事業内容
株式会社タウンニュース社は1977年創業、神奈川県全域および東京都町田市・八王子市・多摩市の計36地区36版のフリーペーパー「タウンニュース」を発行する地域情報企業。主要顧客は地域の中小事業者・広告代理店であり、行政区単位のきめ細かい地域情報と広告を組み合わせた「アドコミ(アドバタイジング+コミュニケーション)」モデルを展開。
近年はWeb版・LINE版・メール版などデジタルメディアへの展開、自治体施設の指定管理(PPP事業)、プロポーザル案件など非紙面事業の多角化を進め、「地域情報紙も発行する総合情報企業」への構造転換を第2次中期経営計画(2024〜2026年度)に掲げている。東京証券取引所スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
購読料を徴収せず日刊紙折込で各家庭・事業所に無料配布することで高い到達率を確保し、その紙面広告枠をクライアントへ直接販売または広告代理店経由で販売することで収益を得る。印刷は外部委託、配布は折込委託業者を活用することで固定費を抑制。
加えてWeb版広告・デジタル広告、自治体施設の指定管理業務(PPP事業)、各種プロモーション・プロポーザル案件が収益の多様化を担う。
企業の強み
神奈川県内全33地区に加え東京都多摩地区3地区、計36地区36版を発行。行政区単位で内容の異なる紙面を展開し、他媒体が代替困難な超ローカル情報を提供。2006年に神奈川県全域を網羅して以来、約20年にわたり地域密着の情報インフラとして機能している。
2025年6月期末時点で有利子負債ゼロの無借金経営を維持し、自己資本比率は88.2%、純資産合計5,108百万円。余裕資金は定期預金を中心とした安全・流動性の高い金融資産で運用。財務的な制約なく設備投資・安定配当・新規事業投資を自己資金で賄える体制を確立している。
2022年4月の秦野市文化会館、2024年4月の茅ヶ崎公園体験学習センター(うみかぜテラス)に続き、2025年4月には小田原市民ホール(小田原三の丸ホール)の指定管理業務を受託・開始。地域情報収集力と行政ネットワークを活かした公民連携事業を非紙面事業の柱として確立しつつある。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2021〜2024期は増収増益基調が続いたが、2025期(売上高3,677百万円、営業利益462百万円)は前期比で売上・利益ともに反転減となった。2026期第3四半期累計(2025年7月〜2026年3月)は売上高3,152百万円(前年同期比+10.6%)、営業利益608百万円(同+25.8%)、経常利益652百万円(同+10.9%)、四半期純利益431百万円(同+10.8%)と全指標で前年同期を上回り、明確な回復を示した。
プロモーション関連案件の年度末集中、デジタル関連・PPP事業の順調な推移が増収を牽引。外部要因として物価上昇による施設運営費・人件費の上昇圧力があるものの、増収効果で吸収した。
通期予想(売上高4,117百万円、営業利益520百万円)は据え置かれており、3Q累計の営業利益がすでに通期予想を上回っている点は注目される。
成長戦略
「総合情報企業」転換を軸にデジタル・PPP・非紙面の三本柱で収益多様化を加速
Web版タウンニュースのリニューアルによりアクセス数が顕著に増加。メール版・LINE版・キュレーションサイト配信でユーザー接点を多層化し、インライン広告等のデジタル収益を拡大。2026年4月には自治会町内会向け新規サービス「JichiCa(ジチカ)」を開設し、地域活性化と収益機会の多角化を推進。
小田原三の丸ホール・うみかぜテラスの安定運営に加え、改修休館中だった秦野市文化会館(クアーズテック秦野カルチャーホール)が2026年4月にリニューアルオープン予定。施設運営ノウハウの蓄積により、行政からの新規受託機会の獲得を目指す。
各種出版・商業印刷・販促グッズ開発・販売に加え、自治会町内会向け安全・防犯グッズの提供など地域の多様なプロモーション需要に対応。当第3四半期において年度末案件の集中が売上伸長に寄与しており、案件パイプラインの拡充が課題。
「こどもタウンニュース」の定期発行定着や各種特別号・特集企画の継続により、紙媒体としての価値・正確性を追求。地域事業者・行政・団体への丁寧な取材に基づく紙面づくりで既存広告主の維持を図るが、当3Q累計では前年同期比で僅かに下回っており、縮小傾向への対応が継続課題。
最終更新: 2026年7月17日

