ビジネスホテル等の新業態への販路拡大活動を強化するとともに、マーケティング部新設による需要創造型営業・開発体制を整備。国内売上高の回復と海外(オセアニア・シンガポール・香港等)への玉子製品輸出拡大を並行して推進する。
テレビCMを中心とした積極的な広告宣伝と機能性表示食品の通信販売強化により、2026年3月期にセグメント利益339百万円(前期比58.2%増)を達成。GOVOCE・GOVOCEミルク等の新製品投入とドラッグストア等市販チャネルの拡大を継続する。
2030年3月期を着地点とする長期ビジョンを策定し、「需要創造型食品メーカーへの挑戦」「収益構造改革と経営品質の向上」を掲げる。第13次中期経営計画(2025〜2027年3月期)はその最終年度をスタートとして位置づけられている。
最終更新: 2026年7月19日

