事業内容
株式会社翻訳センターは1986年創業の専門翻訳会社で、特許・医薬・工業ローカライゼーション・金融法務の4分野に特化した高品質翻訳サービスを中核事業とする。連結子会社5社・関連会社1社を擁し、翻訳事業(売上高8,096百万円)を筆頭に、語学特化型人材派遣(1,123百万円)、企業内・国際会議向け通訳(1,323百万円)、コンベンション・語学教育・外国出願支援等(328百万円)を展開する。
主要顧客は特許事務所・製薬会社・自動車メーカー・金融機関等の大手企業であり、東京証券取引所スタンダード市場に上場している。
ビジネスモデル
顧客から案件を受注後、登録翻訳者・通訳者を選定して翻訳・通訳を依頼し、社内で品質管理を行って納品するファブレス型モデルを採用する。仕入コストは登録スタッフへの外注費が中心であり、固定費を抑制しつつ専門性の高いサービスを提供できる構造となっている。
派遣事業では顧客企業への翻訳者・通訳者派遣により継続的な収益を確保し、通訳事業はスポット・継続案件の組み合わせで売上を積み上げる。
企業の強み
1986年の医薬翻訳専業創業から特許・工業・金融へと領域を拡張し、約40年にわたり専門翻訳サービスを提供してきた。2026年3月期においても翻訳事業売上高8,096百万円を維持し、特許事務所・製薬会社・金融機関等の大手顧客との継続取引を確保している。
長年の実績に裏付けられた専門ブランドは競合が短期間で模倣困難な参入障壁となっている。
翻訳・派遣・通訳・語学教育・外国出願支援を一体的に提供できる総合言語サービス体制を構築している。通訳事業は2026年3月期に売上高1,323百万円(前期比11.4%増)で三期連続過去最高を更新し、語学教育スクール(アイ・エス・エス・インスティテュート)が派遣・通訳事業への人材供給機能を担うなど、グループ内シナジーが機能している。
2026年3月期末時点で現金及び現金同等物4,409百万円を保有する一方、有利子負債残高は17百万円にとどまり、実質無借金経営を維持している。純資産合計は7,023百万円で自己資本比率は高水準にあり、中期経営計画に基づくシステム投資(基幹システム費287,026千円)や将来のM&Aにも内部資金で対応できる財務基盤を有している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期10,337百万円→2024期11,304百万円と拡大後、2025期11,210百万円・2026期10,871百万円と2期連続で減収。営業利益は2023期929百万円をピークに低下が続き、2026期は705百万円と2022期の811百万円を下回る水準まで落ち込んだ。
外部要因として米国通商政策の不透明感が自動車関連顧客の発注抑制を招き、工業・ローカライゼーション分野(前期比△15.3%)と金融・法務分野(同△12.2%)が大幅減収。販売費及び一般管理費は4,448百万円と前期比微増となり、売上総利益の減少を吸収できなかった。
当期純利益462百万円は前期比△36.1%と大幅減で、前期の特別利益(子会社株式売却益・移転補償金計195百万円)の反動減と減損損失37百万円の計上も影響した。2027年3月期は売上高11,300百万円・営業利益750百万円への回復を予想している。
成長戦略
AI・データ活用による競争力強化と通訳・新サービス拡大で業績回復を目指す中計推進
CAT・MT・LLM等の自然言語処理技術を活用したサービス提供とデータ分析に基づく営業・マーケティングを推進。中期経営計画(2026〜2028年3月期)の中核施策として、AI活用による生産性向上と新サービス開発を通じた競争力強化を図る。
2026年3月期はソフトウエア仮勘定が306百万円に急増しており、システム投資が本格化している。
通訳業務に関連サービスを組み合わせた高付加価値サービスの提案を推進し、顧客企業との関係深化を図る。2026年3月期に三期連続過去最高(1,323百万円)を更新しており、既存顧客の継続受注とグローバル会議・大型スポット案件の新規獲得が奏功している。
金融・法務分野において適時開示情報を対象とした新サービスの提供を開始し、IR関連文書の受注増加につなげた。顧客企業との長期・安定的な関係構築を通じた顧客シェア拡大を目指す。
2026年3月期の金融・法務分野は新サービス効果があったものの、法務関連文書の受注減少と大型案件の反動減で全体では前期比△12.2%にとどまった。
シトラスジャパン株式会社を当連結会計年度に子会社化し連結範囲に追加。また株式会社FIPASを2025年10月1日付で吸収合併し、グループ体制を再編。M&Aを通じた事業基盤の強化と新領域への展開を継続する方針。投資活動CFは943百万円の支出(前期195百万円)と大幅に拡大した。
最終更新: 2026年7月19日

