事業内容
石光商事株式会社は1951年設立(創業1906年)のコーヒー・食品専門商社で、コーヒー・茶類事業、食品事業、農産事業、海外事業の4事業を展開する。主な顧客はコーヒー焙煎業者、業務用食品問屋、飲料メーカー、食品加工メーカー、量販店、外食チェーン等。
連結子会社5社(ユーエスフーズ、石光商貿上海、THAI ISHIMITSU、インド合弁、アライドコーヒーロースターズ、英国統括会社)を擁し、中国・タイ・インド・英国に海外拠点を持つ。2026年3月期の売上高は76,527百万円で、コーヒー・茶類事業が全体の約55%を占める。
ビジネスモデル
海外産コーヒー生豆・食品・農産物を輸入または国内で仕入れ、焙煎・加工を経て全国の業務用顧客へ販売する卸売モデルが基本。グループ内に東西の焙煎工場(アライドコーヒーロースターズ)を保有し、原料から製品まで一貫した付加価値提供が可能。
収益は売買差益(売上総利益)で得られ、2026年3月期の売上総利益率は13.1%。低利益商品の見直しと高利益率商品へのシフトにより収益性改善を推進している。
企業の強み
1951年創業以来70年超にわたりコーヒー生豆の輸入・販売を手掛け、業界をリードする原料・加工技術・品質管理の知見と諸資格保有人材を蓄積。グループ内にアライドコーヒーロースターズ(東西2工場、FSSC22000取得)を保有し、2026年3月期の焙煎数量は17,880トンに達する。
原料調達から製品加工・販売まで一貫した価値提供が可能な体制を構築している。
石光商貿(上海)、THAI ISHIMITSU、インド合弁(紅茶製造販売)、英国統括会社の4拠点を展開。2026年3月期には中国現地法人でのコーヒー生豆国内販売拡大、英国・タイ・オーストラリア向け輸出増加を実現。
日本食の海外認知度向上を背景に輸出事業を拡大しており、農林水産省公表の2025年農林水産物・食品輸出額は前年比12.8%増の過去最高を記録した市場環境も追い風となっている。
2026年3月期において食品事業・海外事業で低利益商品の見直しを実施。食品事業は売上高が前年同期比2.2%減少したにもかかわらず売上総利益は9.0%増加、海外事業も売上高1.0%減少に対し売上総利益5.5%増加を達成。
全社の売上高営業利益率は3.54%(前期2.40%)、ROICは7.62%(前期4.58%)へ大幅改善し、WACCの4.05%を上回る水準に到達した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期46,730百万円から2026年3月期76,527百万円へ5期連続増収。2026年3月期は前期比11,573百万円増と増収幅が拡大した。
外部要因として、コーヒー相場の高騰(期中420セント台)と円安(期末159円台)がコーヒー・茶類事業の販売価格上昇を後押しし、同事業売上高は42,027百万円(前年同期比38.7%増)と全体を牽引。営業利益は2,707百万円(前年同期比73.8%増)と過去5期で最高水準に達し、売上高営業利益率も3.5%(前期2.4%)に改善。
一方、持分法投資損失323百万円・支払利息207百万円等の営業外費用拡大により経常利益は2,161百万円にとどまった。キャッシュ・フローは営業CF2,457百万円と前期のマイナスから大幅改善し、現金及び現金同等物期末残高は5,204百万円に増加した。
2027年3月期は売上高78,072百万円(前期比2.0%増)・営業利益2,434百万円(同10.1%減)と増収減益を予想。
成長戦略
SHINE2027のもとROIC経営・高利益率商品シフト・海外拡大・GHG削減を推進
2026年3月期を初年度とする3か年計画。前中期経営計画で構築したビジネス・ガバナンス・エンゲージメントの土台を実践へ移し、成長投資・GHG削減・社会課題解決型商品開発・社内体制強化を一層加速させる方針。初年度は売上高・利益ともに計画を上回る水準で着地した。
低利益商品の見直しを進め、高利益率商品の拡大による収益性向上を目指す。2026年3月期は食品事業で売上高が2.2%減少する中でも売上総利益が9.0%増加、海外事業でも売上高1.0%減に対し売上総利益5.5%増と、商品ミックス改善の効果が数値に表れ始めている。
英国合弁会社の事業展開進展、タイ向け現地量販店販売好調、オーストラリア向けスポット採用品の通年採用化など、複数地域での輸出拡大が進む。一方、欧州向け輸入規制厳格化・台湾向け競争激化が課題として残存しており、地域ポートフォリオの最適化が引き続き必要。
2027年3月期に連結子会社が新工場建設を予定。成長投資として短期的にはコスト増要因となるが、中長期的な生産能力拡大と収益性向上につなげる計画。会社側は「一時的な減益」と位置付け、SHINE2027の着実な推進で中長期的な資本効率向上を目指す。
温室効果ガスの削減と社会課題解決型商品の開発に注力し、ESG経営を推進。SHINE2027の重点施策として位置付けられており、サプライチェーン全体での環境負荷低減と新商品開発による差別化を目指す。
最終更新: 2026年7月19日

