事業内容
中部飼料株式会社は1949年創業の独立系配合飼料総合メーカーで、東京・名古屋両証券取引所プライム・プレミア市場に上場する。鶏・豚・牛・魚向け配合飼料の製造・販売を主力とする「飼料セグメント」(売上高191,181百万円)と、「ごまたまご」等特殊卵の販売・有機入り配合肥料・畜産用機器・保険代理業を束ねる「その他セグメント」(売上高20,633百万円)の二本柱で構成される。
全国に八戸・知多・鹿島・北海道・釧路・志布志・水島・静岡の各工場を擁し、自社一貫生産体制を強みとする。日本ハム株式会社との資本業務提携(2015年締結)を通じ、差別化飼料の共同開発・安定供給体制を構築している。
主要顧客は国内畜産・水産農家および食品メーカー。
ビジネスモデル
原料の90%以上を輸入穀物に依存する配合飼料を自社工場で製造し、畜産・水産農家へ販売する。収益の鍵は「原料ポジション」(飼料販売価格と原材料価格の差)の管理にあり、四半期ごとの価格改定制度と配合設計の見直しで利益率を調整する。
差別化飼料・特殊卵・有機肥料等の付加価値商品群が収益の厚みを補完する構造となっている。
企業の強み
八戸・知多・鹿島・北海道・釧路・志布志・水島・静岡の各工場を自社保有し、各工場所轄税関での第一種承認工場認可を取得。自社一貫生産設備を活かした安定供給体制が顧客との長期的信頼関係の基盤となっており、2026年3月期の飼料生産高は186,455百万円に達する。
大分試験場(養魚用研究設備535百万円投資)、加茂研究所(養豚・養牛)等の自社研究施設を保有し、専門研究員39名が在籍。2026年3月期の研究開発費は834百万円。消化酵素活用による飼料要求率改善、温室効果ガス削減効果飼料の新商品化、低魚粉飼料の嗜好性向上など具体的な製品化実績を有する。
2015年に日本ハム株式会社と資本業務提携契約を締結。同社グループへの飼料安定供給体制の確立、ブランド食肉向け差別化飼料の共同開発、飼料まで遡った食肉トレーサビリティの充実を推進。
独立系メーカーとしての中立性を保ちながら大手食品メーカーとの協力体制を構築している点は競合他社が短期間で模倣困難な固有の強みである。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年3月期の243,476百万円をピークに原料価格下落を受けた値下げで2025年3月期に209,837百万円まで縮小したが、2026年3月期は211,814百万円(前期比0.9%増)と底打ち反転。利益面では、2023年3月期に原料高騰で営業利益1,670百万円まで急落した後、原料ポジション改善・配合設計最適化・販売量拡大により3期連続増益を達成し、2026年3月期営業利益6,584百万円は過去最高を更新した。
外部要因として、とうもろこし価格の夏以降上昇と秋以降の急速な円安が下期の収益環境を悪化させたが、年間では吸収した。2027年3月期は売上高221,000百万円(前期比4.3%増)を見込む一方、コスト増により営業利益5,900百万円(同10.4%減)と減益予想。
成長戦略
中期経営計画2024のもと飼料収益力向上・その他成長加速・サステナビリティ経営の3本柱を推進
養豚・養牛・水産研究施設を活用した新製品開発・既存製品ブラッシュアップ、差別化飼料・環境配慮型飼料の比率向上、低魚粉水産飼料の拡販、ROICツリーを活用した収益性向上を推進。2026年3月期はセグメント利益6,486百万円(前期比63.9%増)と大幅増益を達成。
鶏卵販売における「ごまたまご」等特殊卵の販売強化、堆肥使用の有機入り配合肥料の拡販、畜産用機器の海外市場向け販売強化・新商材拡販を推進。2026年3月期は売上高20,633百万円(前期比11.9%増)と増収を達成したが、セグメント利益は1,214百万円(同13.6%減)と畜産用機器の利益率低下が課題。
純資産配当率(DOE)の段階的引き上げを実施し、2027年3月期にDOE3%以上を目標とする。2026年3月期は年65円配当(DOE2.7%)、2027年3月期は年76円配当(DOE3%目安)を予定。加えて自己株式取得1,500百万円を実施し資本効率改善を図る。
経営資源の有効活用・資産効率向上を目的に、横浜市の物流倉庫賃貸物件を2026年4月30日に売却。2027年3月期第1四半期に固定資産売却益約3,100百万円を特別利益に計上予定。売却益は親会社株主帰属当期純利益の前期比24.3%増(6,900百万円)に寄与する見込み。
ESG取組みの継続推進として、温室効果ガス削減、人的資本への積極的投資、取締役会・リスクマネジメントの実効性向上を通じて収益基盤を支える。中期経営計画2024の3本柱の一つとして位置付けられている。
最終更新: 2026年7月19日

