事業内容
いちご株式会社は「日本を世界一豊かに」を経営理念に掲げ、現存不動産に新たな価値を創造する「心築(しんちく)事業」、J-REIT3法人および私募ファンドを運用する「アセットマネジメント事業」、太陽光・風力発電を主軸とする「クリーンエネルギー事業」の三事業を展開するサステナブルインフラ企業。2000年設立、2015年に東証一部(現プライム市場)へ市場変更。
長期VISION「いちご2030」のもと、ストック収益比率60%以上・ROE期間平均15%以上を目標に、不動産市況に左右されにくい安定収益基盤の構築を推進している。主要顧客は機関投資家・J-REIT投資主・個人不動産投資家・ホテルオペレーターなど多岐にわたる。
ビジネスモデル
心築事業では不動産を取得・保有しながら賃料収入(ストック収益)を享受しつつ、独自の不動産技術・ノウハウで価値向上を図り売却益(フロー収益)を実現する。アセットマネジメント事業ではJ-REIT3法人・私募ファンドへのベース運用報酬と成果報酬を収受。
クリーンエネルギー事業ではFIT制度に基づく安定的な売電収入を積み上げる。三事業が相互補完し、ストック収益固定費カバー率195%という安定基盤を形成している。
企業の強み
ストック収益(賃料収入・売電収入・ベース運用報酬等)が固定費の195%をカバーする安定収益構造を確立。2022年2月期時点でストック収益比率は60%に達し、長期VISION「いちご2030」の目標値を前倒しで達成している。不動産市況の景気循環に左右されにくい収益基盤が特徴。
いちごオフィスリート(8975)、いちごホテルリート(3463)、いちごグリーンインフラ投資法人(9282)の3法人に加え私募ファンドを運用。Jリート市場で唯一、投資主価値に連動した完全成果報酬制度を導入しており、運用報酬の透明性と能動的運用促進を両立している。
2022年2月期末時点で稼働済み発電所60発電所(発電出力169.1MW)を保有。同期に風力発電所「いちご米沢板谷ECO発電所」を含む9発電所(19MW)が新規稼働し、FIT制度に基づく安定的な売電収入が通期寄与。クリーンエネルギーセグメント売上高は5,362百万円、利益は2,134百万円を計上。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の連結売上高は2022期56,934百万円→2026期92,705百万円と着実に拡大し、営業利益も2022期10,018百万円→2026期20,449百万円と倍増。しかし2027年2月期第1四半期(2026年3月〜5月)は売上高10,497百万円(前年同期比15.9%減)、営業利益2,587百万円(同25.4%減)と前年同期を下回った。
主因はアセットマネジメント事業における前年同期の大型譲渡成果報酬の反動、いちごオーナーズの売却ゼロ。一方、特別利益に計上した心築資産売却益(関係会社株式売却益3,017百万円・固定資産売却益1,228百万円)が寄与し事業利益は6,822百万円(同45.3%増)、親会社株主帰属四半期純利益は2,883百万円(同23.7%増)と増益を確保。
外部環境として日米金利差・円安を背景とした投資資金流入が東京主要都市の不動産投資意欲を支えており、心築事業のフロー収益創出環境は良好。通期業績予想に変更はなく、過去最高益更新に向けて順調に進捗しているとしている。
成長戦略
長期VISION「いちご2030」のもと、心築深化・AM拡大・クリーンエネルギー多様化で持続成長
中規模オフィスビルへのセットアップオフィス展開(「THE VILLAGE OSAKA」「THE VILLAGE SAPPORO」が2026年3〜5月に稼働開始)と地域ブランディングを推進。心築による価値向上後の不動産・子会社株式売却でフロー収益を創出し、ストック収益の積み上げと両立させる。
GRAN PASEOシリーズの企画・開発を推進し、当第1四半期に都心を中心に新築優良レジデンスを184億円取得。通期取得目標580億円に対して順調に進捗。第2四半期以降の売却活動により通期売却額(売上)620億円を見込む。
太陽光発電(64か所・約188.2MW)に加え、2026年6月に系統用蓄電池事業の第1号蓄電所「いちご御宿岩和田ECO蓄電所」(千葉県、8.9MWh・1.9MW)を稼働開始。地域一体型バイオマス発電も推進し、電源多様化と地域課題解決を両立させる。
DOE目標を従来の「4%以上」から「5%以上」に引き上げ、2027年2月期の配当予想を1株当たり15.5円(前期比35%増)に設定。10期連続の機動的自社株買い(当第1四半期に総額48億円実施)と組み合わせ、EPS向上を通じた株主価値最大化を追求する。
当第1四半期に新たに42億円をESGローンにより調達。固定金利比率56%を維持し金利上昇リスクを管理。借入期間の長期化・無担保資金調達・借入コスト削減を継続し、信頼性の高い財務基盤を確保することで経営の安定性と柔軟性を両立させる。
最終更新: 2026年7月17日

