事業内容
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)は1999年設立のインターネットサービス企業で、当社・連結子会社47社・持分法適用関連会社31社の計79社で構成される。主力のゲーム事業では『Pokémon Trading Card Game Pocket』等のモバイルゲームアプリを国内外に配信し、ライブストリーミング事業では「Pococha」「IRIAM」を運営する。
スポーツ・スマートシティ事業では横浜DeNAベイスターズ・横浜スタジアム・川崎ブレイブサンダース等を運営し、ヘルスケア・メディカル事業ではヘルスビッグデータ活用と医療DXを展開する。エンターテインメントから社会課題解決まで多角的な事業ポートフォリオを有する。
ビジネスモデル
ゲーム事業はモバイルアプリ内課金とレベニューシェア型の外部パートナー提携(株式会社ポケモンとの収益分配契約等)で高利益率を実現する。ライブストリーミング事業はユーザーの投げ銭課金を収益源とし、スポーツ事業は入場料・グッズ・スポンサー等の複層的な興行収益に加え不動産賃貸・運営収益を組み合わせる。
ヘルスケア事業はデータ利活用サービスの提供で継続的な収益を目指す投資フェーズにある。
企業の強み
2026年3月期のゲーム事業セグメント利益率は46.1%(売上収益64,356百万円、セグメント利益29,656百万円)と極めて高い。任天堂・株式会社ポケモン等の有力IPホルダーとの長期提携契約を複数保有し、外部パートナーとのレベニューシェア型開発・運営体制が安定的な収益基盤を形成している。
2025年シーズンの主催試合における観客動員数が球団史上最多記録を更新。入場料・グッズ・スポンサー等の複層的な収益構造により、スポーツ・スマートシティ事業の売上収益は前期比4.5%増の32,751百万円を達成した。
横浜スタジアムの管理運営権(1978年契約、増築部分供用開始から40年間)も安定収益の基盤となっている。
2026年3月期末の現金及び現金同等物は103,046百万円、流動比率224.8%、親会社所有者帰属持分比率69.8%。営業活動によるキャッシュ・フローは33,431百万円を確保し、長期借入金の返済28,780百万円・自己株式取得10,694百万円・配当金支払7,245百万円を実施しながらも手元資金を積み上げた。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上収益は2025年3月期の163,997百万円から2026年3月期は147,700百万円(前期比9.9%減)に減少した。営業利益は28,973百万円から18,694百万円(同35.5%減)、親会社帰属当期利益は24,193百万円から19,048百万円(同21.3%減)と全主要指標が悪化した。
主因は『Pokémon Trading Card Game Pocket』の初動反動によるゲーム事業の減収(77,982百万円→64,356百万円)と、のれん減損損失9,912百万円の計上である。一方、ライブストリーミング事業は収益性重視への転換で黒字化(損失201百万円→利益3,984百万円)、持分法投資利益も8,814百万円と大幅増加した。
2027年3月期は売上収益154,000百万円(前期比4.3%増)、営業利益15,000百万円(同19.8%減)を予想しており、将来成長投資の積極化により利益水準はさらに低下する見通しである。
成長戦略
ゲーム収益基盤を軸にAI活用・スポーツ・医療DXで構造的成長を目指す
『Pokémon Trading Card Game Pocket』の初動反動による減収を踏まえ、外部IPパートナーとの提携タイトル開発・運営を継続強化する。2027年3月期はゲーム事業の前期初動剥落を考慮した計画を策定しており、新規タイトルの投入と既存タイトルの長期運営による収益の平準化が課題となっている。
2025年に株式会社DeNA AI Linkを設立しAIコンサルティング・ソリューション事業を開始。一般ユーザ向けAIアプリ開発組織も立ち上げた。
新規事業・その他セグメントの損失は1,550百万円に拡大しており、現時点では投資先行フェーズにある。外部LLM等への依存リスクを抱えつつも、AI活用を中長期の事業ポートフォリオ強化の核と位置づけている。
2026年3月にBASEGATE横浜関内がグランドオープンし、直営施設2施設が開業した。開業費用先行フェーズから本格稼働フェーズへの移行により、スポーツ興行収益との相乗効果が期待される。
横浜DeNAベイスターズの球団史上最多動員達成を背景に、入場料・スポンサー・物販等の複層的収益拡大を継続する方針である。
医療関係者間コミュニケーションアプリ「Join」の国内展開・海外展開・Join Mobile Clinicの3取り組みに集中し、固定費低減を進める方針。セグメント損失は前期の3,619百万円から2,329百万円へ改善したが、のれん減損9,614百万円(株式会社アルム)を計上しており、事業価値の毀損が顕在化した。
今後の収益化見通しの精査が引き続き課題である。
2027年3月期を「経営の変革期」と位置づけ、グループの事業ポートフォリオ・事業創造についての戦略アップデートを最優先課題とする。自己株式取得(2026年3月期10,694百万円支出)や有価証券売却(50,909百万円収入)を通じた資本効率向上を推進。
DOE3%を目安とした配当政策(2026年3月期1株66円)を維持しつつ、内部留保を成長投資に充当する方針を継続する。
最終更新: 2026年7月19日

