事業内容
ヒビノ株式会社は連結子会社29社を擁し、業務用音響・映像機器の販売施工(販売施工事業)、建築音響・騒音対策の設計施工(建築音響施工事業)、コンサート・イベント向け音響・映像サービス(コンサート・イベントサービス事業)の3事業を中核に展開する。主要顧客は放送局・ホール・スタジアム・アリーナ・商業施設・データセンター・コンサートプロモーターなど多岐にわたる。
国内に加え、韓国・オーストラリア・シンガポール・マレーシア・インドネシア・スリランカ・香港・米国・欧州に拠点を持ち、アジア・オセアニア地域での展開を加速している。2026年3月期の海外売上高は12,033百万円(海外売上高比率17.8%)に達した。
ビジネスモデル
販売施工事業では機器販売・システム設計・施工・メンテナンスを一体提供し、建築音響施工事業では設計から施工まで請け負う高付加価値の専門工事で安定収益を確保する。コンサート・イベントサービス事業は機材レンタル・オペレートを主体とし、稼働率に応じた変動収益を生む。
M&Aを通じた「ハニカム型経営」により事業ポートフォリオを拡充し、グループ間の機材・技術・顧客基盤を相互活用することで収益機会を最大化する構造を持つ。
企業の強み
販売施工・建築音響施工・コンサートイベントサービスの3事業を単一グループ内に保有し、企画・設計段階から施工・運用まで一貫提供できる体制を構築している。2026年3月期には全セグメントで売上高が過去最高を更新し、グループ総合力を大阪・関西万博や長崎スタジアムシティ等の大型プロジェクトで発揮した実績がある。
「ビジョン2025」期間(2023年3月期〜2026年3月期)に6件21社のM&Aを実施し、売上高を2022年3月期比25,177百万円増加させた。オーストラリアのInSight Systemsグループ、シンガポールのSpectrum Audio Visual Pte. Ltd.等の海外M&Aにより、アジア・オセアニア地域の販売施工基盤を確立。
海外売上高は同期間で6,807百万円増加し12,033百万円に達した。
建築音響施工事業は2026年3月期に売上高11,628百万円、セグメント利益1,026百万円(利益率8.8%)を計上し、前期の高収益大型案件の反動を採算管理・原価低減で吸収して利益水準を維持した。スタジオ・音響実験室・電磁波シールド・騒音対策施工など高度な専門技術を要する領域に特化しており、競合が参入しにくい事業特性を持つ。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期42,426百万円から2026年3月期67,603百万円へ5期で59%増加。営業利益は同期間に1,340百万円から5,066百万円へ約3.8倍に拡大し、営業利益率は3.2%から7.5%へ改善した。
親会社株主帰属当期純利益は2026年3月期に3,054百万円(前期比77.3%増)と急拡大したが、前期の特別損失(のれん償却353百万円・投資有価証券評価損218百万円等664百万円)の消滅と、コンサート・イベントサービス事業における大阪・関西万博等の大型案件集中が主因であり、一部は一過性要因を含む。外部要因として国内コンサート市場の活況・スタジアム整備需要・データセンター投資拡大が業績を押し上げた。
自己資本比率は31.6%に改善し、営業CFは8,621百万円と財務体質も向上した。2027年3月期は特需剥落により連結営業利益4,600百万円(前期比9.2%減)を会社側は予想している。
成長戦略
新中期計画「Beyond 1000」でM&AとハニカムM&Aにより2029年3月期売上高1,000億円を目指す
2027年3月期〜2029年3月期の3ヵ年計画。「健全経営2.0による持続的成長の実現」を方針に掲げ、最終年度2029年3月期に連結売上高1,000億円・海外売上高比率30%・経常利益70億円の達成を目指す。ハニカム型経営の進化による事業創造と革新を成長戦略の柱とする。
株式会社アセント(2026年4月子会社化完了)および株式会社フォトロン企画(2026年7月子会社化予定)の連結化により、システムエンジニアリングと映像機器販売を強化。AV&ITシステムのワンストップ提案力を高め、一括受注の拡大を図る。
2027年3月期販売施工事業売上高40,600百万円(前期比24.2%増)を見込む。
無響室・防音室メーカーであるソノーラテクノロジー株式会社(2026年5月子会社化予定)の連結化により、組立式無響室・防音室等をラインアップに追加。グループ連携による新製品開発にも取り組み、データセンター・都市再開発等の需要を取り込む。
2027年3月期建築音響施工事業売上高12,400百万円(前期比6.6%増)を見込む。
スポーツ・イマーシブエンターテインメント・バーチャルプロダクション・映像制作を注力分野として強化するとともに、新たに照明サービスを開始し映像・照明を組み合わせた空間演出提案を推進。大型特需剥落後の安定的な収益基盤を構築する。
2027年3月期は売上高20,000百万円(前期比6.3%減)・セグメント利益3,300百万円(同22.0%減)を見込む。
オーストラリア(InSight Systemsグループ)・シンガポール(Spectrum Audio Visual Pte. Ltd.)・韓国(子会社合併による効率化)を軸にアジア・オセアニア地域での売上規模を拡大。「Beyond 1000」では海外売上高比率30%(2026年3月期実績17.8%)を最終目標とし、M&Aも活用しながら海外展開を加速する。
「ビジョン2025」の目標であった自己資本比率30%を2026年3月期に31.6%で達成。短期借入金を4,773百万円純減させ財務レバレッジを低下させた。「Beyond 1000」においても「財務の安定」を健全経営サイクルの柱の一つに掲げ、M&A投資と財務規律のバランスを維持する方針。
最終更新: 2026年7月19日

