継続企業前提の疑義
がん免疫療法市場の環境変化に伴う細胞加工業の売上急減後の回復不足に加え、再生医療等製品事業の開発支出累増により、継続的な営業損失及びマイナスの営業キャッシュ・フローが発生し、継続企業の前提に疑義を生じさせるリスクが存在する。当事業年度末の手元資金(現金及び預金並びに有価証券を含む流動資産ベース)残高は3,170,097百万円(千円単位の原文ママ:3,170,097千円)を維持しており、当面の資金繰りに懸念はないと判断しているが、営業キャッシュ・フローの改善が実現しない場合、追加の資金調達が必要となる。会社は細胞加工業の受託拡大・CDMO案件獲得と製造体制適正化による黒字回復、および再生医療等製品の早期承認取得を対応策として掲げている。
特定取引先への高依存
2025年9月期の売上高810,291千円のうち、医療法人社団滉志会向け売上が446,859千円(売上高比55.1%)を占めており、単一取引先への依存度が極めて高い状態にある。同医療法人との関係悪化や、受診患者数の減少・閉鎖等の事態が生じた場合、当社の業績に直接的かつ重大な影響を与える可能性がある。現時点では両者は緊密かつ安定的な関係にあるとしているが、依存度低減に向けた具体的な対応策の記載は限定的である。
研究開発の不確実性
再生医療等製品の製造販売承認取得を次の収益柱と位置づけており、研究開発費は2025年9月期に452,488千円(売上高比55.8%)に達するなど、売上高を大幅に上回る水準の先行投資を継続している。臨床試験において期待通りの結果が得られない場合や、製造販売承認が取得できない場合には、多額の投資が回収できず業績に重大な影響を与える可能性がある。会社は有望かつ可能性の高いシーズを優先して開発を進める方針を採っているが、研究開発の成否は本質的に不確実である。
競合激化・新薬開発による代替
「再生医療等安全性確保法」及び「医薬品医療機器等法」の整備により複数企業が類似モデルで再生医療分野に参入しており、競争が激化している。加えて、大手製薬企業が開発する免疫チェックポイント阻害薬・分子標的薬・遺伝子治療薬等の保険適用新薬が普及した場合、免疫細胞治療の需要が代替される可能性がある。競争優位の喪失または主力事業の代替が生じた場合、当社の業績に影響を与える可能性がある。
法的規制強化への対応リスク
当社は「再生医療等安全性確保法」に基づく特定細胞加工物等製造事業者許可および「医薬品医療機器等法」に基づく再生医療等製品製造業許可を取得し事業を運営しているが、関係官庁の動向や想定外の規制強化が生じた場合、対応コストが発生し業績に影響を与える可能性がある。また、再生医療等安全性確保法の運用の中で新たな対応策が求められた場合、細胞加工物製造の対価形態そのものが変更される可能性もある。新たな法律・規制の制定も同様のリスク要因となる。
品質管理・製造管理リスク
細胞加工工程では標準業務手順書(SOP)に基づく品質確保を行っているが、人的過失・装置故障・培地や試薬の不良品混入・劣化等により品質基準を満たさない加工物が出荷された場合、信用失墜につながる可能性がある。また、地震・火災等の災害発生時には重大事故に発展するリスクもある。品川CPFが保有する特定細胞加工物等製造事業者許可および再生医療等製品製造業許可が取り消された場合、事業継続に直接的な支障が生じる。
人材流出・確保困難リスク
再生医療分野への新規参入が相次ぐ中、業界内での人材争奪戦が激化した場合、細胞加工技術者の確保が困難になる可能性がある。当社は独自の細胞加工技術者育成システムを有しているが、優秀な人材の流出が発生した場合、品質管理体制の維持が困難となり業績に影響を与える可能性がある。また、人材流出は細胞培養加工施設の許可維持にも影響するリスクがある。
加工料価格変動リスク
免疫細胞治療は保険診療の対象外であり、1クールの治療費総額はおよそ200万円と高額であるが、標準的な価格水準が定まっていないため、治療費水準の変化に伴い加工料の見直しが生じる可能性がある。再生医療分野への多数の新規企業参入による競争激化が価格競争を引き起こした場合、当社の業績に影響を与える可能性がある。また、再生医療等安全性確保法の運用変化により、細胞加工物製造の対価形態自体が変更されるリスクも存在する。
情報セキュリティリスク
当社はサイバー攻撃による社内ネットワーク・システムの運用停止リスクと、従業員・取引先情報や技術・営業上の機密情報の漏洩リスクを抱えている。検知機能・監視体制・情報セキュリティインシデント対応体制の強化や社内規程・従業員教育等の対策を実施しているが、完全な防止は困難であると認識している。情報漏洩が発生した場合、信用低下および業績への影響が生じる可能性がある。
業界イメージ悪化リスク
再生医療は新技術であるため、他社・他機関における甚大な副作用等の損害が発生した場合、再生医療全体に対するイメージが悪化し、患者数の減少につながる可能性がある。当社自身の問題でなくとも業界全体の風評被害を受けるリスクがあり、患者数の減少は細胞加工受託件数の減少を通じて直接的に業績に影響する。当社はこのリスクを必ずしも事業上のリスクとは考えていないとしつつも、投資家への情報開示の観点から積極的に開示している。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年4月21日

