事業内容
nmsホールディングス株式会社は、HS事業(製造派遣・請負を中心とした人材ビジネス)、EMS事業(電子機器製造受託サービス)、PS事業(カスタム電源の開発・製造・販売)の3セグメントを国内外で展開する持株会社である。HS事業は日本・中国・ASEAN諸国での製造現場向け人材サービスを原点とし、EMS事業は中国・マレーシア・ベトナム・メキシコ・米国にグローバル生産拠点を有する。
PS事業はパナソニックから事業承継したカスタム電源専業メーカー機能を担う。主要顧客は製造業全般であり、2026年3月期の連結売上高は75,660百万円。
2025年3月にワールドホールディングスと資本業務提携を締結し、再建フェーズに入っている。
ビジネスモデル
HS事業では製造派遣・請負・エンジニア派遣の役務提供により継続的な人件費マージンを獲得する。EMS事業では顧客から受託した電子機器の実装・組立・修理を量産対応し、製造原価と受託単価の差益を収益源とする。
PS事業はカスタム電源製品の開発・設計から製造・販売まで一貫して手掛けるメーカー機能を持ち、3事業の中で最も高い利益率を誇る。グループ内でHS・EMS・PSのノウハウを相互活用し、顧客への複合提案を行う点が独自性である。
企業の強み
製造派遣・請負(HS)、電子機器製造受託(EMS)、カスタム電源(PS)の3事業を一体運営し、顧客の生産工程に対して人材・製造・電源の複合提案が可能な体制を持つ。2026年3月期においてHS事業売上高25,285百万円、EMS事業33,158百万円、PS事業17,216百万円と各事業が一定規模を維持しており、単一事業では提供困難な一貫サービスを実現している。
EMS事業において中国・マレーシア・ベトナム・メキシコ・米国テキサスに生産拠点を展開し、HS事業でもタイ・中国・ベトナムに海外法人を有する。ソニー米国法人からのメキシコ拠点事業譲受(2019年)など、M&Aを通じてグローバル生産体制を構築してきた実績を持ち、顧客の生産移管ニーズや脱チャイナ需要への対応基盤を保有している。
PS事業は2026年3月期にセグメント利益1,188百万円(利益率6.9%)を計上し、HS事業(3.8%)・EMS事業(1.2%)を大きく上回るグループ最高利益率セグメントである。パナソニックから承継したカスタム電源の開発・設計・製造・販売の一貫機能と、志摩電子工業との連携による国内外生産体制を有し、複合機・産業機器・アミューズメント等の多分野に供給実績を持つ。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の売上高は75,660百万円(前期比0.1%減)とほぼ横ばい。HS事業が前期比9.1%増の25,285百万円と牽引した一方、EMS事業が3.2%減の33,158百万円、PS事業が5.7%減の17,216百万円と製造系2事業が減収。
営業利益はEMS事業の減益影響等で1,695百万円(前期比4.3%減)。外部要因として為替変動が営業外収支を直撃し、経常利益は1,230百万円(前期比30.6%減)に落ち込んだ。
さらに特別調査等関連損失計上により親会社株主帰属純利益は308百万円(前期比60.4%減)。2027年3月期は売上高81,000百万円・営業利益1,700百万円・純利益550百万円を予想。
成長戦略
3事業の収益力強化・財務体質改善・ワールドHD連携で中期経営計画目標達成を目指す
エンジニア・施工管理人材の派遣拡大と一括請負提案による高付加価値ものづくりサービスの提供を推進。ワールドホールディングスとの連携強化で採用力向上・人材育成を加速。2026年3月期にセグメント利益960百万円(前期比30.8%増)を達成し、施策の効果が顕在化している。
地政学リスク・関税リスクに留意しつつ、戦略拠点であるベトナム・メキシコにおける事業拡大と新規受注獲得を推進。顧客ポートフォリオ改革・自動化・生産性向上施策により収益性改善を図る。2026年3月期はセグメント利益389百万円(前期比47.2%減)と依然低水準で、回復途上にある。
複合機・複写機市場縮小を踏まえ、産業関連・アミューズメント・サステナブル市場への拡販と付加価値商品の販売比率向上を推進。志摩電子工業のPS事業移管によるシナジー創出も進行中。2026年3月期はセグメント利益1,188百万円(前期比0.4%増)と逆風下でも増益を維持した。
2026年3月19日公表の中期経営計画に基づき、成長投資と有利子負債返済のバランスを勘案しながら配当性向30%を目安に株主還元を実施。2027年3月期期末配当予想は1株当たり9円。自己資本比率は13.1%まで改善したが、高レバレッジ解消に向けた継続的な取り組みが必要。
PST社における不適切会計処理を受け特別調査委員会を設置し調査報告書を受領。再発防止策の検討・実施を進めている。2026年3月期も特別調査等関連損失を計上しており、内部統制整備の完遂と信用回復が投資家からの評価回復に不可欠。
最終更新: 2026年7月19日

