人材確保・流出リスク
技術開発・事業成長を支える有能な人材の確保が事業継続上の重大課題であり、顕在化の可能性「高」・影響度「高」と評価されている。人材流出や育成計画の遅延が生じた場合、新技術開発や既存技能の承継に支障をきたし業績に悪影響を及ぼす。新卒・中途採用の積極化や階層別研修プログラムを整備しているが、直近1〜3年での顕在化リスクとして認識されている。
大株主との利益相反リスク
2025年12月末時点でカーライル傘下のAtom Investment, L.P.が発行済株式の42.08%を保有しており、大株主と少数株主との間で潜在的な利益相反が生じる可能性がある。また、大株主が保有株式を売却する際には株価形成や事業運営への影響が生じうる。独立社外取締役4名・社外監査役3名の指定や指名評価報酬委員会の過半数を独立社外取締役とする体制で対応しているが、顕在化の可能性「高」・影響度「高」と評価されている。
情報セキュリティリスク
サイバー攻撃や不正アクセスにより顧客情報・個人情報・機密情報が漏洩した場合、多額の対応費用が発生するとともに社会的信用が毀損し業績に悪影響を及ぼす可能性がある(影響度「高」)。情報セキュリティ委員会による体制整備、全社員向けセキュリティ教育、フィッシングメールテストの定期実施等で対応しており、将来的にはISO27001取得を目指している。ただし想定を超えるサイバー攻撃への完全な防御は困難であると認識している。
品質不良・製品安全リスク
高度な分析・検査装置であるX線機器において品質不良や安全性懸念が発生した場合、ブランド力の低下や顧客信頼の毀損に加え、損害賠償請求・訴訟費用・顧客補償等の多額の費用負担が生じる可能性がある(影響度「高」)。品質保証部と生産本部がKPIを設定し、客先初期不良・自社不良を週次で経営層に報告する体制を構築しているが、X線漏洩防止等の安全確保は極めて重要な課題として継続的な管理が必要である。
財務制限条項・LBOローンリスク
2025年12月31日現在の借入金総額は55,556百万円(資本合計88,396百万円の62.8%)であり、その大部分はカーライルとのLBOローン契約に起因する。同契約には「連結経常利益の二期連続赤字禁止」および「連結純資産を前期実績の75%以上維持」という財務制限条項が含まれており、抵触した場合は一括返済を求められるリスクがある。また全有利子負債が変動金利付であり金利上昇リスクも内在するが、一部は金利スワップでヘッジしている。
のれん減損リスク
2025年12月末時点ののれん残高は51,876百万円(資産合計の28.0%)と多額であり、対象事業の将来キャッシュ・フローが買収時評価を下回った場合に減損損失が計上される。2025年度は減損損失の計上はなかったが、業績見通しが悪化した場合には多額の減損損失または追加償却費が発生し、財政状態に重大な影響を及ぼす可能性がある。毎期減損テストを実施し、採算悪化事業には即時立て直し措置を講じる方針としている。
国際情勢・地政学リスク
米中間の輸出規制強化(AI・半導体関連)や2025年1月発足の米国新政権による関税大幅見直しが当社グループの調達・販売・物流に影響を及ぼしている。中国による両用品目の対日輸出規制強化も加わり、サプライチェーン分断リスクが高まっている。現時点では輸出販売価格への転嫁や現地法人・販売代理店との調整で影響緩和を図っているが、政策動向の不確実性が高く、業績・財政状態への悪影響が継続する可能性がある。
法令・輸出規制リスク
日本政府による2025年10月の制度改正で補完的輸出規制(キャッチオール規制)を含む輸出管理制度が強化されたほか、各国の安全保障・競争政策・腐敗防止・税制等の規制変更リスクが存在する(顕在化の可能性「高」)。現時点では中国向け輸出規制を含め重大な事業影響は生じていないが、予期しない規制新設・変更により事業の一部が制限される可能性がある。貿易管理部によるデュー・ディリジェンスや定期的な社内教育・専門部門監査で対応している。
原材料価格高騰・供給停止リスク
レアメタルを含む主要原材料は限られた購買先からしか調達できず、供給不足が生じた場合には高価格の市場品購入や設計変更費用の発生が避けられない(顕在化の可能性「高」)。当社グループは採算性の良い事業・製品への優先的な部品確保方針を設けているが、想定を超える長期的な供給不足や急激な価格高騰が発生した場合には業績・財政状態に悪影響を及ぼす。複数社購買等によるリスク分散を図っているものの、特定購買先への依存が残る品目も存在する。
中国免除認証対応リスク
中国の輻射安全許可証制度において、代理店名義で取得した免除認証の対象外と認定されたモデルチェンジ後の装置について、顧客・代理店が罰金・制裁金を課されるリスクおよび中国での販売活動制限リスクが存在する(顕在化の可能性「高」)。2024年12月期に218百万円の引当金を計上したが、既納製品の置換え等の対策進捗を踏まえ2025年12月期には40百万円まで減額している。今後は免除認証を中国現地法人名義で取得する体制に移行し、代理店依存リスクの軽減を図っている。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年4月22日

