事業内容
株式会社J-オイルミルズは、味の素グループとの業務提携を基盤に、家庭用油脂・業務用油脂・大豆ミール等を手掛ける油脂事業(売上高の約91%)と、乳系PBF・機能性スターチ・大豆シート食品等を展開するスペシャリティフード事業を主軸とする。子会社6社・関連会社6社で構成され、国内外の食品メーカー・外食・製菓製パン業者・量販店等を主要顧客とする。
2026年3月期の連結売上高は226,574百万円。味の素株式会社向け販売が売上高の約20.6%、全国農業協同組合連合会向けが約8.9%を占める。
東京証券取引所プライム市場上場。
ビジネスモデル
大豆・菜種等の植物性原料を調達・搾油し、家庭用・業務用油脂および油脂加工品・食品素材として販売する製造販売型ビジネスモデル。原料相場・為替変動を販売価格に転嫁する価格改定と、SUSTEC®・スマートグリーンパック®・まめのりさん®等の高付加価値品拡販により収益性を確保する。
搾油副産物のミール販売も収益源の一つだが、相場変動の影響を受けやすい。
企業の強み
味の素株式会社との2004年締結の業務提携(自動更新)に基づき、同社ブランド使用権・販売ルート活用を享受。2026年3月期の味の素向け販売高は46,736百万円(売上高比20.6%)と最大顧客を形成。不二製油・日清オイリオとの提携も含め、業界横断的な協調体制が競合他社の模倣を困難にしている。
業務用では長持ちフライ油「SUSTEC®」シリーズ、家庭用では環境配慮型「スマートグリーンパック®」、海外展開中の大豆シート食品「まめのりさん®」等、独自技術に裏付けられた差別化製品群を保有。スペシャリティフード事業では不採算撤退後に機能性スターチ特化へ転換し、2026年3月期のセグメント利益は前年同期比513.1%増の828百万円を達成した。
油脂・油脂加工品・テクスチャー素材・健康素材の研究開発拠点を神奈川県川崎市に統合移転し、2027年1月の稼働開始を予定。2026年3月期の研究開発費は1,538百万円。部門間連携強化による「おいしさデザイン®」ソリューション提案力の向上と、イノベーション創出の加速を図る体制を整備中。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年3月期の260,410百万円をピークに3期連続減収となり、2026年3月期は226,574百万円(前年比1.8%減)。営業利益は2025年3月期の8,572百万円から4,404百万円へ48.6%減と急落。
主因は、円安進行(3月に1米ドル160円台)・ミールバリューの歴史的低水準・カナダ産菜種の油分低下による油脂コストの大幅上昇。業務用油脂の販売は外部要因として外食市場回復・インバウンド需要拡大を追い風に堅調だったが、コスト上昇を吸収できなかった。
営業CFも2,998百万円(前年18,294百万円)と大幅に低下。一方、スペシャリティフード事業は構造改革効果で利益が急回復しており、事業ポートフォリオの質的改善は進行中。
成長戦略
高付加価値品拡販・海外展開・DX・構造改革の4軸で中計最終年度の収益回復を目指す
SUSTEC®シリーズ・スマートグリーンパック®・調味油・調理油など機能性強化品の拡販を推進。業務用油脂での顧客課題解決型提案を強化し、価格競争を回避した収益性向上を図る。2026年3月期も業務用油脂は堅調に推移したが、コスト上昇の吸収には至らず。
不採算事業(段ボール用汎用スターチ等)からの撤退を完了し、機能性スターチ・粉末油脂・大豆シート食品「まめのりさん®」に特化。2026年3月期にセグメント利益が前年比513.1%増と急回復しており、構造改革の効果が顕在化している。
マレーシア子会社Premium Fats Sdn Bhd(PF社)の全株式を関連会社PVO社に2026年5月中に譲渡予定。PVO社の製品群・顧客基盤とのシナジーを活かし、海外市場における油脂加工品事業の成長を図る。「まめのりさん®」は北米・欧州・中東への展開を強化中。
人財育成およびDX(デジタルトランスフォーメーション)を経営基盤強化の柱として推進。2026年度を次期中期経営計画に向けた重点施策の検討・準備年度と位置付け、持続的成長に向けた基礎収益力の一層の向上を図る。
連結配当性向40%を目安としつつ、中期的に純資産配当率(DOE)3%の達成を目標とする安定配当方針を継続。2027年3月期は1株当たり年間80円(前期70円から増配)を予定。2026年3月期の配当性向は48.7%と目安を上回る水準で安定配当を維持した。
最終更新: 2026年7月19日

