事業内容
ダイダン株式会社は1933年創業の総合設備工事会社で、空調衛生工事および電気工事の設計・監理・施工を主力事業とする。国内では産業施設・データセンター・医療関連施設・リニューアル工事を幅広く手掛け、シンガポール・タイ・ベトナム・台湾を拠点に海外展開も進める。
主要顧客は大手ゼネコン・製薬・半導体・データセンター事業者等の民間企業が中心で、官公庁向けも一定比率を維持する。連結子会社6社(国内外)を通じた施工体制を構築し、再生医療関連事業も育成中。
東京証券取引所プライム市場上場。
ビジネスモデル
受注した設備工事を設計・施工し、完成工事高として収益を計上する請負型ビジネスモデル。受注時の採算管理と価格転嫁により完成工事総利益率を向上させる構造で、2026年3月期の完成工事総利益率は21.9%に達した。繰越工事高を積み上げることで次期業績の可視性を高め、安定的な収益基盤を形成する。
企業の強み
2026年3月期末の次期繰越工事高(単体)は326,955百万円と前期比38.3%増に達し、Rapidus IIM-1建設計画・関西国際空港リノベーション等の大型案件を含む。繰越工事高の積み上がりは次期以降の売上・利益の先行指標として機能し、業績予測の確度を高める自社固有の競争優位となっている。
2026年3月期の完成工事総利益は56,083百万円(前期比+35.6%)で、完成工事高が前期比△2.5%と減少する中でも利益が大幅増加した。受注時採算の改善と適切な価格転嫁の徹底により、工事損失引当金も大幅減少。売上規模に依存しない利益創出力が確立されつつある。
電気工事の当期受注工事高は77,198百万円(前期比+121.2%)、繰越工事高は65,415百万円(前期比+137.3%)と急拡大。海外工事の繰越工事高は39,002百万円(前期比+184.3%)、リニューアル工事の繰越工事高は74,819百万円(前期比+51.7%)と、空調衛生工事に依存しない多軸の受注基盤が形成されている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期162,929百万円から2025年3月期262,732百万円まで4期連続増収を達成したが、2026年3月期は256,228百万円(▲2.5%)と微減収に転じた。一方、営業利益は34,479百万円(+49.7%)、親会社株主帰属当期純利益は26,772百万円(+53.5%)と過去最高を更新。
営業利益率は8.8%から13.5%へ大幅改善し、ROEは17.4%から22.5%へ上昇した。外部要因として、データセンター・半導体工場向け設備投資需要の旺盛な継続が受注環境を支えている。
完成工事総利益率の改善(15.7%→21.9%)と工事損失引当金の大幅圧縮(1,218百万円→196百万円)が利益拡大の主因であり、採算管理の高度化による構造的な収益力向上が確認できる。
成長戦略
電気・海外・リニューアルの3軸拡大と採算管理強化で持続的な利益成長を目指す
受注工事高が前期比+94.8%増の87,303百万円、繰越工事高が+108.9%増の73,033百万円と急拡大。完成工事高に占める電気工事比率は14.3%から19.2%へ上昇。次期以降の売上貢献が見込まれる一方、急拡大に伴う採算管理の徹底が収益維持の鍵となる。
連結完成工事高に占める海外工事比率が7.5%から13.2%へ上昇し、完成工事高は前期比+72.8%増の33,840百万円。繰越工事高も+90.6%増の66,140百万円と積み上がっており、次期以降の海外売上貢献が拡大する見通し。
Presico Engineering等の連結子会社効果が継続している。
リニューアル工事の完成工事高は前期比+26.3%増の108,793百万円、繰越工事高は+38.8%増の87,984百万円。完成工事高全体に占める比率は32.8%から42.5%へ上昇し、既存建物の設備更新需要を着実に取り込んでいる。市場環境として、老朽化設備の更新需要拡大が追い風となっている。
2026年3月期より「配当性向40%以上かつDOE4.8%を下限とする」新たな配当方針を導入。2026年3月期の配当金総額は10,849百万円(配当性向40.2%)、2027年3月期は年間85円(中間42円・期末43円)を予想。安定的な利益還元の枠組みを制度化した。
最終更新: 2026年7月19日

