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キッコーマン株式会社

2801東証プライム食料品

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キッコーマン株式会社2801

事業内容

キッコーマン株式会社は1917年創業、2009年に持株会社制へ移行した食品グループの中枢企業。国内では食料品製造・販売(しょうゆ・豆乳・デルモンテ等)と医薬品・化成品等のその他事業を展開し、海外では北米・欧州・アジア・オセアニアでしょうゆ・デルモンテ製品を製造販売する海外食料品製造・販売事業と、東洋食品等を仕入・販売する海外食料品卸売事業(JFCグループ)を運営する。

子会社54社・関連会社2社で構成され、2026年3月期の連結売上収益は745,539百万円。主要顧客は世界各国の家庭用・業務用食品消費者および食品流通業者。

ビジネスモデル

収益の柱は海外食料品製造・販売事業(売上収益173,506百万円、事業利益率23.6%)と海外食料品卸売事業(売上収益432,941百万円)の二本柱。製造・販売部門は高付加価値のしょうゆ・デルモンテ製品を自社工場で生産し高利益率を確保。

卸売部門は東洋食品の広域流通網を活用して規模を追求。国内では「いつでも新鮮」等の付加価値商品と豆乳No.1ブランドで収益を補完する。

企業の強み

キッコーマンしょうゆは北米・欧州・アジア・オセアニア全域で販売を伸ばし、2026年3月期の海外食料品製造・販売事業利益率は23.6%を達成。加えて1990年に109,650千米ドルで取得したデルモンテ商標の日本・アジア太平洋地域における永久専用使用権を保有し、以後無償で使用できる構造的優位を持つ。

JFCグループは北米・欧州・アジア・オセアニアに20社超の拠点を展開し、2026年3月期の海外食料品卸売売上収益は432,941百万円(前期比106.2%)を達成。欧州では前期比113.5%の高成長を記録。

独自の調達力・物流基盤・自社ブランド商品開発力を組み合わせた広域流通網は競合が短期間で模倣困難な資産。

研究開発費5,236百万円を投じ、しょうゆ醸造技術の高度化から臨床診断用酵素・ヒアルロン酸・セラミドまで「食と健康」領域で幅広い研究開発を実施。キッコーマンバイオケミファが新製品グルタミン酸オキシダーゼ「GLOD-E」を上市するなど、食品事業で培った発酵技術をバイオケミカル分野へ展開する独自の技術資産を保有する。

エンヴァリスの着眼点

海外食料品製造・販売の事業利益率は2025年3月期23.8%から2026年3月期23.6%へ微低下。為替差除きベースでは前期比103.3%と実質増益を確保しているが、販管費の増加(海外事業利益増減要因で△66億円)が利益率を圧迫している。

2027年3月期予想では海外製造の事業利益率がさらに低下する見通しであり、コスト管理と売上成長のバランスが評価の焦点となる。

2026年3月期の親会社帰属当期利益は61,615百万円(前期比△0.1%)と5期ぶりの微減。ROEは11.5%(前期12.3%)、ROICは10.5%(前期11.1%)と低下傾向にある。

外部要因として円安進行(EUR/JPY+10.92円)が包括利益(97,326百万円、前期比+73.5%)を押し上げた一方、USD安(△1.51円)が海外製造・卸売の為替差益を一部相殺。中期経営計画目標のROE12%以上達成には利益率改善が不可欠。

2026年3月期の設備投資額は70,910百万円(前期比+51.4%)と急増し、フリーCFは31,023百万円(前期33,367百万円)に縮小。2027年3月期予想でも60,700百万円の高水準投資が続く見通し。

2026年秋の米国第3工場出荷開始は北米供給体制強化の重要マイルストーンだが、減価償却費の増加(2027年3月期予想31,400百万円、前期比+17.3%)が利益を圧迫するリスクがある。投資回収の進捗が中長期の評価を左右する。

成長戦略

グローバルビジョン2030のもと、海外深耕・国内収益改善・DX推進の三位一体戦略

2026年秋に米国第3工場が出荷開始予定。北米しょうゆ売上収益は102,216百万円(前期比+0.8%)と成長が鈍化しており、供給制約の解消により安定成長の継続を目指す。設備投資急増(海外56,790百万円)の主要因であり、稼働後の減価償却費増加(2027年3月期予想+17.3%)への対応が課題。

欧州食料品製造・販売は売上35,342百万円(前期比+13.7%)、卸売48,701百万円(+13.5%)と高成長。アジア・オセアニアではインドネシア・フィリピン・中国等で売上拡大、アセアンでの2桁成長を目標とする。南米・インド・アフリカ地域の新規開拓も推進中。

国内食料品製造・販売の事業利益は9,886百万円(前期比+15.9%)と大幅改善。豆乳飲料(37,312百万円、+15.5%)が牽引。

2026年3月にすりおろしシリーズ・料理用清酒等の価格改定を実施。IT・デジタル活用による高付加価値化と生産性向上を推進し、2027年3月期は事業利益10,560百万円(+6.8%)を予想。

中期経営計画目標ROE12%以上に対し、2026年3月期実績は11.5%と未達。自己株式取得(当期20,992百万円、後発事象として追加30,000百万円上限決議)と配当(年間25円、配当性向37.9%)を並行実施。ROE向上に向け利益率改善・資産効率・資本効率の向上に取り組む。

海外食料品卸売は売上432,941百万円(前期比+6.2%)と最大セグメントとして成長継続。北米315,552百万円(+7.3%)・欧州48,701百万円(+13.5%)・亜豪州59,883百万円(+8.4%)と全地域で拡大。

物流基盤・人員・調達力・自社ブランド商品開発力の強化により事業推進力を高める。

最終更新: 2026年7月19日