事業内容
株式会社出前館は、1999年設立・2006年上場のフードデリバリー専業企業。主力サービス「出前館」はパソコン・スマートフォン・タブレットを通じてユーザーが飲食店を選択・注文できるプラットフォームで、2021年12月に加盟店数10万店舗を突破した国内最大級のデリバリーサービスである。
デリバリー機能を持たない飲食店向けに配達代行「シェアリングデリバリー®」も展開し、ユーザー・加盟店・配達員の三者をつなぐエコシステムを構築している。2025年8月末時点のアクティブユーザー数は455万人。
なお、LINEヤフーと共同提供していた「Yahoo!クイックマート」は2025年8月にサービスを終了した。
ビジネスモデル
収益は主に①加盟店から注文金額に一定料率を乗じたサービス利用料および配達代行手数料、②ユーザーから注文ごとに徴収する送料・現金払い手数料等、③加盟店および一般企業からのバナー・テキスト広告収入の三本柱で構成される。2025年8月期の販売実績はサービス利用料34,996百万円、その他4,724百万円、合計39,721百万円。
送料変動価格制(ダイナミックプライシング)を導入し、ユニットエコノミクスの改善を図っている。
企業の強み
2020年7月時点で約3万店舗だった加盟店数は、コロナ禍の需要急拡大を背景に2021年12月に10万店舗を突破。大手チェーン店に加え各地域の人気店舗の加盟も進んでおり、フード・ノンフード領域にわたる幅広いラインナップがユーザーの選択肢を拡充している。
2021年9月に海外募集およびZホールディングス・NAVER Corporationへの第三者割当増資により総額834億円(約83,400百万円)の資金調達を完了。2025年8月期末時点で現金及び現金同等物残高28,536百万円を保持しており、有利子負債ゼロの財務健全性を維持している。
デリバリー機能を持たない飲食店でも出前館の配達員が届ける「シェアリングデリバリー®」を全国展開。外食市場に対して新たな市場を創造するインフラとして機能しており、加盟店の裾野拡大とGMV成長の基盤となっている。カスタマーセンターによるユーザー・店舗・ドライバーへの24時間サポート体制も整備している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期47,315百万円をピークに下落が続き、2025期39,721百万円、2026期第3四半期累計28,290百万円(前年同期比6.2%減)と収縮が止まらない。営業損失は2022期の36,442百万円から2025期4,923百万円まで縮小してきたが、2026期第3四半期累計で6,370百万円と前年同期3,075百万円から倍増以上に悪化。
売上原価が前年同期比2,382百万円増加する一方で売上高が1,880百万円減少したことが主因。通期業績予想は売上高39,200百万円・営業損失7,900百万円へ下方修正済み。
外部要因として競合他社との競争激化によるオーダー数・GMVの伸び悩みが業績を圧迫している。
成長戦略
GMV拡大・ユニットエコノミクス改善・ユーザー定着化による「デリバリーの日常化」実現
フード・ノンフード領域における加盟店数の拡大を通じてプラットフォームの品揃えを強化し、注文頻度・客単価の向上を図る。ただし2026期第3四半期累計時点でオーダー数・GMVが期初想定を下回っており、施策効果は限定的。
配達予測時間の精度向上およびカスタマーサービス品質の改善を積み重ねることで、ユーザー・配達員・加盟店の満足度向上と定着化を図る。継続的に取り組んでいるが、売上高の前年同期比減少が続いており定着化効果は道半ば。
販売費及び一般管理費を前第3四半期累計7,477百万円から当第3四半期累計6,511百万円へ約966百万円削減するなど固定費適正化は進捗。ただし売上原価の急増により売上総利益が140百万円まで激減し、損失拡大を抑制できていない。
需給に応じた送料の動的設定により、配達コストの最適化と収益性向上を目指す施策。売上原価の増加が続いていることから、ユニットエコノミクス改善の効果は現時点で財務数値に十分反映されていない。
最終更新: 2026年7月17日

