事業内容
飛島ホールディングス株式会社は、2024年10月に飛島建設株式会社の完全親会社として設立された持株会社である。連結子会社19社・関連会社1社を擁し、主力の建設事業(土木・建築)と、不動産開発・建設関連・建設DXサポートを束ねるグロース事業等の2本柱で構成される。
主要顧客は国土交通省・地方自治体等の官公庁から民間デベロッパー・製造業まで幅広く、2026年3月期の連結売上高は139,255百万円。手持工事残高192,841百万円(飛島建設個別)を背景に、中期的な売上の可視性が高い。
ビジネスモデル
コア収益は飛島建設が担う土木・建築工事の請負であり、受注→施工→完成工事高計上という建設業固有のフロー型モデルが基本。これに加え、グロース事業等では地域建設会社・建設資材・不動産販売・ITシステム開発等の多様な子会社群が安定的なストック型収益を補完する。
ホールディングス体制移行後はM&Aを通じた事業ポートフォリオ拡充を加速しており、グロース事業等の売上高は前期比48.7%増の27,490百万円に達した。
企業の強み
2026年3月31日現在の飛島建設個別手持工事残高は192,841百万円(土木123,734百万円・建築69,107百万円)。中央新幹線伊那山地トンネル(2030年12月完成予定)や北海道新幹線新八雲駅高架橋(2027年6月完成予定)など大型長期案件を含み、複数年にわたる売上の高い予見可能性を確保している。
2025年4月の共和成産㈱連結化、2026年1月のたち建設㈱(子会社5社含む)連結化を実施。これらM&Aの寄与によりグロース事業等の外部顧客売上高は前期比48.7%増の27,490百万円、セグメント利益は2,458百万円(前期比18.7%増)に拡大。
不動産開発の販売用不動産残高も1,410百万円から6,057百万円へ増加した。
飛島建設はデジタルツインプラットフォーム「サイバー建設現場」、AIエージェント活用の「AI現場監督」、地震計測システム「NAMISIIIL」等を自社開発し、グループ内外に展開。研究開発費683百万円を投じ、建設生産システムの革新・維持管理・防災を重点戦略とした技術開発を継続している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の連結売上高は139,255百万円(前期比0.7%増)、営業利益6,910百万円(同7.5%増)、経常利益5,968百万円(同4.2%増)、親会社株主帰属当期純利益4,845百万円(同30.2%増)。売上高の伸びは軽微だが、建築事業の利益率改善(セグメント利益率5.0%→7.7%)とグロース事業等の拡大が利益を押し上げた。
特別利益として負ののれん発生益499百万円(共和成産㈱133百万円・たち建設㈱365百万円)を計上したことも純利益の大幅増に寄与。外部要因として労務費・資機材価格の高止まりが続く中、売上原価は前期比141百万円減の122,321百万円と抑制された。
自己資本比率は33.3%(前期32.0%)に改善。
成長戦略
中期経営計画(~2027年度)のもと収益基盤拡充・資本効率・サステナビリティの三軸で企業価値向上
「インフラアンチエイジング」市場拡大を見据え、地域密着型建設会社を取り込む戦略的M&Aを継続。2025年4月に共和成産㈱、2026年1月にたち建設㈱(取得原価5,887百万円)を子会社化し、グロース事業等売上高を前期比48.7%増に拡大。
持続可能な地域建設モデルの確立を中期成長戦略の柱に位置付ける。
建設DXサポート事業を通じたグループ内外へのデジタル技術提供を推進。セグメント間売上高16,222百万円(グロース事業等)がグループ内需要を示す。研究開発費683百万円を継続投入し、生産性向上・働き方改革への対応と競争力強化を図る。
ROE9.3%(前期7.5%)、自己資本比率33.3%(前期32.0%)と資本効率は改善基調。配当は1株当たり105円(配当性向41.5%)に増配し、2027年3月期は110円(同44.0%)を予想。その他資本剰余金を配当原資とする配当政策を採用し、株主への利益還元を継続する。
最終更新: 2026年7月19日

