事業内容
味の素グループは1909年の「味の素®」発売以来、アミノ酸の科学的知見(アミノサイエンス®)を事業の根幹に置く。調味料・食品(売上高構成比約59%)、冷凍食品(同約18%)、ヘルスケア等(同約22%)の3報告セグメントを擁し、連結子会社105社・持分法適用会社15社を通じてアジア・中南米・北米・欧州・アフリカ等に展開する。
主要顧客は一般消費者から食品加工メーカー、製薬企業、半導体メーカーまで多岐にわたり、売上高海外比率は63.9%に達する真のグローバル企業である。
ビジネスモデル
調味料・食品セグメントが事業利益の約79%(全社共通費控除前)を稼ぐ安定基盤を形成しつつ、ヘルスケア等セグメント(ABF™電子材料・CDMO・医薬用アミノ酸)が高成長・高収益で牽引する二層構造。製品販売に加え、技術ライセンス・CDMO受託・持分法利益も収益源とし、EBITDAマージン17.1%(2026年3月期)を実現している。
企業の強み
創業以来100年超にわたるアミノ酸研究の蓄積により、AJIPHASE®・CORYNEX®・AJICAP®等の独自プラットフォーム技術を保有。国内外合計約4,280件の特許を有し、ABF™(味の素ビルドアップフィルム)は先端半導体パッケージ向けビルドアップ層材料として業界標準的地位を確立している。
競合が短期間で模倣困難な技術基盤が高収益の源泉となっている。
タイ・インドネシア・ベトナム・フィリピン・マレーシア・ブラジル・ペルー・ナイジェリア等に現地法人を設置し、売上高海外比率63.9%を達成。持分法適用会社プロマシドール・ホールディングス社を通じたアフリカ展開も含め、新興国市場での長年の事業実績と現地ブランド力は競合が短期間で構築困難な参入障壁を形成している。
2026年3月期に事業利益181,100百万円(前期比113.7%)を達成し7期連続増益を記録。ROE17.7%・ROIC11.8%・EBITDAマージン17.1%はいずれも中長期目標に対して順調な進捗を示す。
営業キャッシュ・フロー239,300百万円は過去最高を更新し、ネット有利子負債/EBITDA倍率1.6倍と財務健全性も維持している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期1,149,370百万円から2026年3月期1,583,719百万円へ5期連続増収(前期比3.5%増)。事業利益は181,163百万円(前期比13.7%増)と過去最高を更新し、事業利益率は11.4%(前期10.4%)に改善。
2025年3月期に減損損失計上で落ち込んだ営業利益・当期利益は、2026年3月期に本社ビル売却益(固定資産売却益41,265百万円)の計上もあり大幅回復。外部要因として円安進行が海外事業の円換算収益を押し上げた。
次期(2027年3月期)は売上高1,723,000百万円・事業利益197,000百万円・親会社帰属当期利益120,000百万円を予想(為替前提1ドル=150円)。
成長戦略
アミノサイエンス®の4成長領域集中とEPS3倍達成に向けた事業モデル変革
電子材料ABF™のAI・データセンター需要取込みと、医薬用アミノ酸・CDMOの増益により、2026年3月期ヘルスケア等事業利益は66,202百万円(前期比45.1%増)を達成。次期予想800百万円(前期比20.8%増)とさらなる成長を見込む。
日本での単価上昇効果と海外新興国市場での販売拡大により、2026年3月期調味料・食品事業利益は143,036百万円(前期比6.6%増)。次期予想では1,459百万円(前期比2.0%増)と安定成長を継続する方針。
北米事業の減益が続く冷凍食品セグメントは2026年3月期事業利益8,457百万円(前期比35.0%減)と低迷。次期予想では事業利益121百万円(前期比44.1%増)への回復を見込むが、原材料コスト管理と北米市場での競争力強化が課題。
「中期ASV経営2030ロードマップ」で累進配当政策を宣言。2026年3月期は1株当たり48円(前期比8円増配)、2027年3月期予想50円。自己株式取得130,009百万円を実施し、3か年総還元性向50%以上の方針を堅持。
味の素アルテア社売却に続き、2026年3月期は本社ビル土地・建物を譲渡し固定資産売却益41,265百万円を計上。売却資金を成長領域への再投資・株主還元に充当するポートフォリオ最適化を継続的に実施。
最終更新: 2026年7月19日

