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株式会社パソナグループ

2168東証プライムサービス業

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株式会社パソナグループ2168

事業内容

株式会社パソナグループは1976年創業、持株会社傘下に連結子会社62社・持分法適用関連会社5社を擁する総合人材サービス企業。国内ではBPOソリューション(委託・請負)、エキスパートソリューション(人材派遣)、キャリアソリューション(人材紹介・再就職支援)、ライフソリューション(子育て支援・介護等)の4セグメントを中核とし、海外18カ国以上でグローバルソリューションを展開。

さらに淡路島を拠点とした地方創生・観光ソリューションも手掛ける。2024年5月期にベネフィット・ワン株式を売却し事業ポートフォリオを再編。

2025年5月期の連結売上高は309,240百万円。主要顧客は国内外の大手企業・自治体・個人求職者と多岐にわたる。

ビジネスモデル

収益の根幹はBPOソリューション(売上高137,236百万円)と人材派遣(同134,807百万円)の二本柱。BPOは顧客企業から業務を受託し、自社スタッフが処理することで継続的な役務収益を得る。

人材派遣は派遣スタッフと雇用契約を締結し派遣料金を受領するモデル。人材紹介・再就職支援は成功報酬型で高利益率(営業利益率34.8%)を誇る。

海外・ライフ・地方創生の各セグメントが多様な収益源を補完する構造。

企業の強み

2025年5月期のキャリアソリューション(人材紹介・再就職支援)は売上高14,507百万円、営業利益5,048百万円、営業利益率34.8%を達成。前期比で売上高+11.1%、営業利益+24.9%と増収増益を実現し、HRソリューション内で唯一の増収増益セグメントとなった。

ハイキャリア領域への注力と再就職支援市場の拡大が背景。

BPOソリューションと人材派遣を合算したHRソリューションの売上高は272,044百万円(2025年5月期)で、グループ全体売上高の約88%を占める。X-TECH BPO(クラウド・ローコード・ノーコード導入)やAIO(AI BPO)など高付加価値サービスを展開し、BPO粗利率は前期から改善。

幅広い業種・職種をカバーする国内最大規模の人材サービス基盤を有する。

2025年5月期末の自己資本比率は50.9%(前期49.3%から改善)、純資産141,134百万円。2024年5月期のベネフィット・ワン株式売却益により財務基盤が大幅に強化された。

受託案件に係る預り金を除いた実質自己資本比率は58.7%に達し、長期借入金の約定返済も順調に進行(当期返済9,099百万円)。

エンヴァリスの着眼点

2026年5月期の営業損失は1,149百万円と前期(1,237百万円)から88百万円改善し、経常利益は138百万円と黒字転換した。大阪・関西万博の協賛金収入542百万円・物販収入540百万円という一時的な営業外収益が経常黒字に寄与した点は留意が必要だが、売上総利益率の改善(売上総利益+2,319百万円)は構造的な収益改善を示す。

一方、全社コスト(消去又は全社の営業損失14,636百万円)はITインフラ利用料金改定で前期比拡大しており、VISION 2030の全社コスト比率3.5%以下目標達成には依然として大幅な削減が必要である。

BPOソリューションはパブリックセクターの大型受託案件ピークアウトにより売上高が132,928百万円(前期比3.1%減)と2期連続減収。キャリアソリューションも社内システムリプレイスと人員入れ替えによる営業効率低下で売上高14,033百万円(同3.3%減)・営業利益4,244百万円(同15.9%減)と大幅減益となった。

2027年5月期予想ではキャリアソリューションの増収増益回帰を計画しているが、人材紹介市場では外部環境として一部企業の採用抑制・求職者の転職慎重姿勢が継続しており、計画達成には不確実性が残る。

地方創生・観光ソリューションのセグメント資産は32,174百万円(前期21,556百万円)と大幅増加し、建設仮勘定は37,217百万円(前期22,103百万円)に膨らんでいる。2026年6月開業の長期滞在型未病リトリート施設「THE PASONA natureverse retreat」の開業初期費用が2027年5月期にも発生する見込みで、同セグメントの営業損失は1,500百万円(前期1,491百万円)と横ばい予想。

投資回収の見通しが不透明なまま固定資産投資が拡大しており、キャッシュ・フロー対有利子負債比率が13.6年(前期7.7年)に悪化している点は注視が必要である。また、子会社パソナの労働者派遣料金設定に関する公正取引委員会の調査が継続中であり、レピュテーションリスクとして引き続き監視が必要である。

成長戦略

PASONA GROUP VISION 2030:収益構造改革と新事業創造で2030年5月期売上高4,000億円を目指す

ProShare(プロシェア)の継続拡大、ウェルネスクラウド等の新サービス投入、DX支援専門子会社設立により、パブリックセクター大型案件依存からの脱却と粗利率向上を図る。2026年5月期にBPO売上総利益率が前期比1.4ポイント改善し22.7%に達した。

AIツール活用による新規派遣登録者数の前期比二桁増を実現。2027年5月期は登録から就業決定までのスピード加速により派遣稼働者数の拡大を目指す。派遣料金単価改定による売上単価上昇も継続推進。

社内システムリプレイス完了後の業務効率改善と新体制による営業力立て直しを推進。ハイキャリア層・女性管理職層への戦略的注力と再就職支援の構造改革需要継続により、2027年5月期に増収増益を計画。

ニジゲンノモリでの人気IPアトラクション(NARUTO & BORUTO忍里等)によるインバウンド獲得と、2026年6月開業の長期滞在型未病リトリート施設「THE PASONA natureverse retreat」によるWell-being事業の新規顧客層獲得を推進。2026年5月期は売上高8,296百万円(前期比17.1%増)を達成。

2026年5月期は各管理部門でコスト課題の抽出と見直し項目の選定を実施。2027年5月期は具体的な項目ごとに削減目標を設定し、コストコントロールを徹底。2030年5月期の全社コスト売上高比率3.5%以下達成を目指す。

台湾半導体・米国BPO・東南アジア人材派遣の多地域展開に加え、ビーウィズ株式会社によるマレーシアRadiant Communication Sdn. Bhd.の子会社化(2026年5月、取得原価1,373百万円)を通じてOmnia LINKのグローバル展開を開始。2027年5月期は売上高13,000百万円・営業利益700百万円(前期比162.3%増)を計画。

最終更新: 2026年7月17日