事業内容
カゴメ株式会社は1899年創業、127年の歴史を持つ野菜・トマト専業の食品メーカーである。国内では野菜飲料・調味料等を製造販売する「国内加工食品事業」(売上収益157,324百万円)を収益基盤とし、海外ではトマト農業生産から一次加工・二次加工・販売までを展開する「国際事業」(売上収益129,837百万円)を成長エンジンとして位置付ける。
子会社39社・関連会社3社で構成されるグループは、品種開発・栽培技術から加工・販売に至るグローバル・バリューチェーンを構築しており、主要顧客は国内一般消費者から海外フードサービス企業(調味料メーカー・外食チェーン等)まで多岐にわたる。
ビジネスモデル
国内加工食品事業では、野菜の機能性研究・ブランド力を活用した飲料・調味料を家庭用・業務用・通販チャネルで販売し、事業利益率9.9%を確保する。国際事業では、品種開発から一次加工(トマトペースト等)・二次加工(ピザソース等)までの垂直統合型モデルで北米・欧州・インドのフードサービス企業向けにBtoBで販売する。
トマトペースト市況の変動が収益ボラティリティの主因となっており、二次加工の拡大と長期契約比率向上による安定化が課題である。
企業の強み
創業127年の歴史で構築したカゴメブランドは国内消費者に深く浸透。トマトジュースは機能性訴求(血圧)を全面展開した結果、2025年度売上収益が2021年度対比で約2.0倍(+118億円相当)に成長。
ベジチェック®は累計2,400万回以上の測定実績を持ち、企業・自治体への導入台数は累計8,400台に達する。
品種・栽培技術開発(GARBiC)から調達・加工・販売までを国内外で垂直統合。2024年1月にIngomar Packing Company, LLC(当時世界第4位のトマト一次加工会社)を連結子会社化し、北米の調達基盤を強化。
2026年1月にはSilbury Marketing Ltd(英国)を子会社化し欧州販売機能を統合。グループ会社共通の品質管理基準を展開する供給力が差別化要因となっている。
2025年度の営業活動によるキャッシュ・フローは26,930百万円(前期31,692百万円)と高水準を維持。前中計4年間の設備投資総額は約40,000百万円に達し、うち約6割を国際事業に投下しながらも財務基盤を維持。親会社所有者帰属持分比率は50.7%と健全な自己資本水準を確保している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
当第3四半期累計の売上収益は226,666百万円(+4.8%)と増収を確保した一方、事業利益148億6百万円(-14.5%)、営業利益155億94百万円(-11.2%)、親会社帰属四半期利益85億48百万円(-20.0%)と大幅減益。2024期の営業利益36,221百万円をピークに2025期は22,638百万円へ急落し、2026期通期予想も19,500百万円(-12.6%)とさらなる減益を見込む。
国内の価格改定後の数量未回復とトマト市況下落が複数期にわたり収益を圧迫する構図が続いている。
成長戦略
欧州M&Aによる国際事業拡大と国内収益力改善の両輪で2028年目標達成を目指す
2026年1月に英国のトマト加工品ディストリビューター、Silbury Marketing Ltdを100%子会社化(取得対価5,524百万円、のれん2,717百万円計上)。欧州のマーケティング・生産・販売機能を統合し競争力強化を図るが、取得日以降の業績は四半期利益△149百万円と統合シナジーは発現途上。
主要原材料の高値を受け飲料・業務用製品の出荷価格を改定したが、価格改定後の一部商品の販売数量減少と広告宣伝費・販促費増加により減益となっており、需要喚起策の実効性向上が課題。
2028年稼働予定の国産トマト加工拠点新設により、原材料調達の安定化とコスト低減を図る計画。現時点で進捗の具体的開示はない。
2026-2028年の中期計画で「収益獲得力の向上と成長・新規価値領域への資源投下による競争力強化」を基本戦略に掲げ、2035年ビジョン実現を目指すが、初年度から減益基調が続いており計画達成には収益性改善が急務。
最終更新: 2026年10月29日

