事業内容
東京エレクトロン デバイス株式会社は、大手エレクトロニクスメーカーを主要顧客として、集積回路を中心とした半導体製品・ボード・電子部品の販売と、プライベートブランド(PB)製品の製造・販売を行う「半導体及び電子デバイス事業」と、ネットワーク・ストレージ・セキュリティ関連製品の販売および保守・監視サービスを提供する「コンピュータシステム関連事業」の二事業を展開する。アジア・北米に複数の現地法人を持ち、グローバルな販売・マーケティング網を構築。
東京エレクトロン株式会社を主要株主に持ちながら、独立した上場企業として事業を運営している。
ビジネスモデル
主力の半導体及び電子デバイス事業では、インフィニオン・テクノロジーズ社、テキサス・インスツルメンツ社、NXP Semiconductors社等の大手半導体メーカーの非独占代理店として製品を仕入れ、エレクトロニクスメーカーへ販売する。加えてウェーハ検査装置等のPB製品製造でメーカー機能も担う。
コンピュータシステム関連事業では製品販売に加え、保守・監視サービスによるストック型収益(2026年3月期売上高16,738百万円、前期比15.6%増)を積み上げ、収益の安定化を図る構造となっている。
企業の強み
コンピュータシステム関連事業は2026年3月期に売上高41,204百万円、経常利益6,542百万円(前期比24.2%増)、経常利益率15.9%を達成。全社経常利益9,750百万円の約67%をこの事業が創出しており、半導体事業の市況変動を補完する高収益・安定収益源として機能している。
2026年3月期の半導体及び電子デバイス事業の受注高は181,945百万円(前期比40.7%増)、受注残高は90,913百万円(前期比27.1%増)と大幅に回復。在庫調整が一巡しつつある中、売上高に先行する受注指標の急回復は、次期以降の業績改善を示す自社固有の営業力・顧客商権拡大の成果である。
アジア(香港・上海・シンガポール・タイ)および北米(米国)に現地法人を展開し、グローバルな販売・マーケティング機能を保有。また、ウェーハ検査装置「RAYSENS」等のPB製品製造や、2023年10月に日本エレクトロセンサリデバイス株式会社からウェーハ検査装置事業を譲受けるなど、技術商社とメーカーの両機能を自社内に持つ点が競合との差別化要因となっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2024年3月期の242,888百万円をピークに3期連続で減少し、2026年3月期は203,748百万円(前期比5.8%減)となった。営業利益も10,253百万円(前期比17.7%減)、親会社株主帰属当期純利益は7,842百万円(前期比11.6%減)と減益が続く。
外部要因として産業機器向け半導体の顧客在庫調整継続とウェーハ市場の長期調整が半導体及び電子デバイス事業を直撃し、同セグメント利益は前期比47.8%減の3,208百万円に落ち込んだ。一方でコンピュータシステム関連事業はAI・クラウド・セキュリティ需要を背景に増収増益(利益前期比24.2%増)を達成し、グループ全体の下支えとなった。
2027年3月期は売上高225,000百万円(前期比10.4%増)・経常利益11,300百万円(前期比15.9%増)を予想しており、受注残高146,157百万円が回復の裏付けとなっている。
成長戦略
VISION2030でメーカー機能と技術商社機能を強化し売上高300,000〜350,000百万円・経常利益率8%以上を目指す
自動車の電装化・ソフト化を背景に車載向け半導体製品の販売を強化。2026年3月期は産業機器向けが低迷する中でも車載向けは堅調に推移し、顧客商権の拡大が確認された。受注高前期比40.7%増が示す通り、回復局面での商権獲得が進んでいる。
ウェーハ検査装置を中心としたプライベートブランド製品の製造・販売をグローバルに拡大する方針。2026年3月期はウェーハ市場の調整長期化によりPB製品販売が低調に推移しており、市場環境の回復が前提条件となる。
AIを悪用した攻撃やサプライチェーン攻撃への対応需要を取り込み、セキュリティ関連製品・保守監視サービスを拡大。2026年3月期はセキュリティ関連製品が好調に推移し、セグメント利益は前期比24.2%増の6,542百万円を達成した。
先端プロセス向け半導体製造装置関連の生産計画が成長フェーズに再突入する中、機動的な在庫確保と販売活動に注力。2026年3月期の受注残高90,913百万円(前期比27.1%増)が先行指標として回復を示している。
最終更新: 2026年7月19日

