事業内容
株式会社日本M&Aセンターホールディングスは、1991年設立の国内最大級のM&A仲介グループ。後継者問題・事業承継を抱える中堅中小企業の譲渡側と、成長戦略を追求する譲受側の双方を仲介する「提携仲介契約」モデルを核とする。
全国1,111拠点の地域M&Aセンター(会計事務所ネットワーク)、223の信用金庫との業務提携、地域金融機関との合弁3社体制を通じて案件を獲得。企業評価・PMIコンサルティング・ファンド運営・TOKYO PRO Market上場支援など周辺領域にも事業を拡張し、M&Aにおける全プロセスで付加価値を提供するM&A総合企業を標榜する。
連結子会社17社・持分法適用関連会社18社で構成。
ビジネスモデル
譲渡・譲受双方から着手金(各100万円〜500万円程度)を受領し、M&A成約時に時価総資産に料率を乗じたレーマン方式の成功報酬を受領する。成功報酬が収益の大宗を占める成果連動型モデルであり、2026年3月期の経常利益率は38.1%と高水準を維持。
ミッドキャップ案件(売上高10億円以上または利益5千万円以上)への注力により1件当たりM&A売上高は45.7百万円(前期比+6.1百万円)に上昇し、件数よりも単価向上で収益を拡大する構造へ転換中。
企業の強み
全国の会計事務所が運営する地域M&Aセンター1,111拠点、223の信用金庫との業務提携、地域金融機関との合弁3社(NOBUNAGAサクセション、九州M&Aアドバイザーズ、おきぎんサクセスパートナーズ)を構築。競合が短期間で模倣困難な広域情報ネットワークが案件獲得の根幹を支える。
2025年2月に資本業務提携したAI商談解析サービス「Bring Out」を活用し、2026年3月時点で譲渡企業約3,000社分の定性情報インタビュー、譲受候補企業約9,000社のM&Aニーズインタビューを蓄積。商談データの可視化・ナレッジ共有によりコンサルタント育成と成約率向上を図る独自の仕組みを構築している。
2026年3月期に売上高50,257百万円・経常利益19,154百万円・当期純利益12,487百万円と全指標で過去最高を更新。経常利益率38.1%の高収益体質を維持しつつ、期末現金及び現金同等物残高39,440百万円を確保。
営業CFは15,551百万円と前年比18.6%増加し、財務基盤の強固さを示している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期40,402百万円→2023年3月期41,316百万円→2024年3月期44,137百万円→2025年3月期44,078百万円(横ばい)→2026年3月期50,257百万円と推移し、2026年3月期に初めて50,000百万円を突破。営業利益も18,761百万円と過去最高を更新し、営業利益率37.3%を維持。
成功報酬が39,108百万円(前期33,536百万円)と大幅増加したことが主因。外部要因として中小企業の事業承継需要の高まりが追い風となる一方、自社要因としてミッドキャップ案件注力による1件当たり単価上昇(39.6百万円→45.7百万円)が収益拡大を牽引した。
営業CFは15,551百万円(前期13,116百万円)と増加し、現金及び現金同等物期末残高は39,440百万円と潤沢な手元流動性を維持している。
成長戦略
ミッドキャップ強化・AI活用・地域連携・ファンド事業第二柱化による持続的再成長
売上高10億円以上または利益5千万円以上の中規模案件への注力を継続。1件当たりM&A売上高は前期39.6百万円から2026年3月期45.7百万円へ上昇しており、件数ではなく単価・利益率を重視した収益構造への転換が着実に進行。2027年3月期も同施策の一層の強化を方針として明示。
AI商談解析サービス「Bring Out」を活用し、企業データベース構築・成約率向上・コンサルタント育成を推進。2026年3月時点で譲渡企業約3,000社・譲受候補企業約9,000社のデータを蓄積済み。新規買い受託件数増加と成約率向上への貢献が期待される。
「企業をイノベーションするM&Aセミナー 日本創生2025」として全国約40会場でセミナーを開催し、前年同期比1.5倍超の10,000名超の申込を獲得。オンラインセミナーや少人数意見交換会も展開し、M&Aに馴染みのない経営者層への接点拡大と新規受託獲得に繋げている。
2025年7月に沖縄銀行との合弁でおきぎんサクセスパートナーズを設立し合弁事業3社体制を構築。地方創生プロジェクトとして2026年1月に山口県を追加し5県に経営相談窓口を開設。地域密着型の案件獲得インフラを継続拡充している。
2026年4月1日を効力発生日として、ファンド事業を統括する中間持株会社・株式会社J-Capital(資本金300百万円)を新設分割により設立。日本投資ファンド・日本サーチファンド・AtoG Capitalを傘下に収め、M&A仲介事業に並ぶ第二の収益柱として事業ポートフォリオの多様化を図る。
量拡大型から「成約可能性」・「顧客への結果責任」重視への受託方針転換を実施。2026年3月期の新規受託件数は1,281件(前期1,432件から151件減)となったが、実質的な有効受託件数の上昇と将来の収益性向上を企図した前向きな構造転換として位置付けており、2027年3月期以降の成約件数・単価への影響が注目される。
最終更新: 2026年7月19日

