事業内容
株式会社タウンズは、1987年創業の体外診断用医薬品専業メーカーで、イムノクロマト法を用いた感染症POCT(臨床現場即時検査)向け抗原検査キットの製造・販売を単一事業として展開する。主力製品「イムノエース®」シリーズは、インフルエンザ・新型コロナウイルス・RSウイルス・アデノウイルス等の呼吸器感染症を中心に幅広い感染症をカバーし、国内の病院・開業医を主要顧客とする。
医薬品卸売業者(スズケングループが売上の59.4%を占める)を通じた流通網を活用し、WHO等の国際機関・研究機関・バイオベンチャーにも製品を提供している。2024年6月に東京証券取引所スタンダード市場に上場した。
ビジネスモデル
自社工場(静岡県伊豆の国市・神島工場)でイムノクロマト法を用いた抗原検査キットを見込み生産し、スズケングループを筆頭とする医薬品卸売業者を通じて全国の医療機関へ販売する。独自の白金-金コロイド技術による高視認性「ブラックライン」や検体抽出液の共通使用設計が製品差別化を支え、25年6月期の売上総利益率68.6%・営業利益率44.4%という高収益構造を実現している。
企業の強み
25年6月期の売上高18,627百万円に対し営業利益8,265百万円、営業利益率44.4%を達成。売上総利益率も68.6%と高水準で、前期(43.6%・67.8%)から継続改善。
EBITDAマージンは48.2%に達し、感染症流行規模が縮小する環境下でも市場シェア拡大と高付加価値製品ミックス改善により増収増益を実現した。
2007年に特許取得した白金-金コロイド粒子技術により、判定ラインを黒色(ブラックライン)で表示。金コロイド(赤紫色)やカラーラテックス(赤・青)と比較してメンブレン白色とのコントラストが高く、視認性に優れる。
この独自技術が「イムノエース®」シリーズ全製品に適用され、医療従事者からの高い評価を獲得している。
SARS-CoV-2/Flu同時検査が可能なコンボ検査キットの売上高は、24年6月期の6,375百万円から25年6月期に7,921百万円へ24.2%増加。前期に出荷調整を余儀なくされた反省から十分な在庫を事前確保し、年末年始の需要急拡大時にも安定供給を継続。
流行規模縮小下でも新型コロナ単品キットも3.0%増収となり、市場シェア拡大が確認された。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2024年6月期・2025年6月期と2期連続増収増益(売上高18,435百万円→18,628百万円、営業利益8,030百万円→8,265百万円)を達成してきたが、2026年6月期は急激な業績悪化局面に転じた。第3四半期累計の売上高は10,663百万円(前年同期比39.4%減)、営業利益3,509百万円(同62.4%減)。
外部要因として新型コロナウイルス感染症の流行縮小と前年同期に卸売業者が積み上げた市中在庫の消化が重なった。インフルエンザは9月下旬から早期流行入りし長期継続したが、コロナ需要の落ち込みを補うには至らなかった。
通期業績予想(売上高15,048百万円、営業利益4,368百万円)は前期比それぞれ19.2%減・47.1%減と大幅減益を見込む。
成長戦略
新工場による生産基盤強化と次世代技術・新疾患領域への事業ドメイン拡大
新工場への大規模設備投資を実施。2026年3月末時点で建設仮勘定が8,213百万円から180百万円へ大幅減少しており、新工場の竣工・稼働が進んでいる。2拠点体制による生産リスク分散、物流費削減、供給安定性向上を目指す。
新型コロナ/インフルエンザコンボ検査キットは第3四半期累計で4,172百万円と全売上の約39%を占める主力製品。流行縮小局面でも安定供給体制を維持し、感染症流行回復時の需要取り込みを図る。
感染症流行に依存しない収益構造への転換を目指し、デジタル免疫測定(D-IA)技術や慢性疾患・予防未病領域への新製品開発を推進。収益化時期は不透明であり、現時点では開発段階にある。
最終更新: 2026年7月17日

