事業内容
Hmcomm株式会社は2012年創業、2014年に産総研技術移転ベンチャー認定を受けた「音×AI」専門の研究開発型ベンチャーである。「AI×音」サイエンス事業の単一セグメントのもと、コンタクトセンター向け音声認識プロダクト「Voice Contact」・AI音声自動応答「Terry/Terry2」・AI議事録「ZMEETING」・異音検知「FAST-D」を展開するAIプロダクト事業(売上高比率38.8%)と、生成AIを活用したDX推進支援を行うAIソリューション事業(同61.2%)の二軸で構成される。
主要顧客はコンタクトセンター運営企業・製造業・インフラ事業者・教育機関等の法人であり、2024年10月に東京証券取引所グロース市場へ上場した。
ビジネスモデル
AIプロダクト事業では導入時の開発対応対価に加え、継続的なライセンス利用料を受領するストック型収益を形成する。2025年度末時点でVoice Contactは1,116ライセンス、Terryは104ライセンス、FAST-Dは13ライセンスを保有し、顧客取引平均単価は10.2百万円(ZMEETING除く)。
AIソリューション事業は準委任・請負契約による役務収益で、2025年度は152プロジェクト・顧客取引平均単価4.5百万円を計上。ソリューション活動で得た知見をプロダクト機能開発へフィードバックする研究開発型ビジネスプロセスが両事業の相乗効果を生む構造となっている。
企業の強み
2014年に産総研技術移転ベンチャー認定を取得し、音声認識・異音検知領域でNEDO AIベンチャーコンテスト最優秀賞・JEITA ベンチャー賞・大学発ベンチャー表彰NEDO理事長賞を受賞。R&D初期フェーズから保守運用フェーズまでを自社内で完結する研究開発型ビジネスプロセスを10年以上実践し、競合が容易に模倣できない技術・顧客信頼関係を構築している。
2025年度AIソリューション売上高は680,855千円(前年同期比180.7%増)と急拡大。DXパートナー事業譲受による体制強化に加え、ベネッセi-キャリア向けAI自動採点サービス開発・金融機関とのAIエージェント共同研究など高付加価値案件が増加。
152プロジェクトを受注し、顧客基盤の多様化が進んでいる。
2025年度末時点で借入金残高はゼロ、現金及び現金同等物残高は1,317,463千円を確保。自己資本比率は80.7%(前期末90.6%から低下したものの依然高水準)を維持しており、M&A等の成長投資に充当できる財務的余力を有している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2024期946百万円→2025期1,112百万円→2026期通期予想1,373百万円と増収基調が継続。2026年12月期第1四半期は売上高332百万円(前年同期比44.5%増)、営業利益3百万円、経常利益5百万円、四半期純利益0百万円と、前年同期の各損失から黒字転換を達成した。
AIソリューション事業の大型案件受注と計画的進行が売上を牽引。一方、第2四半期(累計)予想では営業損失29百万円を見込んでおり、通期での利益回収は後半に集中する見通し。
外部環境としてDX推進・カーボンニュートラル対応への企業投資拡大が需要を下支えしているが、円安・人手不足・地政学リスクによる景気不透明感も継続している。
成長戦略
Terry2・コラボテクノ活用によるAIエージェント市場開拓とM&A非連続成長の両輪
ワークスアイディとの業務提携による共同販売・開発体制を構築し、金融業界をはじめとする幅広い市場でのライセンス数拡大を推進。株式会社ゼネラル向け防災プラットフォーム構築も進行中。
Webシステム開発・SES事業を持つコラボテクノを135百万円で株式90%取得し連結子会社化。生成AI技術とエンジニアリソースの融合により開発プロセスの高度化と収益性向上を目指す。
初期開発案件受注後のストック収益化を見据えた継続支援を展開。既存顧客の継続的支援と並行して新規リードを創出し、通期での受注拡大と早期商談化を強化。
異音検知プロダクトFAST-Dで大手企業の新拠点展開に伴う新規受注を獲得。守山市との衛星データ連携社会実装検証プロジェクトが順調に進行し、次年度のインフラ保全DX展開に向けた協議を推進中。
AI議事録プロダクトZMEETINGにおいて大手金融機関への導入開発が進行中。企業の業務効率化需要を取り込み、金融セクターでの新規顧客基盤を確立する。
最終更新: 2026年7月17日

