事業内容
アイティメディア株式会社は、IT・産業テクノロジー・コンシューマー分野に特化したインターネット専業メディア企業である。BtoBメディア事業では「TechTargetジャパン」「@IT」「ITmedia AI+」「MONOist」等の専門メディアを軸に、リードジェネレーション・デジタルイベント・リサーチ・コンサルティングを展開。
BtoCメディア事業では「ねとらぼ」「Fav-Log by ITmedia」等を通じて運用型広告収益を獲得する。月間約6,000万UB・約3億5,000万PVの読者基盤を持ち、企業のマーケティング活動を支援するプラットフォームとして機能している。
連結子会社に発注ナビ株式会社、株式会社ピイ.ピイ.コミュニケーションズ等を擁し、M&Aを通じた事業領域の拡張を継続している。
ビジネスモデル
読者への情報提供は無料とし、企業のマーケティング需要に対してリードジェネレーション・デジタルイベント・広告商品・リサーチ・コンサルティングを販売する。収益の過半はリードジェンモデルが占め、139万人の会員データベースを活用してIT製品・サービスの見込み顧客情報を顧客企業に提供する。
BtoCセグメントでは運用型広告が主収益源であり、広告単価(CPM)の改善が業績を左右する構造となっている。
企業の強み
2026年3月期末時点でリードジェン会員数は139万人(前期比2.3%増)に達し、IT・産業テクノロジー分野に特化した高品質な見込み顧客データベースを保有する。顧客向けデータ管理基盤「Campaign Central」の稼働によりAIインテントデータの活用・提供が可能となり、顧客との取引継続性向上にも寄与している。
専門編集記者による高品質・速報性のあるコンテンツを武器に、月間約6,000万UB・約3億5,000万PVの読者基盤を構築している。BtoCセグメントでは広告単価(CPM)が前期比40.5%改善し530円に達するなど、コンテンツ品質向上が収益に直結している実績がある。
2015年の発注ナビ子会社化以降、2025年10月に株式会社ピイ.ピイ.コミュニケーションズ(リサーチ・コンサルティング)、2026年4月にマジセミ株式会社(年間1,000回超ウェビナー、取得対価2,050百万円)を完全子会社化するなど、メディア事業に留まらない収益モデルの多元化を実績として積み上げている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上収益は2023年3月期の8,753百万円をピークに一旦落ち込んだ後、2025年3月期8,101百万円、2026年3月期8,311百万円と微回復基調にある。しかし営業利益は2022年3月期2,687百万円から2026年3月期1,765百万円へと4期連続で減少し、営業利益率は同期間で33.2%から21.2%へと約12pt低下した。
2026年3月期はBtoCメディア事業が広告単価改善(CPM+40.5%)で大幅増益(+71.9%)となった一方、BtoBメディア事業は国内SaaS顧客のマーケティング投資抑制とシステム・M&A関連コスト増が重なり営業利益が29.1%減少した。当期利益は1,191百万円(前期比20.4%減)と、前期の持分法投資利益や税制活用効果の剥落も加わり営業利益以上の落ち込みとなった。
2027年3月期は売上収益9,200百万円(+10.7%)、営業利益2,000百万円(+13.3%)を予想しており、マジセミ連結効果による増収増益への転換を見込む。
成長戦略
M&A積極化とデータ基盤強化で収益モデルを多元化し、2029年度EPS140円を目指す
年間1,000回超のウェビナー開催実績と20万人超の会員を持つマジセミを2026年4月に取得対価2,050百万円で完全子会社化。当社200万人会員基盤との相互送客でリード提供サービスのシェア拡大を図り、減収が続くデジタルイベント収益の反転を狙う。
2025年10月に取得対価83百万円でテクノロジー領域リサーチ会社を完全子会社化。CES・MWC等の海外展示会を起点とした高度なリサーチ・コンサルティングサービスを展開し、BtoBメディア事業の収益モデルを多元化する。
2026年3月期より子会社売上に貢献(子会社売上合計802百万円、目標比100.3%)。
顧客向けデータ管理基盤「Campaign Central」の開発が進捗し、顧客へのサービス提供を開始。AIが解析したインテントデータを顧客に無償提供することで営業提案力と取引継続性を向上させ、リードジェン・デジタルイベント収益の底上げを図る。
2024年1月公表の資本コスト・株価意識経営対応の一環として中期投資枠を設定し、デジタルマーケティング市場での事業領域拡大を推進。ピイ.ピイ.コミュニケーションズ・マジセミの2件が実現し、次期より本格貢献を見込む。2029年度EPS140円の中期目標達成に向けて引き続き実行を図る。
2025年5月のCMS刷新による編集業務効率向上と、読者嗜好・プラットフォーム動向に即したコンテンツ高品質化を推進。2026年3月期の広告単価(CPM)は530円(前期比+40.5%)と大幅改善し、PV減少下でも売上収益15.1%増・営業利益率33.0%を達成した。
最終更新: 2026年7月19日

