事業内容
Heartseed株式会社は2015年に慶應義塾大学発のバイオベンチャーとして設立。iPS細胞から作製した心筋細胞を凝集させた微小組織「心筋球」を重症心不全患者の心臓に移植する「心筋補填療法(Remuscularization)」の実用化を目指す。
対象疾患は世界の死因第一位である心臓病の中でも、5年生存率が約20%と多くのがんより低い重症心不全。リードパイプラインHS-001(開胸投与)の第Ⅰ/Ⅱ相治験(LAPiS試験)で全10例の投与を完了し、次世代品HS-005(カテーテル投与)の治験開始準備も整っている。
医薬品事業の単一セグメントで運営。
ビジネスモデル
現段階の主収益源は、グローバル製薬企業との独占的技術提携・ライセンス契約に基づく開発マイルストン収入。当事業年度(14ヶ月変則決算)の売上高3,026百万円のうち3,025百万円がノボノルディスク・エーエスからのマイルストン収入。
同契約は2025年9月に解消され、HS-001・HS-005の全世界権利が当社に返還済み。今後は日本での条件及び期限付承認取得後の製品販売収益化と、新たなグローバルパートナーとのライセンス契約締結による収益多様化を目指す。
研究開発費はAMED補助金等でも一部補填。
企業の強み
iPS細胞由来心筋球を用いた心筋補填療法(Remuscularization)として、非臨床試験を完了し患者投与での検証に入っている世界的にも数少ない企業の1社。LAPiS試験で全10例の投与を完了し、低用量群52週・高用量群26週データで有効性示唆と良好な安全性(腫瘍形成・難治性不整脈・重篤有害事象なし)を確認。
20年以上の研究成果に基づく心室特異的分化誘導技術、乳酸培地を用いた純化精製技術(腫瘍形成リスク低減)、心筋球作製技術(シングルセル比14倍以上の生着率)、H1fooによる高品質iPS細胞作製技術など複数の独自特許・ノウハウを保有。慶應義塾大学から特許移管・独占的実施権を取得済み。
2025年9月のノボノルディスク・エーエスとのライセンス契約解消により、HS-001およびHS-005に関する全世界の開発・製造・販売権利および知的財産権が当社へ返還。さらに提携期間中に同社が独自開発したノウハウ・知財も追加コストなしで受領し、グローバル展開の選択肢を完全に自社保有。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年12月期第1四半期累計(2026年1月〜3月)は売上高465百万円・営業損失△75百万円・四半期純損失△58百万円を計上。前第1四半期(2024年11月〜2025年1月)は売上高ゼロ・営業損失△485百万円であったため、マイルストン収入の計上により損失幅は大幅に縮小した。
ただし通期業績予想は売上高467百万円・営業損失△2,207百万円・当期純損失△2,158百万円と、Q1以降は実質的に収入なしで研究開発費等が積み上がる見通し。財政状態は総資産7,613百万円・純資産7,147百万円・自己資本比率93.8%と健全。
現預金は6,412百万円で前期末比424百万円減少。外部要因として為替変動が業績予想修正の要因となっており、国際情勢の不透明感が引き続き影響する。
成長戦略
HS-001承認申請前進とHS-005臨床開始の並行推進でパイプライン価値の具現化を目指す
冠動脈バイパス手術併用の第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験(LAPiS試験)で全10例のデータ取り纏めおよび第三者機関によるデータ判読を進行中。結果次第で条件及び期限付承認申請への移行が期待される。
PMDAへの治験届提出を完了し、治験施設および日本ライフライン㈱との連携が順調に進んでいる。2026年上期中の患者への投与開始を目標とし、HS-001より低侵襲な治療選択肢の臨床的検証を開始する。
HS-001・HS-005の全世界権利を単独保有しており、臨床データの蓄積を背景に海外製薬企業等とのライセンス交渉・マイルストン収入の獲得を通じた収益基盤の強化を目指す。為替影響への対応も課題。
最終更新: 2026年7月17日

