事業内容
一正蒲鉾株式会社は1965年創業の新潟市に本拠を置く食品メーカー。すり身を主原料とする水産練製品・惣菜事業(連結売上高の約88%)を中核に、まいたけを主力とするきのこ事業、連結子会社㈱イチマサ冷蔵による運送・倉庫事業の3セグメントで構成される。
カニ風味かまぼこ「サラダスティック」はメーカーシェアNo.1を誇り、おせち商材や業務用商品も展開。2024年12月にはインドネシア合弁会社PT.KML ICHIMASA FOODSを連結子会社化し、海外生産・販売体制を強化。
東京証券取引所スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
水産練製品・惣菜事業では見込生産方式を採用し、スーパー等の小売チャネルや業務用向けに製品を供給する。原材料(すり身)の調達コスト上昇を価格改定で転嫁しつつ、主力商品のリニューアルや新商品投入で数量を維持・拡大する構造。
きのこ事業は自社栽培センターで生産したまいたけを小売・業務用に販売。物流機能は子会社が内製化し、グループ内外の輸送・保管を担う。
企業の強み
カニ風味かまぼこ「サラダスティック」はメーカーシェアNo.1を誇り、1979年発売の「オホーツク」以来40年超の歴史を持つ。2025年6月期は玉子焼き風味・焼きえび風味など新フレーバーを投入し需要喚起を図り、スティックタイプのカニかまを中心に販売数量が伸長。
水産練製品・惣菜事業の売上高は30,470百万円に達した。
本社工場・北海道工場・東港工場・聖籠工場・本社第二工場がFSSC22000を取得し、グループ全体でISO22000認証を保有。さらに本社・本社第二工場はISO22301(事業継続)、複数工場でISO14001・ISO45001も取得済み。
農林水産大臣賞受賞商品「京禄」を含むおせち商材でも高品質を実証している。
2023年4月に主力商品サラダスティックの専用工場として本社第二工場を新設。2024年3月にFSSC22000、同年6月にISO14001・ISO45001を取得し、フル稼働体制を確立。
2025年6月期の水産練製品・惣菜事業の設備投資額は2,283百万円(前期比141.0%)に達し、生産能力の拡充と合理化・省人化を同時に推進している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は34,689百万円(2021期)→31,636百万円(2022期)→32,814百万円(2023期)→34,487百万円(2024期)→34,579百万円(2025期)と横ばい圏で推移。2026年6月期は通期予想36,200百万円(前期比4.7%増)と増収を見込む。
一方、営業利益は2021期の1,736百万円をピークに低下傾向が続き、2025期は891百万円。2026年6月期第3四半期累計(9ヶ月)の営業利益は973百万円と前年同期比15.0%減。
外部要因として、すり身等原材料・エネルギー・労務費の高止まりが利益を継続的に圧迫しており、2025年3月の価格改定効果が売上を支えるも、コスト増の吸収には至っていない。通期予想営業利益1,100百万円(前期比23.4%増)の達成には第4四半期の収益貢献が鍵となる。
成長戦略
国内主力商品の競争力強化・DX推進と、インドネシア子会社を軸とした海外展開の加速
2025年3月1日納品分より実施した価格改定が売上増に寄与。原材料費・労務費の上昇を価格転嫁で吸収し、収益基盤の安定化を図る。2026年6月期通期で営業利益1,100百万円(前期比23.4%増)を目標とする。
本社第二工場(2023年竣工)のカニかま専用量産ラインを中心に、DX・FAシステムを活用した生産性向上・コスト削減を継続推進。きのこ事業でも包装部門の合理化・省人化が奏功し、2026年6月期第3四半期累計でセグメント黒字転換を実現した。
連結子会社化したインドネシア現地法人を通じ、東南アジアにおける水産練製品の生産・販売体制を強化。国内市場の成熟を見据えた海外成長基盤の確立を目指す。第二次中期経営計画(〜2026年6月)の重点施策として位置づけられている。
「国産原料100%」おせち「純」シリーズや農林水産大臣賞受賞商品「京禄」等の高付加価値商品を拡充し、価格競争に依存しない収益構造を構築。2026年6月期第3四半期累計でおせち商品が前年同期を上回る伸長を示した。
最終更新: 2026年7月17日

