事業内容
株式会社ドーンは1991年創業、地理情報システム(GIS)技術を基盤に、警察・消防・自治体防災・社会インフラ保全分野向けのクラウドサービス(SaaS)を開発・提供する情報サービス企業。主力サービスは聴覚・言語障害者向け緊急通報「NET119」(人口カバー率7割超)、映像通報「Live119」(同約5割)のほか、防犯アプリ「Digi Police」、災害情報共有「DMaCS」など多数。
官公庁を主要顧客とし、東京証券取引所スタンダード市場に上場。情報サービス事業の単一セグメントで運営している。
ビジネスモデル
収益はクラウド利用料(2025年5月期825百万円、売上比50.1%)、クラウド初期構築(311百万円)、SI初期・保守(412百万円)、ライセンス販売等(99百万円)の4品目で構成。官公庁との1年更新契約(複数年契約も有)によりクラウド利用料がストック型収入として積み上がる構造。
初期構築・SI案件が新規顧客獲得のフロント機能を担い、その後の月額利用料収入へ転換するモデル。無借金経営で自己資本比率89.5%を維持し、M&A資金も自己資金で賄う方針。
企業の強み
主力の「NET119緊急通報システム」は導入消防の管轄人口カバー率が7割超、「Live119(映像通報システム)」は同約5割に達している。いずれも全国普及が進行中であり、既存契約の継続更新によるストック収入の安定的な積み上がりが確認されている。
2021年5月期から2025年5月期にかけて売上高1,119百万円→1,647百万円、営業利益340百万円→574百万円と5期連続で増収増益を達成。自己資本比率89.5%、無借金経営を維持しており、財務健全性は極めて高い。
1994年から蓄積したGIS技術・ノウハウを基盤に、NET119・Live119・防犯アプリ・DMaCSなど警察・消防・自治体向けに特化した独自クラウドサービス群を構築。行政が扱う情報の多くが地理的位置に関係するという特性を活かし、参入障壁の高い公共安全領域でのポジションを確立している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年5月期は売上高1,735百万円(前期比5.3%増)、営業利益655百万円(同14.1%増)、当期純利益472百万円(同12.6%増)と5期連続の増収増益を達成し、いずれも過去最高。売上高成長率は前期の9.7%から5.3%へ鈍化したが、SI初期が前期大型案件の反動で前期比30.1%減となった中での達成であり、クラウド利用料(前期比10.0%増)とクラウド初期構築(同19.7%増)が牽引した。
売上高営業利益率は37.8%(前期34.9%)と大幅改善。外部要因として、官公庁・民間企業のDX投資活発化・デジタル庁の行政クラウド推進が追い風として機能している。
営業CFは653百万円(前期302百万円)と大幅改善し、現金同等物期末残高は1,007百万円に増加した。
成長戦略
Gov-tech市場深耕・AI活用クラウド展開・M&A提携によるシナジー創出を第2次中計で推進
NET119・Live119・DMaCS・Digi Police等の既存製品の全国普及を継続推進。2026年5月期はクラウド利用料が前期比10.0%増の907百万円と順調に拡大し、四半期ごとの単調増加が継続。
消防アプリ「RED」(2026年1月提供開始)やDigi Policeへの国際電話ブロック機能追加(2025年12月)により製品ラインアップを拡充。
既存クラウドソリューションにAIをはじめとする先進技術を融合させ、社会課題解決に資する新たなサービスや事業機会を創出する方針。現時点では具体的な業績貢献は限定的であり、次期以降の具体化が評価ポイントとなる。
株式会社tiwakiとの資本業務提携を通じ、防犯事業を中心にエッジAI技術活用・シナジー創出を目指す。関係各所との調整および実証実験段階にあり、官公庁特性上、業績への反映には時間を要すると会社が明示。同業種・他業種を対象としたM&Aも引き続き検討。
IT人材獲得競争の激化に対応するため、採用コンテンツの充実・カジュアル面談の実施等による採用活動強化、企業型DC制度の導入、社内教育・処遇制度の充実を推進。増員数は足踏み傾向にあるとしており、次期は採用活動費・人件費の増加を費用増加要因として織り込んでいる。
最終更新: 2026年7月17日

