事業内容
くら寿司株式会社は、化学調味料・人工甘味料・合成着色料・人工保存料の「四大添加物」を創業以来全食材から排除するという独自の食の理念を掲げ、直営のみの回転すし店チェーンを展開する。国内547店舗(「無添蔵」5店舗・「くらおさかな市場」1店舗含む)を主力に、米国上場子会社Kura Sushi USA(79店舗)、台湾上場子会社亞洲藏壽司(60店舗)を加え、2025年10月期末時点で全世界687店舗(全て直営)を運営する。
主要顧客はファミリー層を中心とした幅広い消費者であり、「ビッくらポン!」や回転レーンによるエンターテインメント性と、安心・安全な食材へのこだわりを組み合わせた独自の食体験を提供している。
ビジネスモデル
フランチャイズを一切持たず全店直営で運営することで、四大添加物不使用・抗菌寿司カバー「鮮度くん」・クリーンテーブルといった高水準の品質・衛生管理を全店に徹底する。売上高245,109百万円(2025年10月期)の大部分は飲食売上で構成され、原価管理はフレキシブルな商品設計と経営・現場一体の管理体制で対応。
AI・DX推進による効率的な店舗運営と、IPコラボ・高付加価値フェアによる集客強化を組み合わせ、収益を確保する。
企業の強み
創業以来、化学調味料・人工甘味料・合成着色料・人工保存料の四大添加物を全食材から完全排除。特許技術の抗菌寿司カバー「鮮度くん」の全店配置(2011年完了)や、ミョウバン不使用の「新物うに」など、安心・安全への取り組みが競合との明確な差別化要因となっている。
2025年10月期末時点で国内547店舗・米国79店舗・台湾60店舗の計687店舗を全て直営で運営。2021年7月に全都道府県出店を完了し、国内では2021年12月に500店舗を達成。直営一本化により品質・サービス水準の均一化を実現している。
2025年10月期末の自己資本比率は66.6%、実質無借金での運営を継続。資産総額156,015百万円に対し純資産86,258百万円を確保。コミットメントライン(総額35億円)も未使用であり、積極的な出店投資を自己資金で賄える財務基盤を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2021期147,592百万円から2025期245,109百万円へ5期連続増収を達成し、2026年10月期中間期も125,253百万円(前年同期比+6.5%)と増収基調を維持。一方、営業利益は2024期5,699百万円をピークに2025期5,460百万円へ微減し、2026年10月期中間期は2,476百万円(前年同期比△14.7%)と大幅に落ち込んだ。
外部要因として原材料価格(米価含む)・人件費の上昇が続き、販売費及び一般管理費の増加が利益を圧迫。通期予想の営業利益5,000百万円(前期比△8.4%)は2期連続の営業減益を示唆しており、収益性の踊り場が長期化するリスクがある。
成長戦略
2030年度に全世界売上高3,600億円以上・1,100店舗以上を目指す日米台三極展開
下北沢店・御徒町店など都心部への新規出店を推進し、インバウンド需要の拡大を取り込む。当中間期に国内5店舗を出店し、国内店舗網を継続拡大。商品ごとのきめ細やかな設計で原価率をコントロールしながら売上高を伸長させる方針。
米国子会社KSUは年間16店舗の出店を目標に積極展開。当中間期にテキサス州フルーガービル店を含む5店舗を出店。商品価格の一部見直しと人気IPコラボ(星のカービィ等)により既存店売上は前年同期比108.6%と好調。赤字継続中だが売上成長率は20.3%増と高水準を維持。
台湾子会社KSAは期間限定フェア・コラボ企画(サンリオファミリー・クレヨンしんちゃん等)と価格帯拡充により売上高前年同期比+16.3%の高成長を達成。当中間期に高雄市「林園沿海路店」を出店し62店舗体制へ。経常利益421百万円(前年同期比+97.5%)と収益性も大幅改善。
KURAおさかなファームでAIを活用したスマート養殖を推進し、サバを人工種苗から約800gの大型サイズまで育成することに世界初で成功。2026年5月15日から期間限定・店舗限定で大型生さばの販売を開始。自社調達による原価コントロールと商品差別化を同時に実現する取り組み。
最終更新: 2026年7月17日

