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株式会社ドーン

2303東証スタンダード情報通信業

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株式会社ドーン2303

事業内容

株式会社ドーンは1991年創業、地理情報システム(GIS)技術を基盤に、警察・消防・自治体防災・社会インフラ保全分野向けのクラウドサービス(SaaS)を開発・提供する情報サービス企業。主力サービスは聴覚・言語障害者向け緊急通報「NET119」(人口カバー率7割超)、映像通報「Live119」(同約5割)のほか、防犯アプリ「Digi Police」、災害情報共有「DMaCS」など多数。

官公庁を主要顧客とし、東京証券取引所スタンダード市場に上場。情報サービス事業の単一セグメントで運営している。

ビジネスモデル

収益はクラウド利用料(2025年5月期825百万円、売上比50.1%)、クラウド初期構築(311百万円)、SI初期・保守(412百万円)、ライセンス販売等(99百万円)の4品目で構成。官公庁との1年更新契約(複数年契約も有)によりクラウド利用料がストック型収入として積み上がる構造。

初期構築・SI案件が新規顧客獲得のフロント機能を担い、その後の月額利用料収入へ転換するモデル。無借金経営で自己資本比率89.5%を維持し、M&A資金も自己資金で賄う方針。

企業の強み

主力の「NET119緊急通報システム」は導入消防の管轄人口カバー率が7割超、「Live119(映像通報システム)」は同約5割に達している。いずれも全国普及が進行中であり、既存契約の継続更新によるストック収入の安定的な積み上がりが確認されている。

2021年5月期から2025年5月期にかけて売上高1,119百万円→1,647百万円、営業利益340百万円→574百万円と5期連続で増収増益を達成。自己資本比率89.5%、無借金経営を維持しており、財務健全性は極めて高い。

1994年から蓄積したGIS技術・ノウハウを基盤に、NET119・Live119・防犯アプリ・DMaCSなど警察・消防・自治体向けに特化した独自クラウドサービス群を構築。行政が扱う情報の多くが地理的位置に関係するという特性を活かし、参入障壁の高い公共安全領域でのポジションを確立している。

エンヴァリスの着眼点

クラウド利用料は2024年5月期1Qの185百万円から2026年5月期4Qの236百万円へと12四半期連続で増加しており、売上高に占めるストック型収益の比率が高まっている。SI初期の大型案件依存による収益変動リスクは依然存在するが、2026年5月期はSI初期が前期比30.1%減となった中でも全体増収増益を達成しており、ストック収益の安定性が証明された形。

次期予想(売上高1,800百万円、営業利益670百万円)は増収増益継続を見込むが、成長率は緩やかで保守的な設定と評価できる。

受託開発受注残高が前期比153.5%増の171百万円に達しており、次期のフロー型売上への転換が期待される。一方、次期業績予想では人的資本強化に伴う採用活動費・人件費等の増加を費用面の主要変動要因として挙げており、売上高成長率3.8%に対し営業利益成長率2.3%と利益成長が売上成長を下回る見通し。

IT人材獲得競争の激化(外部要因)が採用コスト上昇を通じて利益率の改善余地を制約するリスクに留意が必要。

株式会社tiwakiとの資本業務提携は防犯事業を中心に実証実験段階にあり、業績への反映には時間を要すると会社自身が明示している。第2次中期経営計画が掲げる「AIを活用したクラウドサービスの展開」や「M&A・事業提携」によるシナジー創出は現時点で具体的な業績貢献が見えにくく、既存事業の安定成長を超えた次の成長軌道を示せるかが中長期の評価を左右する。

当期純利益率27.2%・ROE16.4%と高水準を維持しており、現状の収益品質は高い。

成長戦略

Gov-tech市場深耕・AI活用クラウド展開・M&A提携によるシナジー創出を第2次中計で推進

NET119・Live119・DMaCS・Digi Police等の既存製品の全国普及を継続推進。2026年5月期はクラウド利用料が前期比10.0%増の907百万円と順調に拡大し、四半期ごとの単調増加が継続。

消防アプリ「RED」(2026年1月提供開始)やDigi Policeへの国際電話ブロック機能追加(2025年12月)により製品ラインアップを拡充。

既存クラウドソリューションにAIをはじめとする先進技術を融合させ、社会課題解決に資する新たなサービスや事業機会を創出する方針。現時点では具体的な業績貢献は限定的であり、次期以降の具体化が評価ポイントとなる。

株式会社tiwakiとの資本業務提携を通じ、防犯事業を中心にエッジAI技術活用・シナジー創出を目指す。関係各所との調整および実証実験段階にあり、官公庁特性上、業績への反映には時間を要すると会社が明示。同業種・他業種を対象としたM&Aも引き続き検討。

IT人材獲得競争の激化に対応するため、採用コンテンツの充実・カジュアル面談の実施等による採用活動強化、企業型DC制度の導入、社内教育・処遇制度の充実を推進。増員数は足踏み傾向にあるとしており、次期は採用活動費・人件費の増加を費用増加要因として織り込んでいる。

最終更新: 2026年7月17日