事業内容
養命酒製造株式会社は1923年設立(養命酒の歴史は300年超)の健康関連企業。主力の養命酒関連事業では「養命酒」をはじめとする酒類・食品の製造販売、不動産賃貸・太陽光発電を手掛ける。
くらすわ関連事業では長野県駒ヶ根市の体験型施設「くらすわの森」や都内ベーカリーを含む小売り・サービス事業を展開。主要顧客はドラッグストア・卸店経由の一般消費者で、アルフレッサヘルスケア㈱(売上高比36.5%)と㈱大木(同18.7%)が主要販売先。
2026年4月に株式会社レノによるTOBを経て非公開化プロセスが進行中であり、最終的にツムラの子会社となる予定。
ビジネスモデル
養命酒関連事業(売上高8,198百万円)が全体の約85%を占め、「養命酒」の卸・小売チャネル販売が収益の根幹。クロモジのど飴等の酒類・食品(1,167百万円)や不動産賃貸・太陽光発電(377百万円)が安定収益を補完。
くらすわ関連事業(1,429百万円)は店舗・通販・外販の複合チャネルで展開するが、現時点では損失計上中。研究開発費226百万円を投じ新商品開発を継続。
資金調達は自己資金が基本で、無借金経営を維持。
企業の強み
「養命酒」は300年超の歴史を持つロングセラー商品で、アルフレッサヘルスケア㈱(売上比36.5%)・㈱大木(同18.7%)を通じた全国卸流通網を確立。ドラッグストア等主要小売チャネルへの陳列強化を継続的に実施しており、競合が短期間で模倣困難なブランド資産と販売インフラを保有する。
2026年3月期末の総資産54,045百万円に対し純資産46,345百万円(自己資本比率約85.8%)と財務健全性は極めて高い。投資有価証券は時価評価増4,393百万円を含む大規模ポートフォリオを保有し、受取配当金が営業外収益635百万円の主要源泉となっている。
設備投資482百万円を全額自己資金で賄う無借金体質。
酒類・食品カテゴリーは「養命酒製造クロモジのど飴」の堅調推移により当期売上高1,167百万円(前年同期比9.2%増)を達成。クラフトジン「香の森」はWorld Gin Awards 2025金賞を獲得。「養生スープ」「薬用入浴剤」等の新商品開発も継続しており、「養命酒」依存からの分散が進行中。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期10,577百万円をピークに5期連続で減収し、2026期は9,628百万円(前期比3.9%減)。国内「養命酒」が物価上昇による消費行動変化の影響を受け前期比8.6%減と苦戦。
営業利益は広告宣伝費削減(前期比693百万円減)により255百万円へ回復したが、くらすわ関連事業の減損損失2,998百万円・アドバイザリー費用391百万円等の特別損失計上により当期純損失2,271百万円(前期純利益680百万円)に転落。経常利益は受取配当金573百万円・投資有価証券売却益414百万円に支えられ890百万円(前期比42.2%増)を確保したが、営業外・特別損益への依存構造が鮮明となった。
成長戦略
上場廃止に伴い中期経営計画は取り下げ、事業再編フェーズへ移行
テレビCM・新聞・Web広告の継続とドラッグストア等主要チャネルでの陳列強化を実施。当期は販促活動の見直しにより広告宣伝費を前期比41%削減し営業利益を改善したが、売上高は前期比8.6%減と需要喚起への影響が顕在化。今後の広告投資水準の設定が収益と売上のバランスを左右する。
「養命酒製造クロモジのど飴」が堅調に推移し、酒類・食品は1,167百万円(前期比9.2%増)を達成。外販(他社チャネル販売)を養命酒関連事業に組み替え、セグメント管理の効率化も実施。引き続き既存製品の販路拡大と新製品開発が成長ドライバーとなる。
業績の当初計画からの大幅乖離により、固定資産について減損損失2,984百万円を計上し事業戦略を抜本的に見直し。東京都1店舗は2026年2月に閉店済み。中期経営計画は取り下げられており、上場廃止後の事業継続方針は非開示。飲料水事業も終売の意思決定を行い製造設備を減損処理した。
最終更新: 2026年7月19日

