円谷フィールズホールディングス株式会社 logo

円谷フィールズホールディングス株式会社

2767東証プライム卸売業

円谷フィールズホールディングス株式会社 logo
円谷フィールズホールディングス株式会社2767

事業内容

円谷フィールズホールディングスは、「すべての人に最高の余暇を」を企業理念に掲げる持株会社体制のエンタテインメント企業。子会社33社・関連会社9社で構成され、主力の「アミューズメント機器事業」ではフィールズ株式会社を中核にパチンコ・パチスロ遊技機の企画・開発・販売を展開し、グループ売上高の約91%を占める。

「コンテンツ&デジタル事業」では株式会社円谷プロダクションが「ウルトラマン」等のIPをグローバルにライセンス展開し、株式会社デジタル・フロンティアが国内最大規模のCG・VFX映像制作を担う。2022年10月に持株会社体制へ移行し、2024年3月には株式会社ソフィア・株式会社エース電研等を子会社化して事業領域を拡充した。

ビジネスモデル

アミューズメント機器事業では、エヴァンゲリオン・ウルトラマン・ガンダムSEED等の有力IPを活用した遊技機を提携メーカーへ企画・開発提案し、商品化された遊技機を全国のパーラーへ販売するディストリビューターモデルで収益を得る。コンテンツ&デジタル事業では、自社保有IPのライセンス料・MD収入・映像イベント収入を国内外から獲得する。

両事業のIPシナジーが競争優位の源泉となっている。

企業の強み

2026年3月期のアミューズメント機器事業の販売台数は約27.4万台(前期比33.6%増)に達し、市場シェアは約18.2%(当社調べ)。エヴァンゲリオン・東京喰種・ガンダムSEED等の有力IPを搭載した複数機種が好調に推移し、パチンコ機は前期比54.0%増の142,479台を販売した。

株式会社円谷プロダクションは1966年放送開始の「ウルトラマン」シリーズを保有し、中国市場では推計1,500〜2,500億円規模の市場取扱高を形成するほどの高い認知度とファン基盤を有する。国内市場取扱高も推計約150億円に達しており、国内外でライセンス・MD・映像イベント収入を継続的に創出している。

2026年3月期末の純資産は66,187百万円と前期末比9,939百万円増加し、負債は37,173百万円と前期末比5,532百万円減少した。長期借入金の返済を進めながら利益剰余金を積み上げており、手許現金30,835百万円を保有。CMSによる資金の一元管理で資金効率の向上も図っている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の売上高174,142百万円(前期比23.9%増)・営業利益17,455百万円(同14.1%増)は、アミューズメント機器事業の売上高159,069百万円(同29.2%増)・営業利益19,881百万円(同30.1%増)が主因。一方、同事業がグループ売上の約91%を占める構造は、遊技機市場の規制変更や需要変動が全社業績に直結するリスクを内包しており、外部要因として市場環境の変化には引き続き注意が必要である。

コンテンツ&デジタル事業の売上高は13,874百万円(前期比15.4%減)、営業利益は934百万円(同67.0%減)と大幅に悪化した。中国ライセンス収入が5,287百万円から2,557百万円へ51.6%減少したことが主因であり、過去10年(暦年ベース)で初の減収となった。

中国市場への依存度の高さと地政学リスクが顕在化した形であり、国内市場の底上げ(現状150億円前後の市場取扱高を中国並みに引き上げる)という課題の難易度は高い。

2026年3月期の期末配当は予想比20円増配の70円(配当性向33.4%)となり、株主還元姿勢の強化が示された。2027年3月期を初年度とする中期経営計画ではコンテンツ&デジタル事業の営業利益30億円を目標とするが、当期実績934百万円からの大幅改善が前提であり、前中期経営計画での利益目標未達を踏まえると達成確度の見極めが必要である。

アミューズメント機器事業の営業利益200億円目標は当期実績19,881百万円からの積み上げとして現実的な水準と判断される。

成長戦略

ウルトラマンIPの国内底上げと遊技機シェア拡大で3ヵ年中期計画を推進

2027年3月期を初年度とする中期経営計画でアミューズメント機器事業の売上高187,000百万円・営業利益200億円を目標に設定。多様なIPの活用による若年層ファン層拡大と最新技術導入による開発体制加速を推進。2026年3月期に市場シェア約18.2%を達成済み。

国内キャラクター商品市場における「ウルトラマン」市場取扱高は現状150億円前後(推計)にとどまり、中国市場(1,500〜2,500億円推計)との乖離が課題。中国ライセンシーから学びつつ日本独自の新ビジネスモデルを構築し、「ウルトラマンシリーズ放送開始60周年」記念事業を活用した多角的露出を加速する。

過去10年で初の減収となった中国市場において、現地パートナーとの連携強化と新規カテゴリーのライセンス・MD拡充を推進。2026年4月時点で既に7件の新規ライセンシー契約を獲得しており、収益の維持拡大を図る。

自社IPの展開を通じて構築したサプライチェーンとアジア圏での展開力をプラットフォーム化し、他社IPの育成・拡大も支援できる「IP成長プラットフォーマー」としての確立を目指す。2027年3月期を初年度とする3ヵ年中期経営計画に明記された中長期戦略。

最終更新: 2026年7月19日