国内アパレル市場の縮小
事業の約9割を国内で展開する中、少子高齢化・人口減少による国内アパレル市場の縮小が業績に影響を及ぼす可能性がある。対応策として、東アジア・東南アジアへの海外展開、マスブランド育成・ライフスタイルブランド開発、自社ECサイト「and ST」へのBtoB外部出店などによる事業多様化と顧客基盤拡大を推進している。
為替変動・原価高騰リスク
取扱商品の大半を中国等アジア各国で生産しており、円安進行による商品原価上昇、世界的なエネルギー価格上昇に伴う輸送コスト高騰、生産国の人件費上昇が財政状態・経営成績に影響を及ぼす可能性がある。対応策として、為替予約の活用、ASEAN諸国への生産分散化、複数ブランドの素材共通化・一括発注によるボリュームディスカウント、工場との直接取引による仲介マージン削減に取り組んでいる。
店舗運営リスク(敷金・減損)
店舗の大半が賃借物件であり、当連結会計年度末の敷金及び保証金は143億30百万円(総資産の約1割)に上り、デベロッパー等の倒産時に全部または一部が回収不能となるリスクがある。また多額の固定資産に対して減損会計を適用しており、収益性悪化や市場価格の著しい下落により追加の減損処理が必要となる可能性がある。対応策として、敷金・保証金の適正性精査と支店制度による地域調査、継続的な出退店による最適店舗網の維持を行っている。
サイバー攻撃・個人情報漏洩
自社ECサイト「and ST」は1,900万人を超える会員を有しており、サイバー攻撃・不正アクセスによるシステム障害や個人情報流出が発生した場合、売上損失・顧客信用失墜など経営成績に重大な影響を及ぼす可能性がある。対応策として、第三者機関によるセキュリティリスク診断、最新セキュリティ対策ソフト導入、セキュリティ専門人材の採用、セキュリティ委員会傘下の専門組織設置、海外を含む全ECサイトの定期チェックを実施している。
サプライチェーン途絶リスク
商品の企画・監督は自社で行いつつ生産は外部委託しており、生産遅延・調達先倒産・輸送経路寸断による商品供給停止が経営成績に影響する可能性がある。また委託先での人権侵害・環境汚染問題発生時には委託元としてのレピュテーション毀損リスクも存在する。対応策として、生産地のASEAN諸国への分散化、複数輸送手段・代替ルートの確保、グループ調達ガイドラインの遵守要請と主要取引先の定期モニタリングを実施している。
アパレル商品企画・ブランド陳腐化
カジュアル衣料小売市場は流行・嗜好の短期的変化が激しく、国内外競合との競争も厳しいため、商品企画の失敗やブランド価値の陳腐化が経営成績に影響を及ぼす可能性がある。また温暖化・異常気象による消費者購買行動の変化も業績リスクとなる。対応策として、店舗・ECサイト・SNSを通じた顧客選好情報の収集と商品展開への迅速な反映、EC予約販売による需要予測精度向上、IPコラボ商品や非アパレルカテゴリー拡大を推進している。
人材確保・キーパーソン依存
創業家出身の代表取締役会長をはじめとする経営陣の突然の離脱が事業・財政状態・経営成績に影響を及ぼす可能性があるほか、国内外1,600超の店舗運営に必要な人材について、労働人口減少・世界的賃金上昇への対応が不十分な場合、店舗運営制限・労務コスト上昇・従業員パフォーマンス低下のリスクがある。対応策として、執行役員制の導入、業績連動型株式報酬・株式交付型インセンティブプランの整備、初任給引き上げ・賃金改善・社員紹介制度の導入を実施している。
環境規制・ESG対応リスク
アパレル産業は過剰生産・環境汚染の環境負荷が世界的に問題視されており、気候変動関連規制強化や炭素税施行による経費増加、消費者行動変容への対応不足が中長期的に事業の持続可能性に影響を及ぼす可能性がある。また生物多様性・自然資本への配慮不足はレピュテーション毀損リスクにもつながる。対応策として、TCFDガイドラインに基づく財務影響分析・一部開示、再生可能エネルギー由来電源の調達検討、サステナビリティ目標の策定とバリューチェーン全体での環境負荷低減に取り組んでいる。
大型投資・M&Aの失敗リスク
海外展開・新規ブランド獲得・技術獲得を目的とした外部企業への出資・買収や、デジタル化・物流強化のための設備・システム投資において、期待した収益・シナジーが得られない場合や設備・システムが想定機能を果たさない場合、投資回収が困難となる可能性がある。対応策として、財務健全性維持範囲内での投資原則、取締役会(社外取締役含む)での討議プロセスの整備、大型システム投資における第三者PMO設置のルール化を実施している。
海外事業・グループガバナンス
海外事業において現地顧客ニーズへの対応不足や人材獲得困難により当初見込みの事業収益が得られないリスクに加え、商習慣の違いによる汚職・贈収賄発生リスクがある。また、マルチカンパニー経営を掲げるグループ会社に対するガバナンスが機能しない場合、グループ全体の経営成績に影響を及ぼす可能性がある。対応策として、現地法人の機能強化・人材現地化、取引先への年次アンケートによる汚職確認、当社取締役によるグループ会社取締役兼任モニタリング、四半期ごとのグループ会社報告会を実施している。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年4月22日

