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株式会社大冷

2883東証スタンダード食料品

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株式会社大冷2883

事業内容

株式会社大冷は1972年設立の業務用冷凍食品卸売専業会社。医療食・介護食・弁当仕出し・外食等のエンドユーザーを主要顧客とし、自社では製造設備を持たないファブレス形態で、国内外(日本・中国・ベトナム・タイ)の協力工場に製造を委託する。

主力の「骨なし魚」事業は1998年に独自開発し、4つの製造特許を保有。骨なし魚事業・ミート事業・その他事業(調理冷食・水産品等)の3事業部門で構成され、全国の支店網と外部物流を活用した1ケースからの翌日配送体制を構築している。

東京証券取引所スタンダード市場上場。

ビジネスモデル

当社は商品企画・開発と営業に経営資源を集中し、製造は国内外の協力工場に委託、保管・物流は外部業者に委託する完全ファブレス型卸売モデルを採用。自社ブランド商品に加えPB商品も取り扱い、特命商品開発プロジェクトによる月次の新商品選定と年2回の最終選定会議を通じて商品ラインアップを継続的に更新。

製造設備への固定費負担を抑えつつ、商品開発力と全国営業網で収益を獲得する構造。

企業の強み

1998年に骨なし魚の開発に成功し、「加熱処理した魚の製造方法」等4つの製造特許を取得。X線残骨検査と骨なし魚情報トレースシステムを導入し、2026年3月時点で32魚種を取り扱う。

凍ったまま調理可能で冷めても柔らかさが持続する「楽らくクック」等の差別化商品群を展開し、競合との技術的優位を確立している。

製造設備を自社保有せず、国内外の協力工場に製造を委託するファブレス形態を採用。設備投資額は2026年3月期で31,323千円と極めて軽微であり、固定費負担が低い。

海外協力工場への日本人常駐員・循環員配置を義務付け品質管理を維持しつつ、タイ・ベトナム等への生産拠点分散により調達コスト競争力を確保している。

1972年の設立以来、仙台・大阪・名古屋・福岡・広島・札幌・高崎の各支店を整備し、全国規模の営業・販売網を構築。外部物流業者との貨物保管運送契約(株式会社ヒューテックノオリン)により1ケースからの翌日配送を実現し、医療・外食等の多様なエンドユーザーの利便性向上に貢献している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高25,053百万円(前期比2.6%減)、営業利益660百万円(同21.5%減)と2期連続の減収・営業減益となった。ただし前期に1,129百万円の事業整理損を計上して574百万円の純損失を記録した反動で、当期純利益482百万円の黒字転換を果たした。

特別損失が1,423百万円(固定資産除却損)にとどまったことが寄与しており、経常ベースの実力値は依然として改善途上にある点に留意が必要。

消費者の節約志向蔓延に対応するため安価商品の拡販を進めた結果、値引き増加により粗利率が低下した。売上総利益は4,032百万円(2025年3月期)から3,804百万円(2026年3月期)へ228百万円減少しており、売上減収と粗利率低下の二重の逆風が営業利益を圧迫している。

外部要因として原材料・エネルギー価格の高止まりと為替(1米ドル160円前提)による仕入コスト上昇圧力も継続しており、収益性回復の道筋は不透明。

2027年3月期の業績予想は売上高25,200百万円(前期比0.6%増)、営業利益780百万円(同18.1%増)と回復を見込む。ただし新商品「MOTTO」シリーズの販売が順調に推移して骨なし魚事業を再構築できることを前提としており、同シリーズの市場浸透が計画通りに進まない場合は予想の下振れリスクがある。

前期ベトナムえびマイナス解消による粗利率改善は追い風だが、骨なし魚事業は2026年3月期も前期比3.6%減と低迷が続いており、再構築の実現可能性を慎重に見極める必要がある。

成長戦略

新商品「MOTTO」シリーズ拡販と生産分散で骨なし魚事業を再構築し増収増益を目指す

節約志向に対応した安価で美味しさをアップした新商品「MOTTO」シリーズの拡販と調理加工品の拡販により骨なし魚事業の再構築を図る。2027年3月期の骨なし魚事業売上高は8,834百万円(前期比1.4%増)を予定。

安価で価格競争力のあるタイ生産「鶏」の楽らく匠味製品の拡販により販売増加を見込む。2027年3月期のミート事業売上高は2,473百万円(前期比1.3%増)を予定。アメリカンドッグ類の販売回復が継続しており基盤は整いつつある。

前期販売開始の牡蠣やえび商品の売上拡大を引き続き目指すとともに、安価な新商品を市場投入する。2027年3月期のその他事業売上高は前期並みの13,892百万円を予定。前期ベトナムえびマイナス解消により粗利率改善が見込まれる。

パートナー工場の約60%が海外であることを活かし、直接貿易による仕入コスト削減を推進。為替前提は1米ドル160円。引き続き仕入コスト削減に取り組み、年契達成に伴うリベート増加と合わせて粗利率改善を目指す。

最終更新: 2026年7月19日