事業内容
山崎製パン株式会社は1948年創業の日本最大手総合食品グループ。連結子会社57社・関連会社4社で構成され、パン・和洋菓子・調理パン・米飯類・製菓・米菓を製造販売する食品事業(売上高の約92.7%)を中核に、デイリーヤマザキを擁する流通事業、物流・エンジニアリング等のその他事業を展開する。
量販店・コンビニエンスストア・自社業態店を主要販売チャネルとし、㈱不二家・ヤマザキビスケット㈱・㈱東ハト・㈱サンデリカ等のグループ各社が多様な製品カテゴリーをカバー。国内に加え米国・台湾・香港・タイ・シンガポール・インドネシア等アジア・北米にも事業を展開する。
ビジネスモデル
食品事業では自社工場および連結子会社工場で製品を製造し、量販店・コンビニエンスストア・自社業態店等へ販売する製造販売モデルが基本。グループ内の物流(㈱ヤマザキ物流等)・エンジニアリング(㈱ヤマザキエンジニアリング)が製造を支援し、内部効率を高める垂直統合型構造を持つ。
流通事業ではフランチャイズ方式のコンビニエンスストア(デイリーヤマザキ)を運営し、グループ製品の販売チャネルとしても機能させる。研究開発費9,447百万円を投じた技術革新による品質向上と価格改定を組み合わせ、収益性改善を図る。
企業の強み
食パン・菓子パン・和菓子・洋菓子・調理パン・米飯類・製菓・米菓の6部門を網羅し、2025期の食品事業売上高は1,215,940百万円。㈱不二家・ヤマザキビスケット㈱・㈱東ハト等グループ各社が各カテゴリーで主力ブランドを保有し、量販店・コンビニ・自社業態店の多チャネルで全国に安定供給する体制を構築している。
2016年竣工の総合クリエイションセンターを研究開発拠点とし、研究開発費8,925百万円(食品事業)を投じる。ダブルソフトに採用した新規品質改善技術をロイヤルブレッド・菓子パン・和菓子・洋菓子・冷凍生地製品へ順次展開し、品質訴求による取扱店数拡大と価格改定受容を実現。
技術の横展開が全部門の増収に寄与した。
2025期の営業活動によるキャッシュ・フローは78,870百万円、現金及び現金同等物期末残高は155,423百万円。自己資本比率49.3%、純資産510,828百万円と財務健全性が高く、設備投資59,942百万円を自己資金で賄いながら増配・自己株取得も継続できる資金力を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2021期1,052,972百万円から2025期1,311,430百万円へ5期連続増収。営業利益は同期間に18,359百万円から61,141百万円へ約3.3倍に拡大し、収益性改善が顕著。
2026年12月期第1四半期は売上高333,672百万円(+4.7%)、営業利益18,328百万円(+9.0%)と増収増益を継続。外部要因として卵・油脂等の原材料価格高止まりや人件費・物流費の上昇が続く一方、新規品質改善技術による販売数量拡大と2026年7月の価格改定が収益改善を後押しする見通し。
通期予想(営業利益64,000百万円・+4.7%)に対し1Q進捗率は28.6%と概ね計画通り。
成長戦略
新規品質改善技術の全製品展開と価格改定・流通事業改革を三位一体で推進
ダブルソフト技術を発展させた新規品質改善技術を「ロイヤルブレッド」(2026年1月導入済み)をはじめ食パン・菓子パン・和洋菓子製品へ展開。品質向上による販売数量拡大と付加価値訴求を通じた収益改善を図る。
2026年12月期第1四半期において食品事業売上高+4.9%・営業利益+10.3%の増収増益に貢献。
小麦粉・油脂の価格上昇、人件費・物流費・包材等のコスト高騰に対応するため、2026年7月1日出荷分から一部食パン・菓子パン・和洋菓子製品の価格改定を実施予定。品質向上・規格充実と価格帯別製品対応の強化を伴い、顧客離れを最小化しながら収益性を改善する。
節約志向・低価格志向が根強い市場環境に対応するため、低価格製品(ずっしりデニッシュ、やまざき蒸しパン等)の充実と付加価値製品(女性開発担当者主導のスペシャルシリーズ等)開発を両立。全カテゴリーで前年同期比増収を達成しており、戦略の有効性が確認されている。
松戸・杉並ドミナントプロジェクトの成功事例を大阪エリアへ拡大し、工場連携によるデイリーホットの品質向上と店舗収益改善を図る。2026年12月期第1四半期は売上高が前年同期比+1.5%と増収を確保したものの、人件費等コスト上昇により営業損失は475百万円と前年同期(237百万円の損失)から拡大しており、改善は道半ば。
最終更新: 2026年7月17日

